高杉晋助(現在16篇)

「今宵の月は美しいな」

晋助が、月を仰ぎ見ながら言った。

「じゃぁ月見酒でもする?月とお酒に酔いしれるってのも乙だしね」

と柄にもなく私が言えば、珍しく晋助が首を横に振る。

「…いや、今宵は月と…お前に酔うさ」

そう言った晋助の笑みは、月よりも妖しく美しかった。

20180120(土)17:01
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