4週目
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「土方さんには、俺から礼を伝えておきまさァ」
沖田さんに言われ、結局昨日は屯所に行かなかった。
でも一度気になってしまうと落ち着かない。やっぱり今日にでも寄っておこうと、早速仕事帰りに屯所に向かっていた。
ところが歩いている途中、どこからか強い視線を感じて立ち止まる。辺りを見回せば、目の前の宿の二階に視線の主を見つけた。
「高杉さん……」
「どこで俺の名を聞いた?」
「真選組の方が教えて下さいました」
「へェ、銀時だけじゃなく真選組とも繋がってんのか」
「繋がっているという程ではありませんが……高杉さんこそ何故私に声を?」
「俺ァ何もしてねェよ。声をかけてきたのはそっちだろ?」
「それは……でも視線を送ってきたのは高杉さんですよね?」
「違いねェ。ククッ……面白い女だな」
言葉通り私を見下ろす高杉さんは、どこか危険をまといながらも笑顔には子供のような無邪気さを覗かせていた。
「それで、私に何か御用でも?」
煙管を燻らせる姿が凄く様になっていて、少しだけ見惚れながら訊く。すると高杉さんはゆっくり空を見上げてふぅっと煙を吐き出し、言った。
「別に用なんざねェさ」
「え? だったら何であんなに私を見てたんですか?」
ただ見ているだけではなく、強い意思を感じる視線だったのにと不思議に思い改めて訊ねれば、高杉さんは言う。
「良い女が歩いてりゃぁ、見つめちまうもんだろ?」
──この人、色々な意味でやっぱり危険な人だ。
先ほどの視線とは違う流し目は、私の頬を赤く染めた。
沖田さんに言われ、結局昨日は屯所に行かなかった。
でも一度気になってしまうと落ち着かない。やっぱり今日にでも寄っておこうと、早速仕事帰りに屯所に向かっていた。
ところが歩いている途中、どこからか強い視線を感じて立ち止まる。辺りを見回せば、目の前の宿の二階に視線の主を見つけた。
「高杉さん……」
「どこで俺の名を聞いた?」
「真選組の方が教えて下さいました」
「へェ、銀時だけじゃなく真選組とも繋がってんのか」
「繋がっているという程ではありませんが……高杉さんこそ何故私に声を?」
「俺ァ何もしてねェよ。声をかけてきたのはそっちだろ?」
「それは……でも視線を送ってきたのは高杉さんですよね?」
「違いねェ。ククッ……面白い女だな」
言葉通り私を見下ろす高杉さんは、どこか危険をまといながらも笑顔には子供のような無邪気さを覗かせていた。
「それで、私に何か御用でも?」
煙管を燻らせる姿が凄く様になっていて、少しだけ見惚れながら訊く。すると高杉さんはゆっくり空を見上げてふぅっと煙を吐き出し、言った。
「別に用なんざねェさ」
「え? だったら何であんなに私を見てたんですか?」
ただ見ているだけではなく、強い意思を感じる視線だったのにと不思議に思い改めて訊ねれば、高杉さんは言う。
「良い女が歩いてりゃぁ、見つめちまうもんだろ?」
──この人、色々な意味でやっぱり危険な人だ。
先ほどの視線とは違う流し目は、私の頬を赤く染めた。
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