坂田銀時(現在95篇)

仕事が遅くなったので、同僚に車で家まで送ってもらった。
車を見送り鞄から鍵を取り出すと、横からひょいと取り上げられる。
見ればそこにいたのは銀時。

「驚いた。こんな時間にどうしたの?」
「お前こそこんな時間まで何してた?」

射るような眼差しに怯む私を睨んだまま鍵を開けた銀時は、私の腕を掴むと強引に玄関の中へと引っ張り込んだ。

「ちょっと痛いってば銀と……!」

怒って振り払おうとしたけれど、私を掴む手があまりにも冷たくて言葉を失ってしまう。

「……この寒い中、心配して待っててくれたの?」
「連絡くらい寄こせバカヤロー」

私を抱きしめる銀時の体は冷え切っていた。
この震えは寒さのせい?それとも私を心配して?

「ごめんなさい」
「悪いと思ってんならあっためろよ。……お前の体で」

そう耳元で囁いた銀時の唇から漏れた吐息は熱かった。

20180219(月)18:47
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