HUNTER×HUNTER(現在1編)
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部屋に戻ると、妙な違和感を覚えた。
一通り部屋を見回し、何も変化がない事を確認すると、ホッとため息をつく。でもそれは安心したからじゃない。この違和感が、間違いの無い物だと確信できたから。
「ドッキリテクスチャー発見。ついでに言うと、ソファの脇に髪の毛が一本落ちてるよ……ヒソカ」
「さすがだね、アロマ♡やっぱりキミには見抜かれちゃうか」
ソファの表面がペラリと剥がれると、その下から現れたのは本来のソファとヒソカ。どうやらドッキリテクスチャーを使って、誰もいないように見せかけていたらしい。
「こういうイタズラは、いい加減やめてくれない? あと、レディの部屋に勝手に入るのも禁止ね」
「つれないなぁ♧キミとボクとの仲だってのに」
「どんな仲よ。アンタが繋がってるのは、私のアニキでしょ。私とは単なる赤のた・に・ん」
分かったら行った行った、とばかりに手を振るアロマだが、ヒソカはめげる様子もなく。当たり前のようにアロマの肩に腕を回すと、自らの胸元に引き寄せた。
「もう、何なのよ」
「キミに会いに来たに決まってるだろ♢気になる女性は、出来るだけ自らの手元に置いておきたいものさ♡」
「勝手な事ばかり……私は戦いに長けてないし、ヒソカが興味を持ちそうな才能も無い。何でそんなに執着するのよ」
「才能ならあるだろう? 念の修行を全くしていないのに、その時必要な念を自然と使いこなせるのは立派な才能さ♧しかもボクのドッキリテクスチャーをあっさりと見破れるんだから、凄い事だよ♡」
ヒソカの言う通り、アロマは念の修行をした事は無い。だが両親と兄がハンターであり、常に念能力者と接していた事から幸か不幸か、自然と体に染み付いていたようだ。ただし、戦闘の経験が皆無な為、あくまで自己防衛がメインだった。
「変な所に執着するのね。何にしても、私はヒソカに興味は無いから。いい加減部屋から出て行ってよ。疲れてるからさっさと寝たいの」
「じゃあ一緒にシャワーでも浴びようか♡」
「な……っ! ふざけた事言ってないで、さっさと出てけ〜っ!」
怒鳴りながらヒソカを部屋から押し出し、ドアを閉める。背中でドアを押さえつけながら肩で息をするアロマの顔は、真っ赤に染まっていた。
「冗談じゃ無いわよ! ヒソカとシャワーだなんて……心臓が止まっちゃうじゃない」
小さくなる語尾から感じられるのは、照れた感情。頬に手を当てたアロマは、紛れもなく恋をしている少女の顔をしていた。
「ヒソカは強い人しか好きにならないって知ってるもん。今は私の中途半端な能力が面白くてちょっかいかけて来てるけど、どうせすぐに飽きちゃうだろうし……」
自分の言葉に悲しくなったのか、眉尻が下がる。
「叶わない恋なら、最初から望まない。ヒソカとは極力絡まない。そう、決めたんだもん」
「そんな心配いらないと思うけど?♢」
「え?」
突如聞こえた声にハッとして横を見れば、壁に違和感。まさかと思い手を伸ばすと、はらりと落ちたドッキリテクスチャーの向こうから、ヒソカが現れた。
「自分の気持ちには素直にならなきゃだめだよ♤」
「ヒソカ……! いつの間に? 部屋から出たはずじゃ……」
「愛の力かな? 気が付いたらここにいたんだ♡」
「嘘つかないでよ! そんな事出来るはずがないじゃない」
「念能力を見破る事はできても、ボクの動きまでは見破れなかった。それだけのことさ♧」
要するに、押し出されたと同時に部屋に潜り込んだらしい。貼られたドッキリテクスチャーに気付けなかったのは、アロマが動揺していたからだろう。
「って事は、私の独り言……」
「全部聞いちゃった♡盛大な告白と受け取っておくよ♢」
「ちが……っ!」
「違わないよ♤そう言うわけで、今この瞬間からボク達は恋人同士だ。ボクもアロマが好きだからね♡」
「嘘……!」
当たり前のように言われた告白は、アロマの頭を真っ白にする。言葉が見つからず、口をパクパクとさせながら驚いているアロマに、クスリと笑ったヒソカは手を伸ばした。
「さっきから『薄っぺらな嘘』ばかり使ってたから、信用が無いかな♤『伸縮自在の愛』でキミを縛り付けても良いけど、キミにはきっと効果が無さそうだから……」
アロマの顎に優しく手をかけ、顔を近付ける。
「『真実の愛』でキミを奪おうか♡」
「ヒソ……!」
重ねられた唇に嘘は無くて。
伝わってくる熱を感じながら、アロマはゆっくりと瞳を閉じた。
〜了〜
一通り部屋を見回し、何も変化がない事を確認すると、ホッとため息をつく。でもそれは安心したからじゃない。この違和感が、間違いの無い物だと確信できたから。
「ドッキリテクスチャー発見。ついでに言うと、ソファの脇に髪の毛が一本落ちてるよ……ヒソカ」
「さすがだね、アロマ♡やっぱりキミには見抜かれちゃうか」
ソファの表面がペラリと剥がれると、その下から現れたのは本来のソファとヒソカ。どうやらドッキリテクスチャーを使って、誰もいないように見せかけていたらしい。
「こういうイタズラは、いい加減やめてくれない? あと、レディの部屋に勝手に入るのも禁止ね」
「つれないなぁ♧キミとボクとの仲だってのに」
「どんな仲よ。アンタが繋がってるのは、私のアニキでしょ。私とは単なる赤のた・に・ん」
分かったら行った行った、とばかりに手を振るアロマだが、ヒソカはめげる様子もなく。当たり前のようにアロマの肩に腕を回すと、自らの胸元に引き寄せた。
「もう、何なのよ」
「キミに会いに来たに決まってるだろ♢気になる女性は、出来るだけ自らの手元に置いておきたいものさ♡」
「勝手な事ばかり……私は戦いに長けてないし、ヒソカが興味を持ちそうな才能も無い。何でそんなに執着するのよ」
「才能ならあるだろう? 念の修行を全くしていないのに、その時必要な念を自然と使いこなせるのは立派な才能さ♧しかもボクのドッキリテクスチャーをあっさりと見破れるんだから、凄い事だよ♡」
ヒソカの言う通り、アロマは念の修行をした事は無い。だが両親と兄がハンターであり、常に念能力者と接していた事から幸か不幸か、自然と体に染み付いていたようだ。ただし、戦闘の経験が皆無な為、あくまで自己防衛がメインだった。
「変な所に執着するのね。何にしても、私はヒソカに興味は無いから。いい加減部屋から出て行ってよ。疲れてるからさっさと寝たいの」
「じゃあ一緒にシャワーでも浴びようか♡」
「な……っ! ふざけた事言ってないで、さっさと出てけ〜っ!」
怒鳴りながらヒソカを部屋から押し出し、ドアを閉める。背中でドアを押さえつけながら肩で息をするアロマの顔は、真っ赤に染まっていた。
「冗談じゃ無いわよ! ヒソカとシャワーだなんて……心臓が止まっちゃうじゃない」
小さくなる語尾から感じられるのは、照れた感情。頬に手を当てたアロマは、紛れもなく恋をしている少女の顔をしていた。
「ヒソカは強い人しか好きにならないって知ってるもん。今は私の中途半端な能力が面白くてちょっかいかけて来てるけど、どうせすぐに飽きちゃうだろうし……」
自分の言葉に悲しくなったのか、眉尻が下がる。
「叶わない恋なら、最初から望まない。ヒソカとは極力絡まない。そう、決めたんだもん」
「そんな心配いらないと思うけど?♢」
「え?」
突如聞こえた声にハッとして横を見れば、壁に違和感。まさかと思い手を伸ばすと、はらりと落ちたドッキリテクスチャーの向こうから、ヒソカが現れた。
「自分の気持ちには素直にならなきゃだめだよ♤」
「ヒソカ……! いつの間に? 部屋から出たはずじゃ……」
「愛の力かな? 気が付いたらここにいたんだ♡」
「嘘つかないでよ! そんな事出来るはずがないじゃない」
「念能力を見破る事はできても、ボクの動きまでは見破れなかった。それだけのことさ♧」
要するに、押し出されたと同時に部屋に潜り込んだらしい。貼られたドッキリテクスチャーに気付けなかったのは、アロマが動揺していたからだろう。
「って事は、私の独り言……」
「全部聞いちゃった♡盛大な告白と受け取っておくよ♢」
「ちが……っ!」
「違わないよ♤そう言うわけで、今この瞬間からボク達は恋人同士だ。ボクもアロマが好きだからね♡」
「嘘……!」
当たり前のように言われた告白は、アロマの頭を真っ白にする。言葉が見つからず、口をパクパクとさせながら驚いているアロマに、クスリと笑ったヒソカは手を伸ばした。
「さっきから『薄っぺらな嘘』ばかり使ってたから、信用が無いかな♤『伸縮自在の愛』でキミを縛り付けても良いけど、キミにはきっと効果が無さそうだから……」
アロマの顎に優しく手をかけ、顔を近付ける。
「『真実の愛』でキミを奪おうか♡」
「ヒソ……!」
重ねられた唇に嘘は無くて。
伝わってくる熱を感じながら、アロマはゆっくりと瞳を閉じた。
〜了〜
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