坂田銀時(現在95篇)

月に一度、どうしても自分をコントロールする事の出来ない日がある。
いわゆる女の子の日な訳だけど、大っぴらに言えないから結構色々と厳しくて。

「お前さァ、何イライラしてんの?」
「別に」
「エ◯カ様かよ。ガチギレじゃねェか」

呆れ戸惑う銀ちゃんには悪いけど、この意味もなくイラつく感情は自分でもどうする事も出来ない。でも今の態度で接し続けてたら、銀ちゃんに嫌な思いをさせちゃうし、下手したら嫌われちゃう。

こう言う時は、誰にも近付かないのが一番だ。

「そう思うなら、放っておいてくれる?」

トゲトゲしく答えた私は痛む胸と同時に、これまた痛み始めた下腹部を押さえながらその場を離れようとした。

するとーー。

「仕方ねーな」

呆れたような声が聞こえたと同時に、フワリと体が宙に浮く。
気付けば私の体は、銀ちゃんの腕の中でお姫様抱っこをされていた。

「銀ちゃん!?」
「体調が悪いなら言えっての。俺たちそんな事も言えねー仲だったか?」

少しだけ悲しそうな目をした銀ちゃんは、私をベッドまで運んでくれた。

「今日はゆっくり休んどけ。今下に行って、バイトは休むとばーさんに言っといてやるから。ついでに薬でも買ってきてやるよ」
「…ありがとう」
「悪いと思うなら、終わってからしっぽりサービスしろっての」
「銀ちゃんのバカ!サイテー!」
「…その元気なら大丈夫だな」

小さく微笑んだ銀ちゃんは、私の頭をポンと叩いてお登勢さんの店へと向かう。

「…ほんと、バカなんだから」

気が付けば薬を飲むまでもなく、銀ちゃんらしい優しさが私のイライラと痛みを消してしまっていた。

20180402(月)07:49
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