節分(銀時)〜企画1〜
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こちらは【空の彼方】の風待雪花様との『創作力を上げよう企画』のお話です。
→風待様の企画ページは【こちら】
風待様のお書きになられた【おにはそと ふくはうち】の同じシーンを、主人公の設定を変えて書かせて頂いております。
是非読み比べをして、各々の世界観をお楽しみくださいませ♪
「さ〜て、ひと稼ぎするか」
チラチラと雪の舞う2月。
寒さに身を竦めながらも詩織が出向いたのは、つい先日まで戦の続いていた合戦場だ。常人は敬遠するこの場所も、野盗である詩織にとってはおいしい仕事場だった。
死屍累々の光景に怯むこと無く、目に付いた金目の物を拾い集める。浅ましくも罰当たりなこの行為も、詩織にとっては生きるための手段でしかない。もちろん罪の意識など皆無だ。
「ま、こんなモンだな」
両手が一杯になった詩織は、ほくほく顔でその場を立ち去ろうとする。が、ふと視界の端に気になる存在を見つけて足を止めた。
「あの餓鬼も来てたのか」
詩織と同じく屍を漁る白髪の少年。過去に二度程見かけた少年は、屍を食らう鬼だと噂されていたが、実際はただの子供だと詩織は知っていた。そしてその少年は金目の物には目もくれず、ただ食料だけを探しているようだ。
いつもなら放っておくのだが、今日は実入りも気分も良い。詩織は声をかけてみる事にした。
「食いモンが欲しけりゃ、町に行きな」
「何でだよ」
不意に声をかけられたにも関わらず、冷静に答える少年。最初から詩織に気付いていたのだろうか。その度胸に感心した。
「今日は節分だ。厄除けに撒かれた大豆と柊鰯を取り放題だぞ」
そう言って背中の風呂敷を下ろした詩織は、中から大豆と柊鰯を取り出す。
「ここに来る前、通りすがりに集めただけでこの量さ。ほらよ」
「うわっ!」
突如押し付けられた大豆と柊鰯は、少年の手を目一杯埋め尽くした。思いもよらぬ展開に、少年は戸惑うばかりだ。
「食いモンは町で手に入れるに限る。お前も行ってみな」
「行かねーよ。餓鬼なんざただのお荷物だ」
「お荷物ねぇ……」
渋い顔の少年に何を感じたか、苦笑いした詩織は、少年の首に腕を回して引き寄せた。
「何すんだよ!」
「立春は明日なんだがなー」
「だから?」
「いや、一日早いと思ってさ」
「何の話だ?」
「冬が終わったんだよ」
「……?」
言っている意味が分からず呆ける少年に、詩織は笑いながら続ける。
「お前、春みたいにあったかいのな」
その笑顔は蓮っ葉な言葉に似合わず優しくて。思わず顔を赤らめた少年は、ごまかすように手の中の豆を口に押し込んだ。
創作時の決まり事
1,000文字以内/夢主の設定を変更
【空の彼方】様へ
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風待様のお書きになられた【おにはそと ふくはうち】の同じシーンを、主人公の設定を変えて書かせて頂いております。
是非読み比べをして、各々の世界観をお楽しみくださいませ♪
「さ〜て、ひと稼ぎするか」
チラチラと雪の舞う2月。
寒さに身を竦めながらも詩織が出向いたのは、つい先日まで戦の続いていた合戦場だ。常人は敬遠するこの場所も、野盗である詩織にとってはおいしい仕事場だった。
死屍累々の光景に怯むこと無く、目に付いた金目の物を拾い集める。浅ましくも罰当たりなこの行為も、詩織にとっては生きるための手段でしかない。もちろん罪の意識など皆無だ。
「ま、こんなモンだな」
両手が一杯になった詩織は、ほくほく顔でその場を立ち去ろうとする。が、ふと視界の端に気になる存在を見つけて足を止めた。
「あの餓鬼も来てたのか」
詩織と同じく屍を漁る白髪の少年。過去に二度程見かけた少年は、屍を食らう鬼だと噂されていたが、実際はただの子供だと詩織は知っていた。そしてその少年は金目の物には目もくれず、ただ食料だけを探しているようだ。
いつもなら放っておくのだが、今日は実入りも気分も良い。詩織は声をかけてみる事にした。
「食いモンが欲しけりゃ、町に行きな」
「何でだよ」
不意に声をかけられたにも関わらず、冷静に答える少年。最初から詩織に気付いていたのだろうか。その度胸に感心した。
「今日は節分だ。厄除けに撒かれた大豆と柊鰯を取り放題だぞ」
そう言って背中の風呂敷を下ろした詩織は、中から大豆と柊鰯を取り出す。
「ここに来る前、通りすがりに集めただけでこの量さ。ほらよ」
「うわっ!」
突如押し付けられた大豆と柊鰯は、少年の手を目一杯埋め尽くした。思いもよらぬ展開に、少年は戸惑うばかりだ。
「食いモンは町で手に入れるに限る。お前も行ってみな」
「行かねーよ。餓鬼なんざただのお荷物だ」
「お荷物ねぇ……」
渋い顔の少年に何を感じたか、苦笑いした詩織は、少年の首に腕を回して引き寄せた。
「何すんだよ!」
「立春は明日なんだがなー」
「だから?」
「いや、一日早いと思ってさ」
「何の話だ?」
「冬が終わったんだよ」
「……?」
言っている意味が分からず呆ける少年に、詩織は笑いながら続ける。
「お前、春みたいにあったかいのな」
その笑顔は蓮っ葉な言葉に似合わず優しくて。思わず顔を赤らめた少年は、ごまかすように手の中の豆を口に押し込んだ。
〜了〜
1,000文字以内/夢主の設定を変更
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