海辺の告白
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その日もいつも通りの朝だった。
窓から差し込む光の眩しさに耐えかねた銀時は頭まで布団をかぶり、二度寝の体勢に入る。
このとろとろと微睡む時間はお気に入りであり、至福の時だ。
しかしその幸せも、今朝は長くは続かない。
「いつまで寝てるアルか、銀ちゃん! さっさと起きるネ!」
敷布団が勢いよく引き抜かれ、銀時の体が宙に浮く。
「べふォァッ!?」
突然天井に顔面から叩きつけられ、そのままの形で畳に落ちた銀時は、何が起こったのか分からずに目を見開いて暫く固まっていた。
「未だ寝てるアルか? どんだけ寝穢いネ。こんな美少女が優しく起こしてやってるのに寝続けようとするなんて、とんだ罰当たりヨ」
そう言って真上から覗き込み、チョキの手で目を狙ってくる神楽を認識した銀時が慌てて体を起こす。
「何すんだ神楽ッ! 優しく起こしてるだァ? むしろ永遠の眠りに就かせようとしてんじゃねーか。そもそも美少女が目つぶしなんざ狙うかってんだよ!」
「目が覚めないなら、直接目に刺激を与えてあげようとしてただけアル。銀ちゃんってば穿った見方をし過ぎネ」
「お前はもう少し俺を大事に扱ってみろってんだ! ったく……人がせっかく気持ち良く寝てたってのによォ」
ふわぁ、と大きくあくびをした銀時は寝ぐせの付いた頭をガシガシとかき回すと、眠気覚ましにいちご牛乳を飲むため台所へと向かう。
その時、ふわりと優しい匂いが鼻孔をくすぐった。
「今朝の飯当番は柚希だったっけか?」
自分も料理が出来ないわけでは無いが、銀時にとってはやはり誰かが作ってくれる方が嬉しい。特に柚希は自分の好みを熟知してくれている為、美味しさもひとしおだった。
一瞬で眠気は吹っ飛び、表情には出さないが胸の内では浮かれながら台所を覗く。
「よォ、今日のメニューは何?」
「あ、シロ、おはよ。今朝はサンドイッチが作ってあるよ」
「そっか。でもこの匂いはサンドイッチじゃねェよな? っつーか何だよこのでっかい弁当は」
いつもとは違う台所の光景に、銀時は目を丸くする。そこには折り畳みのテーブルが持ち込まれ、いくつもの重箱が並べられていた。中には半分以上おかずが詰め込まれている。
「もう、ちょっと前に言ったでしょ? 今日は潮干狩りに出かけるって」
「潮干狩りだァ?……そういやそんな事言ってたっけか」
「やっぱり忘れてたんだね。どうりで夕べも遅くまで飲んでたわけだ。今朝も私が何回声をかけても起きないんだもん。最終手段で神楽ちゃんにお願いしたんだよ」
「いやそれ止めてもらって良いですかァ? 起きる以前にそのまま永眠させられそうだったんだぜ」
喋りながらもたこさんウインナーを炒めている柚希の後ろに回り、背中越しに抱きしめた銀時はそっと柚希の頬に口付けた。
「柚希が銀さんの布団に潜り込んできてくれれば、一発で起きれるんだけどね。まァ一発じゃ足んなくて二発三発になっちまうって事も考えられっけど」
柚希の耳元で息を吹きかけながら囁くように言い、ついでに軽く耳朶を噛む。全身をゾクリとしたものが走り、思わず小さく「んっ……」と声をあげてしまったが、台所に近付いてくる気配が柚希の理性を保った。
「はいはい、朝から下ネタはいりません」
少し頬を赤らめながらもキレイに足の反り返ったウインナーを一つ箸で摘まんだ柚希は、銀時の口に突っ込んでやる。
「うぁっちィ!」
と叫んで柚希から離れた銀時は、口を押えて転げまわっていた。
それでもウインナーを吐き出す事無く、きちんと食べきったのは立派なものだ。
「あー、銀ちゃんずるいネ。私も味見したいアル」
タイミング良く柚希の理性を保ってくれた神楽が駆け寄ってくる。ぷうっと頬を膨らませている顔があまりに可愛くて、柚希は笑いながら小皿に一つウインナーを乗せて渡してやった。
「数が足りなくなっちゃうから、これだけだよ」
「はーい」
アツアツのウインナーを適温まで冷まし、幸せそうに口に放り込む神楽の向こう側には不貞腐れた銀時と、呆れながらも羨ましそうな顔をした、出勤直後の新八の顔。
それを見た柚希は更に笑みを深めると、新八を手招きした。
窓から差し込む光の眩しさに耐えかねた銀時は頭まで布団をかぶり、二度寝の体勢に入る。
このとろとろと微睡む時間はお気に入りであり、至福の時だ。
しかしその幸せも、今朝は長くは続かない。
「いつまで寝てるアルか、銀ちゃん! さっさと起きるネ!」
敷布団が勢いよく引き抜かれ、銀時の体が宙に浮く。
「べふォァッ!?」
突然天井に顔面から叩きつけられ、そのままの形で畳に落ちた銀時は、何が起こったのか分からずに目を見開いて暫く固まっていた。
「未だ寝てるアルか? どんだけ寝穢いネ。こんな美少女が優しく起こしてやってるのに寝続けようとするなんて、とんだ罰当たりヨ」
そう言って真上から覗き込み、チョキの手で目を狙ってくる神楽を認識した銀時が慌てて体を起こす。
「何すんだ神楽ッ! 優しく起こしてるだァ? むしろ永遠の眠りに就かせようとしてんじゃねーか。そもそも美少女が目つぶしなんざ狙うかってんだよ!」
「目が覚めないなら、直接目に刺激を与えてあげようとしてただけアル。銀ちゃんってば穿った見方をし過ぎネ」
「お前はもう少し俺を大事に扱ってみろってんだ! ったく……人がせっかく気持ち良く寝てたってのによォ」
ふわぁ、と大きくあくびをした銀時は寝ぐせの付いた頭をガシガシとかき回すと、眠気覚ましにいちご牛乳を飲むため台所へと向かう。
その時、ふわりと優しい匂いが鼻孔をくすぐった。
「今朝の飯当番は柚希だったっけか?」
自分も料理が出来ないわけでは無いが、銀時にとってはやはり誰かが作ってくれる方が嬉しい。特に柚希は自分の好みを熟知してくれている為、美味しさもひとしおだった。
一瞬で眠気は吹っ飛び、表情には出さないが胸の内では浮かれながら台所を覗く。
「よォ、今日のメニューは何?」
「あ、シロ、おはよ。今朝はサンドイッチが作ってあるよ」
「そっか。でもこの匂いはサンドイッチじゃねェよな? っつーか何だよこのでっかい弁当は」
いつもとは違う台所の光景に、銀時は目を丸くする。そこには折り畳みのテーブルが持ち込まれ、いくつもの重箱が並べられていた。中には半分以上おかずが詰め込まれている。
「もう、ちょっと前に言ったでしょ? 今日は潮干狩りに出かけるって」
「潮干狩りだァ?……そういやそんな事言ってたっけか」
「やっぱり忘れてたんだね。どうりで夕べも遅くまで飲んでたわけだ。今朝も私が何回声をかけても起きないんだもん。最終手段で神楽ちゃんにお願いしたんだよ」
「いやそれ止めてもらって良いですかァ? 起きる以前にそのまま永眠させられそうだったんだぜ」
喋りながらもたこさんウインナーを炒めている柚希の後ろに回り、背中越しに抱きしめた銀時はそっと柚希の頬に口付けた。
「柚希が銀さんの布団に潜り込んできてくれれば、一発で起きれるんだけどね。まァ一発じゃ足んなくて二発三発になっちまうって事も考えられっけど」
柚希の耳元で息を吹きかけながら囁くように言い、ついでに軽く耳朶を噛む。全身をゾクリとしたものが走り、思わず小さく「んっ……」と声をあげてしまったが、台所に近付いてくる気配が柚希の理性を保った。
「はいはい、朝から下ネタはいりません」
少し頬を赤らめながらもキレイに足の反り返ったウインナーを一つ箸で摘まんだ柚希は、銀時の口に突っ込んでやる。
「うぁっちィ!」
と叫んで柚希から離れた銀時は、口を押えて転げまわっていた。
それでもウインナーを吐き出す事無く、きちんと食べきったのは立派なものだ。
「あー、銀ちゃんずるいネ。私も味見したいアル」
タイミング良く柚希の理性を保ってくれた神楽が駆け寄ってくる。ぷうっと頬を膨らませている顔があまりに可愛くて、柚希は笑いながら小皿に一つウインナーを乗せて渡してやった。
「数が足りなくなっちゃうから、これだけだよ」
「はーい」
アツアツのウインナーを適温まで冷まし、幸せそうに口に放り込む神楽の向こう側には不貞腐れた銀時と、呆れながらも羨ましそうな顔をした、出勤直後の新八の顔。
それを見た柚希は更に笑みを深めると、新八を手招きした。
