告白の行方は(銀時)
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走りながら、私は叫んだ。
「恥ずかしかっただけなの!」
「へ?……って、うわっ!」
立ち止まって振り向いた銀さんに、勢い余ってぶつかってしまったけれど、謝ることも忘れて私は続けた。
「いつも通りに接すれば良いってのは分かってるの。でもバレンタインだと思うとどうしても意識しちゃって……」
ずっと前から抱いていた、銀さんへの恋心。でもどうしても直接想いを伝える勇気が無くて、わざわざ午前中に休みを取り万事屋のポストに投函した。神楽ちゃんと新八くんにはあらかじめこの事は伝えてある。今頃ポストでは、私の想いを詰め込んだチョコとメッセージカードが銀さんを待っているはずだ。
「だから万事屋に戻ってーー」
ポストの中を確認してくれる? と続けようとしたのに。無意識に掴んでいた、銀さんの着物の隙間から見えたある物が、私から言葉を奪う。
「ど……して……」
それは私が銀さんのために準備していたチョコだった。
私が今朝の内にこっそりと万事屋を訪れたのは、新八くんから事前に銀さんのいない時間帯を聞いていたから。それなのに今こうして銀さんの手元にチョコがあるのは一体……?
私が驚きで固まっていると、銀さんがすぐにその答えを明かしてくれた。
「入れ違いに戻ったんだよ。後ろ姿は見えてたから、こいつに気付いてすぐ追っかけたってわけ。それなのにお前ときたら、すげー顔して銀さんを見てくるからよォ」
「だ、だって、チョコに気付いたらどんな反応をされるかって思ったら……」
私の言葉にクスリと笑った銀さんが、徐に手を伸ばす。私の頭に置かれた手の温かさは、今までの緊張を優しく取り払ってくれた。
「まァ詩織らしいっちゃーらしいけどな。けど”これから毎年、チョコを準備しても良い?”だなんて可愛い告白にウキウキしてたところにあーんな態度だから、さすがの銀さんも傷ついちゃったわけですよ」
「ごめんなさい……」
確かに私の態度は悪かったから、申し訳なくて頭を下げるしか無い。
でも……あれ? ちょっと待ってよ。告白されてウキウキして傷ついてって事はーー。
「あの……銀さんは……」
ーー私のことをどう思ってるの?
ストレートにそう聞けたら良いのに、直接なんて私にはやっぱり無理だ。
どうしても続きを言えず、口籠ってしまった私に銀さんは言った。
「銀さん、バレンタインは一人からしか受け取らねェことにしてんだけど、これからずっと予約で埋まっちまったなァ」
「……っ」
それは、ちょっぴり遠回しな言い方。でもすぐにその意味は理解できた。
思わず涙が溢れてしまった私を、銀さんがそっと抱き寄せてくれる。
「……詩織」
腕の中、静かに名を呼ばれて顔を上げれば、優しい瞳で私を見つめる銀さん。
「チョコ、ありがとな」
「……うん」
万感の思いで頷く私に、涙でグシャグシャになってんぞと銀さんが笑う。そして好きだと囁きながら、そっと私の頬に口付けた。
〜了〜
「恥ずかしかっただけなの!」
「へ?……って、うわっ!」
立ち止まって振り向いた銀さんに、勢い余ってぶつかってしまったけれど、謝ることも忘れて私は続けた。
「いつも通りに接すれば良いってのは分かってるの。でもバレンタインだと思うとどうしても意識しちゃって……」
ずっと前から抱いていた、銀さんへの恋心。でもどうしても直接想いを伝える勇気が無くて、わざわざ午前中に休みを取り万事屋のポストに投函した。神楽ちゃんと新八くんにはあらかじめこの事は伝えてある。今頃ポストでは、私の想いを詰め込んだチョコとメッセージカードが銀さんを待っているはずだ。
「だから万事屋に戻ってーー」
ポストの中を確認してくれる? と続けようとしたのに。無意識に掴んでいた、銀さんの着物の隙間から見えたある物が、私から言葉を奪う。
「ど……して……」
それは私が銀さんのために準備していたチョコだった。
私が今朝の内にこっそりと万事屋を訪れたのは、新八くんから事前に銀さんのいない時間帯を聞いていたから。それなのに今こうして銀さんの手元にチョコがあるのは一体……?
私が驚きで固まっていると、銀さんがすぐにその答えを明かしてくれた。
「入れ違いに戻ったんだよ。後ろ姿は見えてたから、こいつに気付いてすぐ追っかけたってわけ。それなのにお前ときたら、すげー顔して銀さんを見てくるからよォ」
「だ、だって、チョコに気付いたらどんな反応をされるかって思ったら……」
私の言葉にクスリと笑った銀さんが、徐に手を伸ばす。私の頭に置かれた手の温かさは、今までの緊張を優しく取り払ってくれた。
「まァ詩織らしいっちゃーらしいけどな。けど”これから毎年、チョコを準備しても良い?”だなんて可愛い告白にウキウキしてたところにあーんな態度だから、さすがの銀さんも傷ついちゃったわけですよ」
「ごめんなさい……」
確かに私の態度は悪かったから、申し訳なくて頭を下げるしか無い。
でも……あれ? ちょっと待ってよ。告白されてウキウキして傷ついてって事はーー。
「あの……銀さんは……」
ーー私のことをどう思ってるの?
ストレートにそう聞けたら良いのに、直接なんて私にはやっぱり無理だ。
どうしても続きを言えず、口籠ってしまった私に銀さんは言った。
「銀さん、バレンタインは一人からしか受け取らねェことにしてんだけど、これからずっと予約で埋まっちまったなァ」
「……っ」
それは、ちょっぴり遠回しな言い方。でもすぐにその意味は理解できた。
思わず涙が溢れてしまった私を、銀さんがそっと抱き寄せてくれる。
「……詩織」
腕の中、静かに名を呼ばれて顔を上げれば、優しい瞳で私を見つめる銀さん。
「チョコ、ありがとな」
「……うん」
万感の思いで頷く私に、涙でグシャグシャになってんぞと銀さんが笑う。そして好きだと囁きながら、そっと私の頬に口付けた。
〜了〜
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