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坂田銀時(現在95篇)

 そろそろ目的地に到着する。
 分かってはいたけれど、やっぱり受け入れ難くて歩みを遅くした。
 横に並んでいたはずの銀さんが、少しだけ前に出る事で見えた背中に手を伸ばし、ヒラヒラと揺れる着物の袖を掴む。

「……何だよ」

 そう言って振り向いた銀さんは、いつもと変わらない間抜けな顔をしていた。それが何だか悔しくて、私は掴んだ袖をぎゅっと握りしめる。
 すると銀さんは困ったように頭を掻き、一つ大きくため息を吐くと言った。

「お前が必要とする限り、いつだって銀さんは傍にいるぜ。また直ぐに会えんだろ?」

 その物言いがあまりにもいつもと変わらなかったから。

「……そうだね」

 私が頷くと、銀さんはいつものように笑ってくれた。

2019/6/19 22;32
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