坂田銀時(現在95篇)
数日前。突如半月の外出禁止令を言い渡された私が真っ先に思い浮かべたのは、銀さんだ。
「半月も会えないなんて……」
ほんの数分の距離にある万事屋が、今はやけに遠く感じられる。こっそり家を抜け出す事も考えたけれど、実際行動に移せるまでの勇気は無かった。
最後に銀さんと顔を合わせたのは三日前。未だたったの三日程会っていないだけだというのに、もうずっと長いこと離れ離れになっているような錯覚に陥っている。
「銀さん……」
寂しくて、恋しくて。
当たり前に顔を合わせていた日々が懐かしい。
そんな事を考えながらボンヤリとベッドに横たわっていると、携帯に届いた一通のメール。見ればそれは銀さんからで、例の如くタイトルから文章は始まっていた。
件名:元気か?銀さん
はいつもどーり神楽
や新八に振り回されて
くたくただっつーの
あいつら
いいかげん銀さんを
たいせつにする
いたわりの気持ちを持ってくんないかね
すぐに
きーきー怒ってくっから
だるいのなんのって
「……何が言いたいんだろう?」
中途半端に切れたメールは、私を戸惑わせる。でも銀さんが送ってくれたと言うだけで、心が温かくなった。
「ひょっとして未だ打ち方に慣れてないのかなぁ?」
こみ上げる笑いと共に、もう一度メールを読み返す。その時、私は気付いてしまった。
「これ、ひょっとして……!」
スクロールしながら確認した縦読みが、胸を熱くする。
「銀さん……」
少しだけ滲んだ液晶にキスをした私は、まぶたの裏に銀さんを思い浮かべながら携帯を抱きしめた。
〜了〜
「半月も会えないなんて……」
ほんの数分の距離にある万事屋が、今はやけに遠く感じられる。こっそり家を抜け出す事も考えたけれど、実際行動に移せるまでの勇気は無かった。
最後に銀さんと顔を合わせたのは三日前。未だたったの三日程会っていないだけだというのに、もうずっと長いこと離れ離れになっているような錯覚に陥っている。
「銀さん……」
寂しくて、恋しくて。
当たり前に顔を合わせていた日々が懐かしい。
そんな事を考えながらボンヤリとベッドに横たわっていると、携帯に届いた一通のメール。見ればそれは銀さんからで、例の如くタイトルから文章は始まっていた。
件名:元気か?銀さん
はいつもどーり神楽
や新八に振り回されて
くたくただっつーの
あいつら
いいかげん銀さんを
たいせつにする
いたわりの気持ちを持ってくんないかね
すぐに
きーきー怒ってくっから
だるいのなんのって
「……何が言いたいんだろう?」
中途半端に切れたメールは、私を戸惑わせる。でも銀さんが送ってくれたと言うだけで、心が温かくなった。
「ひょっとして未だ打ち方に慣れてないのかなぁ?」
こみ上げる笑いと共に、もう一度メールを読み返す。その時、私は気付いてしまった。
「これ、ひょっとして……!」
スクロールしながら確認した縦読みが、胸を熱くする。
「銀さん……」
少しだけ滲んだ液晶にキスをした私は、まぶたの裏に銀さんを思い浮かべながら携帯を抱きしめた。
〜了〜