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坂田銀時(現在95篇)

私が故郷の桜に思いを馳せるようになったのは、攘夷戦争に参戦してからだった。
そんなある日、戦いの最中に偶然見つけた桜の木。
死屍累々な光景の向こうに見える桜は悲しい程にキレイで。
降り注ぐ花弁を肌で感じる度に、懐かしい思い出と共に儚い幸せを感じていた。

「また桜を見てんのか?」
「うん、咲き始めたらあっという間だしね。せっかく生きてるんだから、堪能できる時に見ておかないと」

気怠そうに私の側へとやって来たのは白夜叉。
今年もまた毎日ここに来ている事に呆れているようだが、気にならなかった。
私にとって桜とは、生きる意味であり心のよりどころだから。

「来年も……見られるかなぁ」

日々悪くなる戦況はきっと、私を故郷に帰してはくれないだろう。
ならばせめて目の前の桜を通して、あの思い出の桜を見たかった。

「見られるだろ、きっと」

感傷に浸っていた私に、白夜叉が言う。

「何度だって見られるさ。来年も再来年も、俺が見せてやるから」
「白夜叉……?」

そんな言葉をかけられるとは思わず彼を見れば、その頬は桜のようにほんのりと赤みを帯びていた。

「あ~……桜はキレイだけど、一人で見るのは何か寂しくねェ? これからは俺と一緒に見れば良いと思うぜ」

照れくさそうに頬を掻きながら言う白夜叉の瞳は、目の前の桜よりも美しく見えて。
私は自然と浮かんだ笑みと共に、コクリと頷いた。

20180326(月)11:50
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