坂田銀時(現在95篇)

銀時はいつだって私の欲しいものをくれる。

例えば、夜。

体を横にして眠っている銀時の布団に潜り込み、背中にそっと頭を付けると、熟睡しているはずの銀時が当たり前のように仰向けになる。
しかも腕を横に伸ばし、私が腕枕をしやすい体勢にしてくれるのだ。
そこに頭を乗せれば、銀時のもう片方の腕が私を抱きしめ、優しいキスをしてくれる。
ここまでが一連の流れ。

「起こしちゃった?」

キスの合間に聞けば、眠そうにしながらも浮かぶのは優しい笑み。

「未だ寝てるさ。大切な者を抱く夢を見ながら、な」
「……うん」

昼間は絶対に聞けない甘い言葉を紡ぐと、銀時は再び静かな寝息をたて始める。

「ありがと、銀時」

私を抱きしめる腕の温もりが心地良くて。
新たに増えた幸せを噛み締めながら、私はゆっくりと瞳を閉じた。

20180513(日)23:24
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