おかえり
名前変換はこちら
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
その日、珍しく真夜中に柚希の携帯が鳴った。
「こんな時間にすみません。急患です」
「分かったわ。すぐ行きます」
躊躇なく答えた柚希は、そっと布団を抜け出す。すぐ隣の布団では、いつものように間抜けな顔で眠りこけている銀時がいたが、どうやら柚希が起きたことには気付いていないようだ。
「シロが起きるまでには戻るからね」
そう言って銀時の頬に触れるだけのキスをした柚希は、「行ってきます」と囁いて万事屋を後にした。
そろそろ夜が明けようかという頃。少し疲れた顔をした柚希が万事屋に帰ってきた。音を立てないよう、細心の注意を払いながら部屋に入ると、出かけた時と変わらず銀時が眠っている。
「良かった、間に合って」
ホっと息を吐いた柚希は、「ただいま」と言って銀時の頬にキスを落とす。ところがそこで、一つの違和感に気付いた。
「冷たい……」
眠っていたはずの銀時の頬が冷たかったのだ。それはつまりーー。
「遅ェよ」
「やっぱり起きてたのね、シロ」
不機嫌そうにムクリと体を起こした銀時に、柚希が言う。確認しようと布団に手を差し込めば、やはり冷たくなっていた。
「いつから起きてたのよ。まさか私が出かけた時から?」
「ごそーぞーにお任せするわ。とりあえず銀さん眠いんだけど」
「ああ、ごめんね。もう一度寝直そっか」
ーー話は朝になってからにしよう。
大きくアクビをする銀時を見て、柚希は横になるよう促した。
「起こしちゃってごめんね。おやすみ」
そのまま自らも布団に入れば、一気に睡魔に襲われる。
重いまぶたに逆らわず、そのまま眠りに落ちようとしていると、不意に横から抱きしめられた。
「シロ……?」
「おかえり」
「……はい?」
「未だ言ってなかったからな。そんじゃ銀さん寝るわ。おやすみ〜」
そう言った数秒後にはもう、寝息を立て始める。
「こんなにも眠かったのに、起きて待っててくれたんだね……」
何故そこまでして起きていたのか。柚希にはその理由が分かっているから。嬉しそうに微笑んだ柚希は、気持ち良さそうに眠る銀時に向けて言った。
「ただいま。そしてーーありがとう」
〜了〜
「こんな時間にすみません。急患です」
「分かったわ。すぐ行きます」
躊躇なく答えた柚希は、そっと布団を抜け出す。すぐ隣の布団では、いつものように間抜けな顔で眠りこけている銀時がいたが、どうやら柚希が起きたことには気付いていないようだ。
「シロが起きるまでには戻るからね」
そう言って銀時の頬に触れるだけのキスをした柚希は、「行ってきます」と囁いて万事屋を後にした。
そろそろ夜が明けようかという頃。少し疲れた顔をした柚希が万事屋に帰ってきた。音を立てないよう、細心の注意を払いながら部屋に入ると、出かけた時と変わらず銀時が眠っている。
「良かった、間に合って」
ホっと息を吐いた柚希は、「ただいま」と言って銀時の頬にキスを落とす。ところがそこで、一つの違和感に気付いた。
「冷たい……」
眠っていたはずの銀時の頬が冷たかったのだ。それはつまりーー。
「遅ェよ」
「やっぱり起きてたのね、シロ」
不機嫌そうにムクリと体を起こした銀時に、柚希が言う。確認しようと布団に手を差し込めば、やはり冷たくなっていた。
「いつから起きてたのよ。まさか私が出かけた時から?」
「ごそーぞーにお任せするわ。とりあえず銀さん眠いんだけど」
「ああ、ごめんね。もう一度寝直そっか」
ーー話は朝になってからにしよう。
大きくアクビをする銀時を見て、柚希は横になるよう促した。
「起こしちゃってごめんね。おやすみ」
そのまま自らも布団に入れば、一気に睡魔に襲われる。
重いまぶたに逆らわず、そのまま眠りに落ちようとしていると、不意に横から抱きしめられた。
「シロ……?」
「おかえり」
「……はい?」
「未だ言ってなかったからな。そんじゃ銀さん寝るわ。おやすみ〜」
そう言った数秒後にはもう、寝息を立て始める。
「こんなにも眠かったのに、起きて待っててくれたんだね……」
何故そこまでして起きていたのか。柚希にはその理由が分かっているから。嬉しそうに微笑んだ柚希は、気持ち良さそうに眠る銀時に向けて言った。
「ただいま。そしてーーありがとう」
〜了〜