万事屋騒動記(オールキャラ)【完結】
「じゃぁどうしてここに来たの? っていうか、どこから来たのかな?」
「エリザベスと鬼ごっこをしながらここまで来ました。どこからかは……あれ? 晋助、覚えてるか?」
「ヅラが知らねェのに、俺が知るわけねェだろ」
「辰馬は……聞いても無駄か」
「なんじゃそりゃァ! わしはおまんらと……いや、わしも知らんぜよ」
「……一番最悪のパターンですね」
子供達を連れてきたエリザベスはおらず、当事者である子供達も何も知らないとなると、八方塞がりだ。かと言って、子供になってしまった彼らを放っておくわけにもいかない。
「もうどうしたら良いんだか……銀さんも一緒に考えて下さいよ。貴方の友達でしょう?」
「ダチじゃねェ! ただの腐れ縁だっての。まぁ放っときゃ勝手に元に戻るんじゃねェのか」
先程きつく怒った事を少し気にしているのか、不貞腐れた表情で答える銀時。だが何故かその目は辰馬をじっと見つめていた。
銀時の視線を感じたのか、辰馬がギクリとしたように体を震わせ、ソファの位置を銀時から一番遠い場所へと移動する。
その事には気付かず、新八は頭を抱えながら銀時に尋ねた。
「だとしても、いつまで待てば良いんです? その時が来るまで彼らをここに置いておくつもりですか? 下手したら万事屋が物理的に潰れますよ」
よくぞここまで、と言いたくなるほどに激しく暴れた痕跡を改めて確認し、新八がガックリと肩を落とす。そんな新八を見て、一緒に暴れていた神楽もさすがに悪いと思ったのか、一つ助け船を出してきた。
「おいお前ら、ここに来る前に、エリーは何か言ってなかったアルか? 万事屋に予告までして来たってことは、何か理由があってもおかしくないネ。覚えてること全部話してみるヨロシ」
神楽の言葉に、小太郎と晋助が再び考え込む。その姿に新八は一筋の光を見い出せた気がした。
「神楽ちゃんの言う通りですね。何で万事屋に来ることになったか、聞いてないかい?」
「特に何も……ただ鬼ごっこをしながら良い所へ行こうと言われただけです」
「目ェ覚ましたらエリザベスがいて、暇そうだったから遊んでやってたんだよな。暫くしたら辰馬が来て、そのまま一緒にエリザベスを追いかけながらここまで来たぜ」
お互いの話を確認し、頷きあう二人。どうやら記憶に間違いはなさそうだ。
「ええっと……小太郎君と晋助君は、目が覚めたらエリザベスと一緒にいたって事ですね。その前の事は覚えてるかい?」
「……そういえば、全く……何で俺たちはあんな知らない場所で眠っていたんだろう」
「俺も覚えてねェな。こうして自由がある以上、人さらいって訳でも無さそうだが」
思い返してみると、おかしな事ばかりが見えてくる。しかし本来なら不安になってしまうはずの状況にありながら、冷静さを保っている姿はあの攘夷四天王の資質を彷彿とさせ、新八は舌を巻いた。
「銀さんは知りませんが、この人たちはこんな幼い頃からしっかりしてたんですね」
「うるせェよ新八。銀さんはこいつらよりずっと大人だったからね! いろんな意味で一皮剥けてたからねッ! ってそんな事より辰馬。お前は何で後から合流したんだ? そもそもこいつらとはいつ知り合った?」
不意に話を辰馬に振り、じっと見つめる銀時。向けられる視線の鋭さに思わず挙動不審になる辰馬だったが、その事に気付いた小太郎が辰馬をかばうように銀時の視線上へと身を乗り出してきた。
「彼は元々エリザベスと知り合いで、今日会う約束をしていたのですが、道に迷って遅れたそうです。俺たちとは先ほどエリザベスを介して知り合いました。何か問題でもありますか?」
「エリザベスと鬼ごっこをしながらここまで来ました。どこからかは……あれ? 晋助、覚えてるか?」
「ヅラが知らねェのに、俺が知るわけねェだろ」
「辰馬は……聞いても無駄か」
「なんじゃそりゃァ! わしはおまんらと……いや、わしも知らんぜよ」
「……一番最悪のパターンですね」
子供達を連れてきたエリザベスはおらず、当事者である子供達も何も知らないとなると、八方塞がりだ。かと言って、子供になってしまった彼らを放っておくわけにもいかない。
「もうどうしたら良いんだか……銀さんも一緒に考えて下さいよ。貴方の友達でしょう?」
「ダチじゃねェ! ただの腐れ縁だっての。まぁ放っときゃ勝手に元に戻るんじゃねェのか」
先程きつく怒った事を少し気にしているのか、不貞腐れた表情で答える銀時。だが何故かその目は辰馬をじっと見つめていた。
銀時の視線を感じたのか、辰馬がギクリとしたように体を震わせ、ソファの位置を銀時から一番遠い場所へと移動する。
その事には気付かず、新八は頭を抱えながら銀時に尋ねた。
「だとしても、いつまで待てば良いんです? その時が来るまで彼らをここに置いておくつもりですか? 下手したら万事屋が物理的に潰れますよ」
よくぞここまで、と言いたくなるほどに激しく暴れた痕跡を改めて確認し、新八がガックリと肩を落とす。そんな新八を見て、一緒に暴れていた神楽もさすがに悪いと思ったのか、一つ助け船を出してきた。
「おいお前ら、ここに来る前に、エリーは何か言ってなかったアルか? 万事屋に予告までして来たってことは、何か理由があってもおかしくないネ。覚えてること全部話してみるヨロシ」
神楽の言葉に、小太郎と晋助が再び考え込む。その姿に新八は一筋の光を見い出せた気がした。
「神楽ちゃんの言う通りですね。何で万事屋に来ることになったか、聞いてないかい?」
「特に何も……ただ鬼ごっこをしながら良い所へ行こうと言われただけです」
「目ェ覚ましたらエリザベスがいて、暇そうだったから遊んでやってたんだよな。暫くしたら辰馬が来て、そのまま一緒にエリザベスを追いかけながらここまで来たぜ」
お互いの話を確認し、頷きあう二人。どうやら記憶に間違いはなさそうだ。
「ええっと……小太郎君と晋助君は、目が覚めたらエリザベスと一緒にいたって事ですね。その前の事は覚えてるかい?」
「……そういえば、全く……何で俺たちはあんな知らない場所で眠っていたんだろう」
「俺も覚えてねェな。こうして自由がある以上、人さらいって訳でも無さそうだが」
思い返してみると、おかしな事ばかりが見えてくる。しかし本来なら不安になってしまうはずの状況にありながら、冷静さを保っている姿はあの攘夷四天王の資質を彷彿とさせ、新八は舌を巻いた。
「銀さんは知りませんが、この人たちはこんな幼い頃からしっかりしてたんですね」
「うるせェよ新八。銀さんはこいつらよりずっと大人だったからね! いろんな意味で一皮剥けてたからねッ! ってそんな事より辰馬。お前は何で後から合流したんだ? そもそもこいつらとはいつ知り合った?」
不意に話を辰馬に振り、じっと見つめる銀時。向けられる視線の鋭さに思わず挙動不審になる辰馬だったが、その事に気付いた小太郎が辰馬をかばうように銀時の視線上へと身を乗り出してきた。
「彼は元々エリザベスと知り合いで、今日会う約束をしていたのですが、道に迷って遅れたそうです。俺たちとは先ほどエリザベスを介して知り合いました。何か問題でもありますか?」