万事屋騒動記(オールキャラ)【完結】
「良かった……無事だったんですね、エリザベスさん! これは一体どういう事なんですか!? 何が起こっているのか教えて下さい!」
エリザベスに戻ってくるよう手招きしながら新八は叫んだ。
ところがである。
『桂さん達を頼む』
「はい?」
掲げられたプラカードに、新八は絶句した。
「頼むって……どういう事ですか?」
『しばらく彼らを預かって欲しい』
「いや、預かるって言いますけど、いつまでですか?」
『元に戻るまで』
「だからそれはいつ!?」
『知らん』
「無理ムリむりっ! 絶対無理ですからっ! っていうかもう既に限界超えてますからっ!」
新八が慌てて拒否を示す。何故なら今こうして窓越しにエリザベスと話をしている間にも、室内の子供たちは大暴れを始めていたのだ。
銀時の木刀を見つけて振り回すわ、一緒になって神楽まで走り回るわで、部屋は惨憺たる状態になっている。
「テメェら、いい加減にしやがれっ!」
正気を取り戻した銀時が怒っても、やんちゃな子供たち三人が相手ではさすがに効果が薄いようだ。むしろ怒らせることが楽しくて、子供たちもわざと銀時にちょっかいを出していた。
「ちょっとエリザベスさん!」
室内の状況を確認した新八が、再びエリザベスの方を向く。だがそこには既にエリザベスの姿は無く。
『君達の尊い犠牲は忘れない』
『アディダ……アディオス!』
と書かれたプラカードだけが残されていた。
「ふざけんなーっ! っていうかもう完全に押し付けて逃げましたよね! 何だよ、無理やりギャグにしようとしてる感アリアリなアディ◯スって!」
怒りに任せてツッコミを入れる新八だったが、その叫びは虚しく響くだけ。再び部屋の方を振り向けば、先ほどよりも更に激しく走り回る子供たちが目に飛び込んできて、新八はがっくりと肩を落とした。
それから10分ほど経った頃。
さすがに飽きて来たのか、走り回っていた子供達が銀時のところへワラワラと集まって来た。
「なぁおっさん。腹減ったからなんかくれよ」
椅子に座っている銀時の頭をワシワシとかき混ぜながら、晋助が言う。それを鬱陶しそうに払い除けた銀時は、「誰がおっさんだ!」と怒鳴りつけたがやはり効果はなく。
「じゃあ白髪。食いもんよこせ」
「このヤロー、いい加減にしろよ! テメェらいつまでふざけた遊びしてやがんだ! さっさと元に戻って出て行きやがれ!」
いい加減我慢の限界を超えていた銀時が、今度は殺気を込めて怒鳴りつけた。さすがにこれは恐ろしかったらしく、子供たちはビクリと体を震わせて小さくなってしまう。
辰馬に至っては、目に涙まで浮かべていた。
「銀さん、相手は一応子供ですからね。もう少しお手柔らかにお願いしますよ」
「知るかってんだ! ガキだからこそ悪いモンは悪いと教えてやんなきゃいけねーだろうが」
「それはそうですが……」
さっきまで悪魔のように暴れまわっていた子供たちが、今はこうしてプルプルと震えておびえている。そんな姿を見て可哀そうに思ってしまった新八は、「こっちにおいで」と子供たちをソファへ導き、落ち着かせてやった。
「そもそも彼らが本当にあの三人だとしたら、記憶まで子供に戻っちゃってるって事なんですかね」
もし自分が今子供の体になったとしても、そのままの自分だったら大人の理性が邪魔をして、こうも無邪気に暴れまわることなど出来ないだろう。だとすると、少なくとも見た目は子供、頭脳は大人という状態ではなさそうだ。
「ねぇ、君たちは僕たちの事を知ってたの?」
状況を把握するため、新八は子供たちに尋ねる。お互いが目を合わせ、素直に答えた三人の口からは、「知らない」という同じ言葉が発せられた。
エリザベスに戻ってくるよう手招きしながら新八は叫んだ。
ところがである。
『桂さん達を頼む』
「はい?」
掲げられたプラカードに、新八は絶句した。
「頼むって……どういう事ですか?」
『しばらく彼らを預かって欲しい』
「いや、預かるって言いますけど、いつまでですか?」
『元に戻るまで』
「だからそれはいつ!?」
『知らん』
「無理ムリむりっ! 絶対無理ですからっ! っていうかもう既に限界超えてますからっ!」
新八が慌てて拒否を示す。何故なら今こうして窓越しにエリザベスと話をしている間にも、室内の子供たちは大暴れを始めていたのだ。
銀時の木刀を見つけて振り回すわ、一緒になって神楽まで走り回るわで、部屋は惨憺たる状態になっている。
「テメェら、いい加減にしやがれっ!」
正気を取り戻した銀時が怒っても、やんちゃな子供たち三人が相手ではさすがに効果が薄いようだ。むしろ怒らせることが楽しくて、子供たちもわざと銀時にちょっかいを出していた。
「ちょっとエリザベスさん!」
室内の状況を確認した新八が、再びエリザベスの方を向く。だがそこには既にエリザベスの姿は無く。
『君達の尊い犠牲は忘れない』
『アディダ……アディオス!』
と書かれたプラカードだけが残されていた。
「ふざけんなーっ! っていうかもう完全に押し付けて逃げましたよね! 何だよ、無理やりギャグにしようとしてる感アリアリなアディ◯スって!」
怒りに任せてツッコミを入れる新八だったが、その叫びは虚しく響くだけ。再び部屋の方を振り向けば、先ほどよりも更に激しく走り回る子供たちが目に飛び込んできて、新八はがっくりと肩を落とした。
それから10分ほど経った頃。
さすがに飽きて来たのか、走り回っていた子供達が銀時のところへワラワラと集まって来た。
「なぁおっさん。腹減ったからなんかくれよ」
椅子に座っている銀時の頭をワシワシとかき混ぜながら、晋助が言う。それを鬱陶しそうに払い除けた銀時は、「誰がおっさんだ!」と怒鳴りつけたがやはり効果はなく。
「じゃあ白髪。食いもんよこせ」
「このヤロー、いい加減にしろよ! テメェらいつまでふざけた遊びしてやがんだ! さっさと元に戻って出て行きやがれ!」
いい加減我慢の限界を超えていた銀時が、今度は殺気を込めて怒鳴りつけた。さすがにこれは恐ろしかったらしく、子供たちはビクリと体を震わせて小さくなってしまう。
辰馬に至っては、目に涙まで浮かべていた。
「銀さん、相手は一応子供ですからね。もう少しお手柔らかにお願いしますよ」
「知るかってんだ! ガキだからこそ悪いモンは悪いと教えてやんなきゃいけねーだろうが」
「それはそうですが……」
さっきまで悪魔のように暴れまわっていた子供たちが、今はこうしてプルプルと震えておびえている。そんな姿を見て可哀そうに思ってしまった新八は、「こっちにおいで」と子供たちをソファへ導き、落ち着かせてやった。
「そもそも彼らが本当にあの三人だとしたら、記憶まで子供に戻っちゃってるって事なんですかね」
もし自分が今子供の体になったとしても、そのままの自分だったら大人の理性が邪魔をして、こうも無邪気に暴れまわることなど出来ないだろう。だとすると、少なくとも見た目は子供、頭脳は大人という状態ではなさそうだ。
「ねぇ、君たちは僕たちの事を知ってたの?」
状況を把握するため、新八は子供たちに尋ねる。お互いが目を合わせ、素直に答えた三人の口からは、「知らない」という同じ言葉が発せられた。