変わらないもの
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もう直ぐ元号が変わろうとしている。
万事屋では、新八と神楽がテレビに釘付けになっていた。
ソファに座っている銀時と柚希は、そんな子供達の後ろ姿に目を細めながら談笑している。
そしていよいよカウントダウンの時。
テレビに合わせてカウントしている子供達と共に、10からカウントしていた柚希だったが、3まで数えたところで突如強い力が柚希を引っ張った。
「……っ!?」
声を上げる間も無く感じた唇の熱が、銀時に与えられた物だと気付くと同時に聞こえてきたのはーー。
『たった今、新しい元号となりました!』
花野アナの興奮した力強い声と、離れた熱に代わって目の前にある銀時の優しい眼差しが妙にチグハグで、柚希は思わず笑ってしまう。
「もう、シロってば」
「別に良いだろ。お前の一番近くで新しい時代を迎えたかったんだからよ」
「ん……分かってるよ」
そう言ってニコリと笑った柚希に再び銀時が唇を重ねると、テレビの方を向いたままの子供達の囁き声が聞こえてきた。
「新しい時代でも、銀さんの手の早さは変わらないよね。テレビに映り込んでる事に気付かないマヌケっぷりも変わらずだし」
「当たり前ネ。銀ちゃんの柚希を見る目はいつだってスケベ心丸出しヨ」
「良い年なんだから、もう少し欲を抑えられても良いと思うんだけどなァ」
「仕方ないアル。天パだって股間は真っ直ぐヨ。立てたテントを柚希が倒すまでは終わらないネ」
「……黙って聞いてりゃ好き勝手言いやがって……特に神楽! お前ってヤツは……ッ!」
「うわぁっ!」
「図星突かれて怒るなんて、サイテーの大人ヨー!」
柚希をソファに残したまま、顔を真っ赤にして新八と神楽を追いかけ回す銀時。それは時代が変わっても全く変わる事のない、いつもの万事屋の姿だった。
「大きな変化があったはずなのに、ココは何にも変わらないなぁ」
走り回る銀時たちの姿に呆れながらも嬉しそうに呟いた柚希に、銀時が言う。
「当たり前だろ」
そして新八と神楽を捕まえると、二人を両脇に抱えて柚希の目の前に立った。
「俺たちは何も変わりゃしねェよ」
銀時がニッと笑い、釣られて新八と神楽が笑う。その笑顔は間違いなく不変のものだった。
「ん……」
銀時の言葉にコクリと頷いた柚希は、銀時と同じように新八と神楽の肩に手を回す。子供達の背中越しに触れた銀時の手が、柚希に指を絡めた。
指先から幼い頃と変わらぬ優しさが伝わってきて、柚希の笑みが深くなる。
時代は新しくなっても、万事屋とその仲間たちが変わることはない。それを確信した柚希の心は今、大きな幸せに満たされていた。
〜了〜
万事屋では、新八と神楽がテレビに釘付けになっていた。
ソファに座っている銀時と柚希は、そんな子供達の後ろ姿に目を細めながら談笑している。
そしていよいよカウントダウンの時。
テレビに合わせてカウントしている子供達と共に、10からカウントしていた柚希だったが、3まで数えたところで突如強い力が柚希を引っ張った。
「……っ!?」
声を上げる間も無く感じた唇の熱が、銀時に与えられた物だと気付くと同時に聞こえてきたのはーー。
『たった今、新しい元号となりました!』
花野アナの興奮した力強い声と、離れた熱に代わって目の前にある銀時の優しい眼差しが妙にチグハグで、柚希は思わず笑ってしまう。
「もう、シロってば」
「別に良いだろ。お前の一番近くで新しい時代を迎えたかったんだからよ」
「ん……分かってるよ」
そう言ってニコリと笑った柚希に再び銀時が唇を重ねると、テレビの方を向いたままの子供達の囁き声が聞こえてきた。
「新しい時代でも、銀さんの手の早さは変わらないよね。テレビに映り込んでる事に気付かないマヌケっぷりも変わらずだし」
「当たり前ネ。銀ちゃんの柚希を見る目はいつだってスケベ心丸出しヨ」
「良い年なんだから、もう少し欲を抑えられても良いと思うんだけどなァ」
「仕方ないアル。天パだって股間は真っ直ぐヨ。立てたテントを柚希が倒すまでは終わらないネ」
「……黙って聞いてりゃ好き勝手言いやがって……特に神楽! お前ってヤツは……ッ!」
「うわぁっ!」
「図星突かれて怒るなんて、サイテーの大人ヨー!」
柚希をソファに残したまま、顔を真っ赤にして新八と神楽を追いかけ回す銀時。それは時代が変わっても全く変わる事のない、いつもの万事屋の姿だった。
「大きな変化があったはずなのに、ココは何にも変わらないなぁ」
走り回る銀時たちの姿に呆れながらも嬉しそうに呟いた柚希に、銀時が言う。
「当たり前だろ」
そして新八と神楽を捕まえると、二人を両脇に抱えて柚希の目の前に立った。
「俺たちは何も変わりゃしねェよ」
銀時がニッと笑い、釣られて新八と神楽が笑う。その笑顔は間違いなく不変のものだった。
「ん……」
銀時の言葉にコクリと頷いた柚希は、銀時と同じように新八と神楽の肩に手を回す。子供達の背中越しに触れた銀時の手が、柚希に指を絡めた。
指先から幼い頃と変わらぬ優しさが伝わってきて、柚希の笑みが深くなる。
時代は新しくなっても、万事屋とその仲間たちが変わることはない。それを確信した柚希の心は今、大きな幸せに満たされていた。
〜了〜