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坂田銀時(現在95篇)

棚の整理をしていると、以前漬けてそのままにしていた梅酒が目に入った。

「すっかり忘れてたなぁ。いつ漬けたんだっけ」

たっぷりと中身の入った瓶を、よっこらせと棚から取り出す。
蓋に貼られたラベルには、思っていたよりも昔の日付が書き込まれていた。それは銀時と初めて出会った日に漬けた物だった事を思い出し、懐かしさで胸が一杯になる。

「甘い方が良いって聞かなくて、結局通常の三倍の氷砂糖を入れたんだよね」

もう既に梅酒なのか砂糖酒なのか分からない代物になってしまい、さすがに私は手を付けられなかったけれど。時折思い出したように銀時がやって来ては嬉しそうにちびちびと飲んでいたので、ずっとしまっておいたのだ。

「元気にしてるかなぁ? 銀時」

彼の姿を全く見なくなってから、どのくらいの時が経っただろう。
本当はずっと気になる存在だったのに。天邪鬼な性格が邪魔をして、出会った頃から一度も自分で銀時を訪ねた事は無い。

「これを飲めるのは銀時だけなんだから。責任持って奇麗に片付けてくんなきゃ困るわよ」

蓋をポンと叩いた私は、改めて棚の奥にしまおうと瓶に手をかけた。
と、その時。

「おね~えさん。梅酒のソーダ割ある?」

突如懐かしい声が聞こえ、驚いて振り向いた。
そこには以前と変わらず、気怠げに笑う銀時がいて。
一瞬で私の心はざわつき、想いが溢れそうになる。

「……ずっとほったらかしだったから、アルコールが抜けちゃってるかもよ」
「別に良いさ。一緒に飲んでくれる奴が酔わせてくれんだろ」
「何よそれ。どこでそんな似合いもしない、気障なセリフを覚えて来たのよ」

そう言った私は生まれて初めて、自分から銀時の胸に飛び込んだ。

20180319(月)11:43
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