坂田銀時(現在95篇)

普段顔を合わせている時、どんなに強請っても銀さんはキスをしてくれない。

「何で俺がんな事しなきゃいけねーんだよ!」

そう言って、必ずはぐらかされてしまうのだ。
二人きりの時も、周りが良いムードの時も、絶対キスなんてしてくれない。
あまりに拒否されるものだから、もしかして私たちって実は付き合ってないんじゃないかって悩んだ事もあった。

でもある日、私は気付いたのだ。
私が眠っている時、銀さんがこっそりキスしていたのを。

以前、唇が重なった感覚に目を覚ました事があった。眠ったフリをしてたけど、本当はちゃんと聞こえてたんだよ。

「銀さんってば実はシャイだかんね。正面からキスなんて、照れくさくて出来ないっつ〜の」

うっすら目を開ければ、愛おしそうに私を見つめている銀さんの顔。
あの瞬間、私は悩むのをやめた。
そして今も諦める事なく、キスを強請り続けている。

だって銀さんが私をどれだけ好きか知ってしまったから。

「ねぇ銀さんってば、キスしよ〜よ。ね?」
「冗談じゃねェ!お断りだってーの!」
「じゃぁ一緒にお昼寝しよ?」
「……それなら良い」

20180410(火)21:47
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