雛祭り(銀八)〜企画3〜
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「卒業後に学校で雛祭りパーティーとはねェ」
卒業式も終わり、うららかな春の日差しに眠気を誘われる三月の半ば。
元3年Z組の教室の隅で一人ボヤいているのは、このクラスの担任だった坂田銀八だ。その彼は今教卓に突っ伏しながら、気怠い表情で賑やかな教室内を眺めている。
「卒業してもガキはガキってか」
「ガキですみませんね」
そこにやって来て銀八のぼやきを拾ったのは、Z組の良心と名高かった卒業生、詩織だ。教卓の横に立った詩織は、銀八と同じく教室内を眺めながら言った。
「元々1年生の時に先生が始めた事じゃない。せっかく持ち上がりで3年間先生のクラスだったんだし、最後まで責任持って付き合ってよね」
「……まぁ大人としてお前らの健やかな成長と、災厄に見舞われないよう祈ってやんなきゃいけねェと思ってたしな」
「だったら余計に一緒に楽しんでくれなきゃ」
良心と呼ばれるに相応しい台詞と共に「ね?」と笑顔で銀八の顔を覗き込む詩織。
ところが、だ。
二人の目が合ったほんの一瞬、詩織の表情が苦しげに歪む。だが銀八がハッとした時にはもう元の笑顔に戻っていた。
「このいちご牛乳、わざわざ先生のために準備したんだよ」
手に持っていた紙コップを教卓に置き、仲間の輪に戻ろうとする詩織。
その時銀八が動いた。
伸ばされた手が詩織の腕を掴み、歩みを止めさせる。
「先生?」
「なァ詩織、知ってるか? 己の心は制御出来ても、他人の心はなかなかそうもいかねェもんだ」
「……何の話?」
突然掴まれた腕と銀八を交互に見ながら戸惑いを隠せない詩織に、銀八は続けた。
「まァ実際はどっちの立場でも、制御不能になるときゃなるんだけどな」
「はぁ?」
ますます混乱する詩織。だが当の銀八はと言うと、穏やかな表情を見せながら白衣のポケットに手を入れる。そして中から白い小箱を取り出すと、教卓の影で詩織にだけ見えるように蓋を開いた。
中に入っていたのは2サイズの指輪。驚きで目を丸くする詩織に銀八は言った。
「月が変わって、お前が後ろめたさを感じる必要がなくなったら言うつもりだったんだよ。俺はお前と生きる覚悟は疾うにできてる……ってな」
今回のお話は、
【 桃色に染めて 】の続きです。
その際【空の彼方】の風待雪花様の雛祭りをテーマとしたBLEACHのお話、【 覚悟 】(お相手は浦原さん)より下記の設定をお借りしました。
◆場面は雛祭りパーティー。
1.「毎年桃の節句には織姫が健やかに育ち災厄に見舞われぬよう祈ってきたんだ」
2.「己の心はある程度制御も出来るでしょうが、他人の心はなかなかそうはいかない」
3.「アタシは人間である貴女と生きる覚悟は疾うにできている」
上記3つの台詞をアレンジして使用。
ジャンルを跨ぐこともあり、コレまで書いてきた企画小説の中で一番苦労しましたが、その分達成感も大きかったです😆✨
卒業式も終わり、うららかな春の日差しに眠気を誘われる三月の半ば。
元3年Z組の教室の隅で一人ボヤいているのは、このクラスの担任だった坂田銀八だ。その彼は今教卓に突っ伏しながら、気怠い表情で賑やかな教室内を眺めている。
「卒業してもガキはガキってか」
「ガキですみませんね」
そこにやって来て銀八のぼやきを拾ったのは、Z組の良心と名高かった卒業生、詩織だ。教卓の横に立った詩織は、銀八と同じく教室内を眺めながら言った。
「元々1年生の時に先生が始めた事じゃない。せっかく持ち上がりで3年間先生のクラスだったんだし、最後まで責任持って付き合ってよね」
「……まぁ大人としてお前らの健やかな成長と、災厄に見舞われないよう祈ってやんなきゃいけねェと思ってたしな」
「だったら余計に一緒に楽しんでくれなきゃ」
良心と呼ばれるに相応しい台詞と共に「ね?」と笑顔で銀八の顔を覗き込む詩織。
ところが、だ。
二人の目が合ったほんの一瞬、詩織の表情が苦しげに歪む。だが銀八がハッとした時にはもう元の笑顔に戻っていた。
「このいちご牛乳、わざわざ先生のために準備したんだよ」
手に持っていた紙コップを教卓に置き、仲間の輪に戻ろうとする詩織。
その時銀八が動いた。
伸ばされた手が詩織の腕を掴み、歩みを止めさせる。
「先生?」
「なァ詩織、知ってるか? 己の心は制御出来ても、他人の心はなかなかそうもいかねェもんだ」
「……何の話?」
突然掴まれた腕と銀八を交互に見ながら戸惑いを隠せない詩織に、銀八は続けた。
「まァ実際はどっちの立場でも、制御不能になるときゃなるんだけどな」
「はぁ?」
ますます混乱する詩織。だが当の銀八はと言うと、穏やかな表情を見せながら白衣のポケットに手を入れる。そして中から白い小箱を取り出すと、教卓の影で詩織にだけ見えるように蓋を開いた。
中に入っていたのは2サイズの指輪。驚きで目を丸くする詩織に銀八は言った。
「月が変わって、お前が後ろめたさを感じる必要がなくなったら言うつもりだったんだよ。俺はお前と生きる覚悟は疾うにできてる……ってな」
〜了〜
今回のお話は、
【 桃色に染めて 】の続きです。
その際【空の彼方】の風待雪花様の雛祭りをテーマとしたBLEACHのお話、【 覚悟 】(お相手は浦原さん)より下記の設定をお借りしました。
◆場面は雛祭りパーティー。
1.「毎年桃の節句には織姫が健やかに育ち災厄に見舞われぬよう祈ってきたんだ」
2.「己の心はある程度制御も出来るでしょうが、他人の心はなかなかそうはいかない」
3.「アタシは人間である貴女と生きる覚悟は疾うにできている」
上記3つの台詞をアレンジして使用。
ジャンルを跨ぐこともあり、コレまで書いてきた企画小説の中で一番苦労しましたが、その分達成感も大きかったです😆✨
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