4週目
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朝になっても未だ微熱が残っていたことから、職場にはお休みすると電話を入れた。
お母さんは昨夜の内に帰ってしまったけれど、作りおきのおかずを置いていってくれたことで、今日は一日出かけなくても大丈夫だ。
「食事したら、もう一眠りしよう」
あまりない食欲を奮い立たせてお腹に詰め込むと、ベッドに横たわる。ところがうつらうつらとし始めたタイミングで携帯に電話がかかってきた。
ぼんやりした視界の中、音を頼りに携帯を掴んで電話に出ると――。
「……はい」
『よォ、優花里か?』
「え……? その声坂田さ……ゴホゴホッ」
まさかの電話の主に驚いた私は、思わずむせてしまう。それを聞いた坂田さんは、慌てたように言った。
『おいおい、大丈夫かよ』
「は、はい、すみません。ゴホッ……ちょっと驚いてむせただけ……ゴホッ」
『驚いてって何? 銀さんびっくりお化けか何かなわけ?』
「違いますよ。まさか坂田さんから電話が来るとは思ってなかっただけです。……ほら、もう止まりましたから」
『……そんなら良いけどよ』
私の答えに納得いかないのか、不服そうに言う坂田さん。こういう時、何をどう言えば良いのか分からず困っていると、そのまま坂田さんが話を続けてくれた。
『銀さんが電話した理由はだな、お前のお袋さんから連絡があったからだよ」
「お母さんから?」
「あァ。優花里が昨日から体調を崩して寝てるから、念の為夕方頃一度見に行ってくれってな。で? 今はどんな具合だ?』
聞かれて素直に答えれば、「そうか」と言ったきり坂田さんは黙り込んでしまう。顔の見えない沈黙はどうにも落ち着かず困り果てていると、不意に部屋のチャイムが鳴った。
「あ、ごめんなさい。誰か来たみたいなので――」
思わずホッとした私が言うと、返って来たのはほんの少しだけズレを感じる二つの同じ声。
『来たのは誰かじゃなくて、銀さんな』
慌ててドアを開けると、そこには携帯を耳に当てた坂田さんが立っていた。
お母さんは昨夜の内に帰ってしまったけれど、作りおきのおかずを置いていってくれたことで、今日は一日出かけなくても大丈夫だ。
「食事したら、もう一眠りしよう」
あまりない食欲を奮い立たせてお腹に詰め込むと、ベッドに横たわる。ところがうつらうつらとし始めたタイミングで携帯に電話がかかってきた。
ぼんやりした視界の中、音を頼りに携帯を掴んで電話に出ると――。
「……はい」
『よォ、優花里か?』
「え……? その声坂田さ……ゴホゴホッ」
まさかの電話の主に驚いた私は、思わずむせてしまう。それを聞いた坂田さんは、慌てたように言った。
『おいおい、大丈夫かよ』
「は、はい、すみません。ゴホッ……ちょっと驚いてむせただけ……ゴホッ」
『驚いてって何? 銀さんびっくりお化けか何かなわけ?』
「違いますよ。まさか坂田さんから電話が来るとは思ってなかっただけです。……ほら、もう止まりましたから」
『……そんなら良いけどよ』
私の答えに納得いかないのか、不服そうに言う坂田さん。こういう時、何をどう言えば良いのか分からず困っていると、そのまま坂田さんが話を続けてくれた。
『銀さんが電話した理由はだな、お前のお袋さんから連絡があったからだよ」
「お母さんから?」
「あァ。優花里が昨日から体調を崩して寝てるから、念の為夕方頃一度見に行ってくれってな。で? 今はどんな具合だ?』
聞かれて素直に答えれば、「そうか」と言ったきり坂田さんは黙り込んでしまう。顔の見えない沈黙はどうにも落ち着かず困り果てていると、不意に部屋のチャイムが鳴った。
「あ、ごめんなさい。誰か来たみたいなので――」
思わずホッとした私が言うと、返って来たのはほんの少しだけズレを感じる二つの同じ声。
『来たのは誰かじゃなくて、銀さんな』
慌ててドアを開けると、そこには携帯を耳に当てた坂田さんが立っていた。