序章

 我ながら、よく今まで生き延びてこられたと思う。

 幼い頃からずっと、私は一人で生きてきた。
 誰も、信じず。誰にも、頼らず。たった一人で今日までやってきたのだ。

 生きる為なら、どんな悪事にも手を染めた。
 地べたを這いずり回り、疎まれ、蔑まれ。それでも私は生きたかったから。

 『生きる』事だけが、私の存在する意味だったのだ。
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