結局昨日は朝と夕方、坂田さんが来てくれた。
「ジャンプを買いにコンビニに寄ったから、ついでにな」と言い訳付きで持ってきてくれたデザート類は数が多くて、今も未だ冷蔵庫にいくつも残っている。

　夜は夜で、わざわざおかゆを作りに来てくれた。
「台所は勝手に使わせてもらうぜ」と言ってちゃっかり多めに作り、自分もお腹を膨らませていたのがおかしい。つられて私もお腹一杯食べてしまい、軽く胃痛を起こしてしまったのは秘密だ。
　でもそのお陰か今朝はスッキリと目覚める事ができ、体も軽くなっていた。
　カーテンを大きく開けて朝の光を浴び、目覚めのコーヒーを飲むと、全身にやる気が満ちていく。

「よーし、今日からまた頑張らなきゃ！」

　拳を握って気合を入れると、まずは朝食の準備に取り掛かることにした。
　朝食用のパンは、昨日の夕方坂田さんが買ってきてくれた物。甘い種類ばかりなのは、坂田さんの趣味なのかな？
　何にしてもありがたく食べさせてもらおうと中の一つを手に取った時、ふと覚えた違和感。見ればパンの袋にはマジックでこう書かれていた。

【病み上がりに頑張り過ぎんなよ】

　その優しいメッセージは、私を『ほどほどに頑張ろう』という気にさせてくれた。