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坂田銀時(現在95篇)

髪を切った。

って言っても、毛先をほんの数センチ。
最近の強い日差しで傷んでいた部分を、自分でザックリ切っただけだったりするわけで。
特にヘアスタイルが変わったわけでもなければ、元々が長いので縛っている事もあり、他人が見ても分からないだろう。

そう、思っていたのに。

「お前、も少し丁寧な仕事しろよ」

呆れたように言いながら、勝手に私の髪ゴムを解いた銀時。ファサリとバラけた髪を、いつの間にか準備していたブラシで梳かしてくれる。

「せっかく傷んだ部分を切っても、こんな粗い切り方じゃ意味ねーだろ。ったく、せっかく綺麗な髪だってのによ」

ブツブツと文句を言いながらも、ハサミまで取り出して整えてくれる銀時に、私は苦笑した。

「まるでお母さんみたいだね」
「バァカ。……とりあえず、ガタガタしてたとこは直したぞ」
「ん、ありがと」

切り揃えられた髪を摘んでみれば、美容院に行ったかのように整っている。

「やっぱ器用だね、銀時は」
「お前が不器用で雑なだけなんだってーの」
「酷い言い草だね。……でも、ありがと」
「おうよ、こんくらい朝飯前だぜ」

ニッと笑う銀時。
私もその笑みに笑顔で返したけれど、ホントは違うんだよ。
確かに最初に言ったお礼は、髪を切ってくれた事に対する物。でも、今のは違うんだ。

ーー私の小さな変化にまで気付いてくれて、ありがと。

心の中で、私はもう一度お礼を言った。

20180801(水)06:43
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