永劫の間で(九尾銀時)
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それからと言うもの、銀時は人間との繋がりを完全に拒むようになった。
仲間の妖怪が里に下りることを止めはしないものの、人間についての話は聞きたがらず、あれほど好きだった人間の作る菓子ですら遠ざける。
「せめて墓参りくらいは行ってやったらどうだ?」
そう十四郎が持ちかけても、決して首を縦に振ろうとはしない。銀時が可愛がっている眼鏡狸や傘兎からの誘いですら聞き流してしまうほどに、銀時の心の傷は深いものとなっていた。
その傷は癒えることなく、ただ時だけが過ぎて行き。いつしか山から見える景色はすっかり様変わりしていた。
里は街と呼ばれるようになり、自然は無機質な建造物に取って代わられる。その勢いは留まることを知らず、銀時の統べる山もまた、驚くほどの早さで文明を発展させた人間達によって少しずつ侵食されていた。
そうなると必然的に妖怪たちは住む場所を追われる事となる。一部は自らの終焉を受け入れ滅びたが、半数以上の妖怪たちは人間の世界に紛れ溶け込んでいた。
そんな中でも銀時は、数少ない残った仲間たちとともに山で暮らし続けている。窮屈ながらも昔と変らぬ長い時を、ありのままの姿で生きようとしていた。
ある日のこと。
いつものように銀時が、何をするでもなくぼんやりと草むらで横になっていると、近付いてくる人間の気配に気付いた。
「また祓い屋でも来やがったか?」
近年、妖怪退治と称してやって来る祓い屋が後を絶たない。中でも九尾のような高位妖怪を捉えればかなりの褒美が出るらしく、雑魚からそれなりに力のある者まで、頻繁に山へとやって来ていた。
もちろん人間などにやられる銀時ではない。大抵は尻尾をひと振りするだけで、恐れをなして逃げ去っていく。どうせ今回も大した輩では無いだろうと、横になったままの姿で待ち構えていた。
「ったく、毎度のことだが迷惑な話だぜ。……でもな〜んかいつもとは違う妙な感覚もあんだよなァ……気をつけるに越したことはねェか」
万が一を考え、カサカサと草をかき分け近付いてくる音に神経を集中させて姿が現れるのを待つ。そしてようやく草をかき分ける手が見えた時だった。
「覚悟しなさいっ!」
「へ?」
ヒュッと風を切る音がしたかと思うと、立ち上がる間もなく銀時の額に何かが刺さる。チリ、と強い熱を感じた時にはもう、全身の自由が奪われていた。
仲間の妖怪が里に下りることを止めはしないものの、人間についての話は聞きたがらず、あれほど好きだった人間の作る菓子ですら遠ざける。
「せめて墓参りくらいは行ってやったらどうだ?」
そう十四郎が持ちかけても、決して首を縦に振ろうとはしない。銀時が可愛がっている眼鏡狸や傘兎からの誘いですら聞き流してしまうほどに、銀時の心の傷は深いものとなっていた。
その傷は癒えることなく、ただ時だけが過ぎて行き。いつしか山から見える景色はすっかり様変わりしていた。
里は街と呼ばれるようになり、自然は無機質な建造物に取って代わられる。その勢いは留まることを知らず、銀時の統べる山もまた、驚くほどの早さで文明を発展させた人間達によって少しずつ侵食されていた。
そうなると必然的に妖怪たちは住む場所を追われる事となる。一部は自らの終焉を受け入れ滅びたが、半数以上の妖怪たちは人間の世界に紛れ溶け込んでいた。
そんな中でも銀時は、数少ない残った仲間たちとともに山で暮らし続けている。窮屈ながらも昔と変らぬ長い時を、ありのままの姿で生きようとしていた。
ある日のこと。
いつものように銀時が、何をするでもなくぼんやりと草むらで横になっていると、近付いてくる人間の気配に気付いた。
「また祓い屋でも来やがったか?」
近年、妖怪退治と称してやって来る祓い屋が後を絶たない。中でも九尾のような高位妖怪を捉えればかなりの褒美が出るらしく、雑魚からそれなりに力のある者まで、頻繁に山へとやって来ていた。
もちろん人間などにやられる銀時ではない。大抵は尻尾をひと振りするだけで、恐れをなして逃げ去っていく。どうせ今回も大した輩では無いだろうと、横になったままの姿で待ち構えていた。
「ったく、毎度のことだが迷惑な話だぜ。……でもな〜んかいつもとは違う妙な感覚もあんだよなァ……気をつけるに越したことはねェか」
万が一を考え、カサカサと草をかき分け近付いてくる音に神経を集中させて姿が現れるのを待つ。そしてようやく草をかき分ける手が見えた時だった。
「覚悟しなさいっ!」
「へ?」
ヒュッと風を切る音がしたかと思うと、立ち上がる間もなく銀時の額に何かが刺さる。チリ、と強い熱を感じた時にはもう、全身の自由が奪われていた。
