ポッ○ーの日(銀時)
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別に、悪気があったわけじゃない。
ちょっと小腹が空いた時に、たまたま目の前にあったってだけだもん。
商品名そのままにポキポキと音を立てながらポッ◯ーを食べてると、例のごとく音に引かれるようにやってきた銀時が、目を丸くして私を見た。
「おい、それって俺がしまっといたとっときのヤツじゃねえ?」
「え〜? テーブルの上に置いてあったよ。誰が食べても良いって事だと思ってた」
「バッカヤロー! 箱に俺の名前が書いてあるだろうが。銀さんの命綱のポッ◯ーを食べるなんざ、ぜってぇ許さねぇ!」
慌てて私の手から箱を奪い取る。中を確認すると、もうほとんど残っていないことに気付いた銀時の顔が真っ青になった。
「マジかよ……ほとんど食っちまってるじゃねぇか……」
たかがポッ◯ー。されどポッ◯ー。
お菓子一つでここまで絶望できる銀時って、ある意味凄いと思う。
銀時と付き合い始めて数ヶ月経つけれど、甘いものに対する執着心には心底驚かされるばかりだ。
でもまぁ知らなかったとはいえ、銀時の大事なお菓子を奪ってしまったのは私だし、と一応反省する。
「なんかごめん。今度新しいのを買ってくるから許してね。はい、あーん」
謝りながら、私は銀時の手にあるポッ◯ーを一本取り出して銀時の口に差し込んだ。
普段から喧嘩していたとしても、甘いものを口にすれば落ち着くのよね、この人は。
実際、青筋まで立てていた銀時が今はもう、大人しくポッ◯ーを食べている。
ーー扱いやすくて助かるわ
声に出さず、心で呟いてほくそ笑んでいると……
「詩織」
突然名前を呼ばれた。
「何? 銀と……んむっ」
答えようとしたのに、予告なしに差し込まれたポッ◯ーが邪魔をする。
しかも、だ。
「反省しろよ、このヤロー」
と言って銀時は間髪入れず、私のくわえているポッキーの反対側に食らいつく。
そのままあっという間に食べ進んだかと思うとーー
チュッ
「最後の一本、一番美味い奴は俺のだっつーの」
少し頬を赤らめながらも、してやったりの顔で私を見ながら銀時は言った。
そんな銀時に、私も顔を赤くしながら言い返す。
「わ、私だって一口かじったもん!」
「たった一口かよ。あんなに美味かったのに、かわいそ〜」
「でも……」
なんだか悔しくなって上目遣いに銀時を睨んでいると、銀時はしばらく私を見つめた後、ため息をついた。
「ったく、お前ってやつは」
つい、と伸びた銀時の手が私の顎を持ち上げる。
「かわいそうだから、分けてやるよ」という言葉とともに銀時の顔が近付いてきて……。
再び触れた唇は、さっきのポッ◯ーよりもずっと甘くて……幸せな味がした。
〜了〜
ちょっと小腹が空いた時に、たまたま目の前にあったってだけだもん。
商品名そのままにポキポキと音を立てながらポッ◯ーを食べてると、例のごとく音に引かれるようにやってきた銀時が、目を丸くして私を見た。
「おい、それって俺がしまっといたとっときのヤツじゃねえ?」
「え〜? テーブルの上に置いてあったよ。誰が食べても良いって事だと思ってた」
「バッカヤロー! 箱に俺の名前が書いてあるだろうが。銀さんの命綱のポッ◯ーを食べるなんざ、ぜってぇ許さねぇ!」
慌てて私の手から箱を奪い取る。中を確認すると、もうほとんど残っていないことに気付いた銀時の顔が真っ青になった。
「マジかよ……ほとんど食っちまってるじゃねぇか……」
たかがポッ◯ー。されどポッ◯ー。
お菓子一つでここまで絶望できる銀時って、ある意味凄いと思う。
銀時と付き合い始めて数ヶ月経つけれど、甘いものに対する執着心には心底驚かされるばかりだ。
でもまぁ知らなかったとはいえ、銀時の大事なお菓子を奪ってしまったのは私だし、と一応反省する。
「なんかごめん。今度新しいのを買ってくるから許してね。はい、あーん」
謝りながら、私は銀時の手にあるポッ◯ーを一本取り出して銀時の口に差し込んだ。
普段から喧嘩していたとしても、甘いものを口にすれば落ち着くのよね、この人は。
実際、青筋まで立てていた銀時が今はもう、大人しくポッ◯ーを食べている。
ーー扱いやすくて助かるわ
声に出さず、心で呟いてほくそ笑んでいると……
「詩織」
突然名前を呼ばれた。
「何? 銀と……んむっ」
答えようとしたのに、予告なしに差し込まれたポッ◯ーが邪魔をする。
しかも、だ。
「反省しろよ、このヤロー」
と言って銀時は間髪入れず、私のくわえているポッキーの反対側に食らいつく。
そのままあっという間に食べ進んだかと思うとーー
チュッ
「最後の一本、一番美味い奴は俺のだっつーの」
少し頬を赤らめながらも、してやったりの顔で私を見ながら銀時は言った。
そんな銀時に、私も顔を赤くしながら言い返す。
「わ、私だって一口かじったもん!」
「たった一口かよ。あんなに美味かったのに、かわいそ〜」
「でも……」
なんだか悔しくなって上目遣いに銀時を睨んでいると、銀時はしばらく私を見つめた後、ため息をついた。
「ったく、お前ってやつは」
つい、と伸びた銀時の手が私の顎を持ち上げる。
「かわいそうだから、分けてやるよ」という言葉とともに銀時の顔が近付いてきて……。
再び触れた唇は、さっきのポッ◯ーよりもずっと甘くて……幸せな味がした。
〜了〜
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