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お登勢の遣いで買い物に出た柚希と銀時は、桜並木を歩いていた。
「もう桜の時期も終わるね。寂しくなっちゃうなぁ」
柚希が桜の木を見上げながら言う。既に半分ほど葉桜となった木々は、残った花が少しずつ花びらを散らし、柚希を包みこむように舞っていた。
その光景を優しい眼差しで見つめながらも「ああ、そうだな」と気怠げに答えた銀時だったが、柚希に
「シロってば情緒がなーい!」
と口を尖らせて言われ、小さく笑う。それを見た柚希がムッとして頬を膨らませると、銀時の笑みは更に深くなった。
「何で笑ってるのよ。私、何かおかしな事言った?」
眉間にしわを寄せて銀時を睨みながら言う柚希。だが、ヒラヒラと舞う桜の花びらも気になるようで、銀時を睨みながらもちょくちょくその視線が動いているから。
「おかしな事は言ってねーよ。してはいるけどな」
銀時は堪えきれずにククッと喉で笑うと、柚希の頭に手を置き、グイと自分の胸元に引き寄せた。
「え……!?」
慌てる柚希をギュッと抱きしめた銀時は、そっと柚希の頭にキスを落とす。
「桜は散っても、こうして銀さんがいるから寂しくねーだろ」
「それとこれとは……」
「桜が散っても変わらず俺は傍にいるし、来年の桜が咲いて散ってもまたその次の桜を一緒に待てば良い。寂しいだなんて言ってられねーくらい、いつだって傍にいてやっからよ」
「シロ……!」
銀時の言葉にゆっくりと顔を上げれば、静かに桜を見上げている銀時。だがその頬は赤く染まっているのが分かった。
そんな銀時を見て、柚希は言う。
「やっぱり寂しいな」
それは予想していなかった答えらしく、驚きを隠せない銀時。しかし何故か寂しいと言ったはずの柚希の顔に浮かんでいたのは、幸せそうな笑みだった。
「柚希?」
桜から柚希へと視線を移し、そのチグハグな反応に戸惑う銀時に返ってきたのはーー。
「どんなに桜が満開でも、シロが私を見ていてくれなきゃ……寂しいんだよ」
〜了〜
「もう桜の時期も終わるね。寂しくなっちゃうなぁ」
柚希が桜の木を見上げながら言う。既に半分ほど葉桜となった木々は、残った花が少しずつ花びらを散らし、柚希を包みこむように舞っていた。
その光景を優しい眼差しで見つめながらも「ああ、そうだな」と気怠げに答えた銀時だったが、柚希に
「シロってば情緒がなーい!」
と口を尖らせて言われ、小さく笑う。それを見た柚希がムッとして頬を膨らませると、銀時の笑みは更に深くなった。
「何で笑ってるのよ。私、何かおかしな事言った?」
眉間にしわを寄せて銀時を睨みながら言う柚希。だが、ヒラヒラと舞う桜の花びらも気になるようで、銀時を睨みながらもちょくちょくその視線が動いているから。
「おかしな事は言ってねーよ。してはいるけどな」
銀時は堪えきれずにククッと喉で笑うと、柚希の頭に手を置き、グイと自分の胸元に引き寄せた。
「え……!?」
慌てる柚希をギュッと抱きしめた銀時は、そっと柚希の頭にキスを落とす。
「桜は散っても、こうして銀さんがいるから寂しくねーだろ」
「それとこれとは……」
「桜が散っても変わらず俺は傍にいるし、来年の桜が咲いて散ってもまたその次の桜を一緒に待てば良い。寂しいだなんて言ってられねーくらい、いつだって傍にいてやっからよ」
「シロ……!」
銀時の言葉にゆっくりと顔を上げれば、静かに桜を見上げている銀時。だがその頬は赤く染まっているのが分かった。
そんな銀時を見て、柚希は言う。
「やっぱり寂しいな」
それは予想していなかった答えらしく、驚きを隠せない銀時。しかし何故か寂しいと言ったはずの柚希の顔に浮かんでいたのは、幸せそうな笑みだった。
「柚希?」
桜から柚希へと視線を移し、そのチグハグな反応に戸惑う銀時に返ってきたのはーー。
「どんなに桜が満開でも、シロが私を見ていてくれなきゃ……寂しいんだよ」
〜了〜