BLEACH(現在13編)
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【貴方の背中を支えて押して(浦原)】
「ようやく黒崎さんが戻って来ますねぇ」
窓から空を見上げながら浦原がポツリと言う。
「そうだね。そろそろこちらも準備を整えておかなきゃ」
そう香織が答えると、「やれやれ、また賑やかになりそうっすね」と言いながら、浦原は後ろ頭をポリポリと掻いた。
ルキアを助けるために尸魂界へと向かった一護たちが、様々な困難を潜り抜けて目的を達したという情報は、既にこちらに届いている。その後傷も治り、現世へと戻る算段も付いたと連絡が来たのはつい先刻の事だ。
「こちらを出る時とは比べ物にならないくらい、強くなって帰って来るんじゃない?」
「そうっすね。……きっと色々な物を吸収して、一回り大きくなってる事でしょう」
目深に被った帽子のせいで表情は見えないが、口元は笑っているようだ。きっと彼をよく知らない者は、喜んでいるかのように見える事だろう。
だが、今浦原の目の前にいるのは、浦原をよく知る者で。しかもただの人間ではありながら、ほんの少しだけ他人より感情の機微を感じ取れる能力を持っている。
「ねぇ、喜助さん。……彼らが帰ってくるのが怖い?」
香織が、まっすぐに浦原を見つめながら言った。その意味を嫌というほど分かっているのは、浦原自身だ。
「……香織さんには敵わないっすね」
苦笑いで言う浦原に、香織は更なる追い打ちをかける。
「誤魔化さずに言えるの?」
浦原の帽子に手をかけて無造作に投げ捨てた香織は、伏せていた浦原の目を下から覗き込んで言った。
「隠していた事を……だましていた事をきちんと謝れる?」
浦原に対して遠慮のカケラも無く、思った事をズケズケと言ってしまえるのは香織だけだろう。同時に、浦原が自分の心を隠す事無く表に出せるのも彼女の前だけだ。
「やっぱ、謝らなきゃいけないっすかね?」
いつものようにチャラけてはみたようだが、覇気のない浦原に、香織は嘆息する。
「悪い事をしたらごめんなさい。これ鉄則ね。ルキアちゃんを巻き込んで辛い思いをさせて、一護君たちに迷惑をかけた事実から目を背けない!……彼らがどんな子達か、喜助さんが一番よく分かってるでしょ?」
浦原の心の内を分かっていながらもきっぱりと言い切る香織に、ぐうの音も出ない。
「……分かってるっすよ。一発殴られる覚悟で謝りますって」
「一人一発って事は、一護君、織姫ちゃん、石田君、チャド君、ルキアちゃんはきっと漏れなく阿散井君と白哉君が引っ付いてくるだろうから……」
「いやいやちょっと待って下さいよ! アタシはあくまで黒崎さんだけ」
「な~に甘い事言ってんの。殴られる覚悟じゃなくて、何回か死ぬ覚悟で謝んなさい!」
「そりゃ無いっすよ、香織さん~!」
香織の言葉でほんの少しだけ覇気が戻っている事に、浦原自身は気付いているのだろうか?
クスリと笑いながら、香織は言った。
「ちゃんと私が最期を看取ってあげるから、頑張って謝っておいでね」
「そんなぁ~……だったら死ぬ前に、現世で満足させて下さいよ」
「……は?」
計算通り、浦原が少し元気になったと心の中でほくそ笑んでいた香織に、突如投げられた変化球。
気付けば香織は浦原の腕の中に捕らえられていた。
「ちょっ、喜助さん!?」
「どうせ死ぬんだったら、香織さんの上で死にたいっす」
「なっ……!いきなり何言ってんのよこのエロ店主!」
「分かってんなら、遠慮しなくて良いっすね」
「ちょっと待って! 話の展開おかしいから! 私は喜助さんが緊張してるからほぐしてあげようと……んっ……」
強引に口付けられ、言葉を続ける事の出来ない香織。悔しそうに頬を赤らめる香織を愛おし気に見つめながら、浦原は言った。
「分かってるっすよ。香織さんの優しい心遣いは全て伝わってますから。……ありがとう」
他の誰にも見せる事の無い、心からの幸せな笑みを浮かべている浦原を見れば、自然と香織にも笑みが浮かぶ。
「迎えに行くときは言って。私も着いて行くから。一緒に謝ってあげるよ」
「そりゃぁ心強いっすね」
そう言いながら再び浦原が唇を重ねると、香織はそっと浦原の背中に腕を回したのだった。
~了~
「ようやく黒崎さんが戻って来ますねぇ」
窓から空を見上げながら浦原がポツリと言う。
「そうだね。そろそろこちらも準備を整えておかなきゃ」
そう香織が答えると、「やれやれ、また賑やかになりそうっすね」と言いながら、浦原は後ろ頭をポリポリと掻いた。
ルキアを助けるために尸魂界へと向かった一護たちが、様々な困難を潜り抜けて目的を達したという情報は、既にこちらに届いている。その後傷も治り、現世へと戻る算段も付いたと連絡が来たのはつい先刻の事だ。
「こちらを出る時とは比べ物にならないくらい、強くなって帰って来るんじゃない?」
「そうっすね。……きっと色々な物を吸収して、一回り大きくなってる事でしょう」
目深に被った帽子のせいで表情は見えないが、口元は笑っているようだ。きっと彼をよく知らない者は、喜んでいるかのように見える事だろう。
だが、今浦原の目の前にいるのは、浦原をよく知る者で。しかもただの人間ではありながら、ほんの少しだけ他人より感情の機微を感じ取れる能力を持っている。
「ねぇ、喜助さん。……彼らが帰ってくるのが怖い?」
香織が、まっすぐに浦原を見つめながら言った。その意味を嫌というほど分かっているのは、浦原自身だ。
「……香織さんには敵わないっすね」
苦笑いで言う浦原に、香織は更なる追い打ちをかける。
「誤魔化さずに言えるの?」
浦原の帽子に手をかけて無造作に投げ捨てた香織は、伏せていた浦原の目を下から覗き込んで言った。
「隠していた事を……だましていた事をきちんと謝れる?」
浦原に対して遠慮のカケラも無く、思った事をズケズケと言ってしまえるのは香織だけだろう。同時に、浦原が自分の心を隠す事無く表に出せるのも彼女の前だけだ。
「やっぱ、謝らなきゃいけないっすかね?」
いつものようにチャラけてはみたようだが、覇気のない浦原に、香織は嘆息する。
「悪い事をしたらごめんなさい。これ鉄則ね。ルキアちゃんを巻き込んで辛い思いをさせて、一護君たちに迷惑をかけた事実から目を背けない!……彼らがどんな子達か、喜助さんが一番よく分かってるでしょ?」
浦原の心の内を分かっていながらもきっぱりと言い切る香織に、ぐうの音も出ない。
「……分かってるっすよ。一発殴られる覚悟で謝りますって」
「一人一発って事は、一護君、織姫ちゃん、石田君、チャド君、ルキアちゃんはきっと漏れなく阿散井君と白哉君が引っ付いてくるだろうから……」
「いやいやちょっと待って下さいよ! アタシはあくまで黒崎さんだけ」
「な~に甘い事言ってんの。殴られる覚悟じゃなくて、何回か死ぬ覚悟で謝んなさい!」
「そりゃ無いっすよ、香織さん~!」
香織の言葉でほんの少しだけ覇気が戻っている事に、浦原自身は気付いているのだろうか?
クスリと笑いながら、香織は言った。
「ちゃんと私が最期を看取ってあげるから、頑張って謝っておいでね」
「そんなぁ~……だったら死ぬ前に、現世で満足させて下さいよ」
「……は?」
計算通り、浦原が少し元気になったと心の中でほくそ笑んでいた香織に、突如投げられた変化球。
気付けば香織は浦原の腕の中に捕らえられていた。
「ちょっ、喜助さん!?」
「どうせ死ぬんだったら、香織さんの上で死にたいっす」
「なっ……!いきなり何言ってんのよこのエロ店主!」
「分かってんなら、遠慮しなくて良いっすね」
「ちょっと待って! 話の展開おかしいから! 私は喜助さんが緊張してるからほぐしてあげようと……んっ……」
強引に口付けられ、言葉を続ける事の出来ない香織。悔しそうに頬を赤らめる香織を愛おし気に見つめながら、浦原は言った。
「分かってるっすよ。香織さんの優しい心遣いは全て伝わってますから。……ありがとう」
他の誰にも見せる事の無い、心からの幸せな笑みを浮かべている浦原を見れば、自然と香織にも笑みが浮かぶ。
「迎えに行くときは言って。私も着いて行くから。一緒に謝ってあげるよ」
「そりゃぁ心強いっすね」
そう言いながら再び浦原が唇を重ねると、香織はそっと浦原の背中に腕を回したのだった。
~了~
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