お昼休み。
　コンビニに向かう途中、傘を差した女の子に声をかけられた。

「あなたは昨日の……」
「万事屋の紅一点、美少女神楽ちゃんとは私の事アル」

　昨日の食べっぷりに引き続き、インパクトのある自己紹介に戸惑う。何をどう答えて良いのかわからない私に、神楽ちゃんは言った。

「私今名乗ったネ。お前の名前教えるヨロシ」
「あ……はい。優花里です。外村優花里」
「優花里アルな。お互い自己紹介したから、私たちはもう友達ヨ」
「……はい？」

　あまりに急な展開は、ますます私を混乱させる。
　そんな私を見た神楽ちゃんは、不思議そうに首を傾げて言った。

「だって優花里は銀ちゃんの友達なんダロ？　銀ちゃんが言ってたネ」
「坂田さんが……？」

　神楽ちゃんを介して運ばれてきた坂田さんの言葉は、私の心を小さくノックした。