BLEACH(現在13編)
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こちらは【空の彼方】の風待雪花様との『創作力を上げよう企画』のお話です。
→風待様の企画ページは【こちら】
風待様の創作、【 小さな甘い光 】を、主人公設定を変更して書き換えております。
是非両作品を読み比べて、各々の世界観をお楽しみ下さい。
「あの、これ……」
そう言って浦原に声をかけたのは浦原商店の従業員である、雨 。
俯き加減に差し出された、赤い箱に白いリボンのかかった小箱を見た浦原は、雨の正面に膝をついて顔を覗き込んだ。
「アタシにくれるんですか?」
「はい、いつもありがとうございます」
内気な雨がこうして感謝の気持ちを形に表した事が、余程嬉しかったのだろう。緩む口元を咄嗟に小箱で隠した浦原は、もう片方の手で雨の頭を優しく撫でた。
「ありがとうございます」
浦原の言葉でパァッと表情が明るくなり、嬉しそうに足取り軽く立ち去る雨。その背中が廊下を曲がって見えなくなると、二人の様子を伺っていた香織が入れ替わるように姿を現した。
「子供は無邪気よね。バレンタインってのはそもそも、結婚を廃止した皇帝に逆らったキリスト教司祭が殺された日だってのに。それが今じゃチョコ会社の策略臭プンプンでさ」
バカバカしいと言いたげに、浦原の手の中にあるチョコへと冷たい視線を送る香織。だがそんな香織とは対象的に、浦原は意味深な笑みを浮かべて言った。
「策略大いに結構。何事もきっかけがあれば良いんスよ」
香織に見せつけるように小箱を開け、中から一粒チョコを取り出し口に含む。歪ながらも心のこもったそのチョコは、浦原好みの甘さだった。
「それが分かってるから、貴女も雨を手伝ったんでしょう?」
「何だ、知ってたんだ」
「アタシを誰だと思ってるんです?」
「嫌な奴」
実際香織はこの一ヶ月、浦原を初めとする周りの者たちへのお礼としてチョコを配りたいと雨にねだられ、準備を手伝っていた。最初は面倒で断っていたのだが、結局雨の必死さに絆されてしまったらしい。
ーー復讐と使命が全てだったのに。抱えている殺意が、無邪気な光の存在に飲み込まれそうで……。
浦原がここに雨とジン太を連れてきた意味に今更気付いただなんて、口が避けても言えない。
「そういや香織さんからのチョコは無いんスか?」
まるで心を読んだかのように浦原が言うから。香織は咄嗟に答える。
「ほんとに嫌な奴!」
雨にかかり切りで自分の分が作れなかった為、せめてもと買っておいたチロルチョコを浦原の帽子に叩きつけると、香織は逃げるようにその場を立ち去った。
創作時の決まり事
1,000文字以内/テーマはバレンタイン/夢主の設定を変更
【空の彼方】様へ
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風待様の創作、【 小さな甘い光 】を、主人公設定を変更して書き換えております。
是非両作品を読み比べて、各々の世界観をお楽しみ下さい。
「あの、これ……」
そう言って浦原に声をかけたのは浦原商店の従業員である、
俯き加減に差し出された、赤い箱に白いリボンのかかった小箱を見た浦原は、雨の正面に膝をついて顔を覗き込んだ。
「アタシにくれるんですか?」
「はい、いつもありがとうございます」
内気な雨がこうして感謝の気持ちを形に表した事が、余程嬉しかったのだろう。緩む口元を咄嗟に小箱で隠した浦原は、もう片方の手で雨の頭を優しく撫でた。
「ありがとうございます」
浦原の言葉でパァッと表情が明るくなり、嬉しそうに足取り軽く立ち去る雨。その背中が廊下を曲がって見えなくなると、二人の様子を伺っていた香織が入れ替わるように姿を現した。
「子供は無邪気よね。バレンタインってのはそもそも、結婚を廃止した皇帝に逆らったキリスト教司祭が殺された日だってのに。それが今じゃチョコ会社の策略臭プンプンでさ」
バカバカしいと言いたげに、浦原の手の中にあるチョコへと冷たい視線を送る香織。だがそんな香織とは対象的に、浦原は意味深な笑みを浮かべて言った。
「策略大いに結構。何事もきっかけがあれば良いんスよ」
香織に見せつけるように小箱を開け、中から一粒チョコを取り出し口に含む。歪ながらも心のこもったそのチョコは、浦原好みの甘さだった。
「それが分かってるから、貴女も雨を手伝ったんでしょう?」
「何だ、知ってたんだ」
「アタシを誰だと思ってるんです?」
「嫌な奴」
実際香織はこの一ヶ月、浦原を初めとする周りの者たちへのお礼としてチョコを配りたいと雨にねだられ、準備を手伝っていた。最初は面倒で断っていたのだが、結局雨の必死さに絆されてしまったらしい。
ーー復讐と使命が全てだったのに。抱えている殺意が、無邪気な光の存在に飲み込まれそうで……。
浦原がここに雨とジン太を連れてきた意味に今更気付いただなんて、口が避けても言えない。
「そういや香織さんからのチョコは無いんスか?」
まるで心を読んだかのように浦原が言うから。香織は咄嗟に答える。
「ほんとに嫌な奴!」
雨にかかり切りで自分の分が作れなかった為、せめてもと買っておいたチロルチョコを浦原の帽子に叩きつけると、香織は逃げるようにその場を立ち去った。
〜了〜
1,000文字以内/テーマはバレンタイン/夢主の設定を変更