BLEACH(現在13編)
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こちらは【空の彼方】の風待雪花様との『創作力を上げよう企画』のお話です。
→風待様の企画ページは【こちら】
風待様のお書きになられたお話の設定をそのままお借りして、銀木が続きを書いております。
まずは【 小さな甘い光 】(元になったお話)からお楽しみ下さいませ♪
浦原にチロルチョコを渡して部屋を出たその足で、鉄裁とジン太にもチョコを配った香織が自室に戻ると、何故か当たり前のように浦原がいた。
「勝手にレディの部屋に……」
と言いかけて気付いた違和感は、その先の言葉を言わせない。代わりに香織の口から吐き出されたのは、大きなため息とボヤキだ。
「……嫌味?」
視線を浦原の帽子に固定したまま言う。サイドクラウンの中央にゼッケンの如く貼り付いているのは、紛れもなく先程香織が渡したチロルチョコの包み紙だった。
「一個だけじゃ不満だってアピールですか?」
「いやいや、そんなつもりじゃありませんよ」
「じゃあどう受け取れと?」
香織が口を尖らせる。すると浦原は、包み紙を指差しながら言った。
「まあ言うなればこれは、公開処刑みたいなものですかね」
「公開処刑?」
「今日はバレンタインですから」
「……やっぱり不満だったんじゃないですか」
含みのある物言いに他の答えなど見つからず、再び大きなため息を吐いた香織は、みっともないから外して下さいと帽子に手を伸ばす。
ところがその手は包み紙に届くこと無く、浦原によって掴み阻まれた。
「この言い方じゃあ伝わらないですかねぇ」
「伝わるも何も、チョコが足りないって事でしょう? でも雨からも貰ってるんだから十分だと思いますけど」
苛立ちをあらわに手を引こうとしたものの、浦原の香織を掴む力は強くて動かない。しかも少し顎が上がったことで見えた眼差しが真剣だった為、香織に戸惑いが生まれた。
「浦原さん……?」
「少し前までのアタシは、その皇帝とやらと同じ考えでした。でも今はバレンタイン派ですよ。愛を信じる貴女と同じ、ね」
「だからコレは公開処刑ッス」と続けた浦原の顔が笑顔へと変わる。
その瞬間、香織は察した。
浦原の思いと願いを。
そしてその小さなひと粒に込められていた自らの葛藤が、しっかりと浦原に伝わっていた事実を。
ようやく全てを理解した香織は、うっすらと頬を染めて言った。
「来年は……見映えまで考えて準備します」
創作時の決まり事
1,000文字以内/テーマはバレンタイン/全体設定はそのままで続きもしくは番外
【空の彼方】様へ
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風待様のお書きになられたお話の設定をそのままお借りして、銀木が続きを書いております。
まずは【 小さな甘い光 】(元になったお話)からお楽しみ下さいませ♪
浦原にチロルチョコを渡して部屋を出たその足で、鉄裁とジン太にもチョコを配った香織が自室に戻ると、何故か当たり前のように浦原がいた。
「勝手にレディの部屋に……」
と言いかけて気付いた違和感は、その先の言葉を言わせない。代わりに香織の口から吐き出されたのは、大きなため息とボヤキだ。
「……嫌味?」
視線を浦原の帽子に固定したまま言う。サイドクラウンの中央にゼッケンの如く貼り付いているのは、紛れもなく先程香織が渡したチロルチョコの包み紙だった。
「一個だけじゃ不満だってアピールですか?」
「いやいや、そんなつもりじゃありませんよ」
「じゃあどう受け取れと?」
香織が口を尖らせる。すると浦原は、包み紙を指差しながら言った。
「まあ言うなればこれは、公開処刑みたいなものですかね」
「公開処刑?」
「今日はバレンタインですから」
「……やっぱり不満だったんじゃないですか」
含みのある物言いに他の答えなど見つからず、再び大きなため息を吐いた香織は、みっともないから外して下さいと帽子に手を伸ばす。
ところがその手は包み紙に届くこと無く、浦原によって掴み阻まれた。
「この言い方じゃあ伝わらないですかねぇ」
「伝わるも何も、チョコが足りないって事でしょう? でも雨からも貰ってるんだから十分だと思いますけど」
苛立ちをあらわに手を引こうとしたものの、浦原の香織を掴む力は強くて動かない。しかも少し顎が上がったことで見えた眼差しが真剣だった為、香織に戸惑いが生まれた。
「浦原さん……?」
「少し前までのアタシは、その皇帝とやらと同じ考えでした。でも今はバレンタイン派ですよ。愛を信じる貴女と同じ、ね」
「だからコレは公開処刑ッス」と続けた浦原の顔が笑顔へと変わる。
その瞬間、香織は察した。
浦原の思いと願いを。
そしてその小さなひと粒に込められていた自らの葛藤が、しっかりと浦原に伝わっていた事実を。
ようやく全てを理解した香織は、うっすらと頬を染めて言った。
「来年は……見映えまで考えて準備します」
〜了〜
1,000文字以内/テーマはバレンタイン/全体設定はそのままで続きもしくは番外