この手の中に最愛の君を(銀時)
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誰かを愛するつもりなんて無かった。
大切なもの程、指の間をすり抜けて落ちていく事を知っていたから。
それなのに何故今俺の腕の中には、こんな柔らかな温もりが存在しているのか。
「どうしたの? 銀時」
「……何でもねーよ」
不思議そうに見つめてくる詩織の眦にキスを落とせば、くすぐったそうに俺にすり寄ってくる。
視界にある傷一つない白くキレイな肌には、俺が咲かせた花びらの紅。そいつをゆっくりと指でなぞりながら俺は思った。
――大切なものがすり抜けてたんじゃねェ。こいつを手放さねェ為に他の物を掴まなかったのかもしれねェな。
思わずクスリと笑みが漏れる。
「今夜は変だよ、銀時」
俺の胸に手を当てながら、詩織が不安げに言った。
「鼓動が速い。何か心配事でもあるの?」
「そうだなァ。あるとしたら……」
素直に気持ちを言葉にするのはガラじゃねェから。
「今夜はあと何回、お前を満足させられるかってェ事だな」
そう言ってニヤリと笑って見せた俺は「もう!」と怒る詩織の唇を塞ぐ。このキスが俺の心を伝えてくれる事を願いながら深く口腔を探ると、詩織の指が俺の頬をなぞった。
何のつもりかとゆっくり唇を離せば、目の前にあったのは優しい微笑み。
「私の想いは……銀時と同じだからね」
柔らかに紡がれたその言葉は一瞬俺の時を止めたが、その後はじんわりと俺の心にしみこんでいく。
嬉しさに思わず涙がこみ上げそうになったのをごまかすために、俺は言った。
「そんじゃ、今夜は頑張りますか!」
「え? いや、そっちじゃなくて私が言ってるのは心……んっ」
これ以上は何も言わせまいと再び唇を重ねる。
その代わりに俺は、言葉に出来ない思いを一晩かけて、じっくりと全身で感じさせてやるからな。
~了~
大切なもの程、指の間をすり抜けて落ちていく事を知っていたから。
それなのに何故今俺の腕の中には、こんな柔らかな温もりが存在しているのか。
「どうしたの? 銀時」
「……何でもねーよ」
不思議そうに見つめてくる詩織の眦にキスを落とせば、くすぐったそうに俺にすり寄ってくる。
視界にある傷一つない白くキレイな肌には、俺が咲かせた花びらの紅。そいつをゆっくりと指でなぞりながら俺は思った。
――大切なものがすり抜けてたんじゃねェ。こいつを手放さねェ為に他の物を掴まなかったのかもしれねェな。
思わずクスリと笑みが漏れる。
「今夜は変だよ、銀時」
俺の胸に手を当てながら、詩織が不安げに言った。
「鼓動が速い。何か心配事でもあるの?」
「そうだなァ。あるとしたら……」
素直に気持ちを言葉にするのはガラじゃねェから。
「今夜はあと何回、お前を満足させられるかってェ事だな」
そう言ってニヤリと笑って見せた俺は「もう!」と怒る詩織の唇を塞ぐ。このキスが俺の心を伝えてくれる事を願いながら深く口腔を探ると、詩織の指が俺の頬をなぞった。
何のつもりかとゆっくり唇を離せば、目の前にあったのは優しい微笑み。
「私の想いは……銀時と同じだからね」
柔らかに紡がれたその言葉は一瞬俺の時を止めたが、その後はじんわりと俺の心にしみこんでいく。
嬉しさに思わず涙がこみ上げそうになったのをごまかすために、俺は言った。
「そんじゃ、今夜は頑張りますか!」
「え? いや、そっちじゃなくて私が言ってるのは心……んっ」
これ以上は何も言わせまいと再び唇を重ねる。
その代わりに俺は、言葉に出来ない思いを一晩かけて、じっくりと全身で感じさせてやるからな。
~了~
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