土方十四郎(現在51篇)

「独断専行はあれほどやめろっつっただろ!」

副長の怒鳴り声が響いた。

「でも犯人が目の前にいたんです!」

負けじと私も反論する。

「だからってテメェ一人で何ができる?」
「囮にくらいはなれます!」
「それが嫌なんだよ!」
「…え?」

突然抱きしめられ、言葉を失った。

「何の為に前線から外してると思ってんだ?お前を危険から遠ざける為だって事くらい気付け!」

驚いて副長を見つめている私に落とされたのは、優しい口付け。

「俺は副長である前に、一人の男なんだぜ?大切な女をむざむざ危険に晒すかよ」

真剣な眼差しが、私の心を鷲掴みにした。

20180204(日)22:47
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