君に誓う
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『本日11月22日は、数字の語呂合わせから【いい夫婦の日】と呼ばれています。ちなみに皆さんの中で【いい夫婦】とはどういうイメージなのでしょうか。今回はちょっと捻って、いい夫婦でいるためにお相手に求めるものを、街の人に聞いてみましょう』
銀時がいつものようにテレビを点けたまま、ソファに横たわってジャンプを読んでいると、特集コーナーの時間になった。普段ワイドショーは聞き流すか、結野アナのコーナーを観るくらいしかしない銀時が、今日は珍しくテレビに視線を移す。どうやらこの特集に、興味がわいたようだ。
レポーターが次々と道行く人に話を聞いていく。実際の夫婦から独身まで様々な人物にインタビューしていたが、その答えは皆似通っていた。
『常に自分を思ってくれる気持ち』
『苦しいときや困った時に寄り添ってくれる態度』
『自分を理解して、信頼してくれること』
ありがちな答えが並び、しばらくはテレビを観ていた銀時も、つまらなそうにあくびをする。やがて興味を失ったのか、再びジャンプに視線を戻そうとした時だった。
「……は?」
思わず間の抜けた声を出す銀時。ジャンプを放り出して体を起こすと、テレビに駆け寄って画面を凝視した。
なぜならそこに映っていたのはーー。
「柚希?」
マイクを向けられて戸惑う柚希の姿だった。
銀時が画面を見つめる中、これまでの者達と同じく『貴方の考えるいい夫婦像として、お相手に求める物はなんですか?』と質問をされて考え込む柚希。だがすぐに、いつもの柔らかな笑みを浮かべて言った。
『私は、相手が生きてさえいてくれればそれで良いです』
『生きて……ですか。なんだか随分と重みのある答えですね。詳しく聞かせてもらえます?』
もっと気軽な答えが返ってくると思っていたのであろう。さすがに柚希の答えには面食らったようだが、そこはプロ。柚希の真意を引き出そうと、質問を続けた。
『詳しくと言われても……生きていてくれたら、何だってできるじゃないですか。生活にだらしなければ、身の回りの世話ができる。病気になれば、看病ができる。意見が違えば、喧嘩ができる。喜んでくれるかと、事ある毎にドキドキできる。傍にいれば……いつだって自分の想いを伝えられる。天パだろうが血糖値高めだろうが、とにかく生きていてくれる事が、私にとっての絶対条件です』
『天パって……なんだか随分と具体的ですね。事前インタビューではご結婚はなさっていないとの事でしたが、いい夫婦の関係になりたい、意中のお相手がいらっしゃるのかしら?』
柚希の言葉に溶け込んだ思いを読み取ったレポーターが興味深げに訊ね、更にマイクを近付ける。それに合わせて、レポーターと二人並んだ姿を映していたカメラも、柚希一人の顔を大きく映した。
『あ、いえ、その、私はただ……』
予想外の質問に、顔を真っ赤にして慌てる柚希。そんな柚希をカメラは数秒映していたが、時間になったのだろう。強引に話は打ち切られ、『以上、〇〇のコーナーでした』と画面が切り替わった。
銀時がいつものようにテレビを点けたまま、ソファに横たわってジャンプを読んでいると、特集コーナーの時間になった。普段ワイドショーは聞き流すか、結野アナのコーナーを観るくらいしかしない銀時が、今日は珍しくテレビに視線を移す。どうやらこの特集に、興味がわいたようだ。
レポーターが次々と道行く人に話を聞いていく。実際の夫婦から独身まで様々な人物にインタビューしていたが、その答えは皆似通っていた。
『常に自分を思ってくれる気持ち』
『苦しいときや困った時に寄り添ってくれる態度』
『自分を理解して、信頼してくれること』
ありがちな答えが並び、しばらくはテレビを観ていた銀時も、つまらなそうにあくびをする。やがて興味を失ったのか、再びジャンプに視線を戻そうとした時だった。
「……は?」
思わず間の抜けた声を出す銀時。ジャンプを放り出して体を起こすと、テレビに駆け寄って画面を凝視した。
なぜならそこに映っていたのはーー。
「柚希?」
マイクを向けられて戸惑う柚希の姿だった。
銀時が画面を見つめる中、これまでの者達と同じく『貴方の考えるいい夫婦像として、お相手に求める物はなんですか?』と質問をされて考え込む柚希。だがすぐに、いつもの柔らかな笑みを浮かべて言った。
『私は、相手が生きてさえいてくれればそれで良いです』
『生きて……ですか。なんだか随分と重みのある答えですね。詳しく聞かせてもらえます?』
もっと気軽な答えが返ってくると思っていたのであろう。さすがに柚希の答えには面食らったようだが、そこはプロ。柚希の真意を引き出そうと、質問を続けた。
『詳しくと言われても……生きていてくれたら、何だってできるじゃないですか。生活にだらしなければ、身の回りの世話ができる。病気になれば、看病ができる。意見が違えば、喧嘩ができる。喜んでくれるかと、事ある毎にドキドキできる。傍にいれば……いつだって自分の想いを伝えられる。天パだろうが血糖値高めだろうが、とにかく生きていてくれる事が、私にとっての絶対条件です』
『天パって……なんだか随分と具体的ですね。事前インタビューではご結婚はなさっていないとの事でしたが、いい夫婦の関係になりたい、意中のお相手がいらっしゃるのかしら?』
柚希の言葉に溶け込んだ思いを読み取ったレポーターが興味深げに訊ね、更にマイクを近付ける。それに合わせて、レポーターと二人並んだ姿を映していたカメラも、柚希一人の顔を大きく映した。
『あ、いえ、その、私はただ……』
予想外の質問に、顔を真っ赤にして慌てる柚希。そんな柚希をカメラは数秒映していたが、時間になったのだろう。強引に話は打ち切られ、『以上、〇〇のコーナーでした』と画面が切り替わった。