桜ノ色ハ血ノ色(アスラン)【全38P完結】
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その日は朝から寒かった。ぼんやりとした目をこすりながら見れば、吐く息は白い。
午前7時。起床時間に合わせてタイマーを合わせていた暖房も、まだ部屋を暖めきるには至っていなかった。
そんな寒さに身を震わせながらもアスランはガウンを羽織ると、ゆっくりとベッドから抜け出してカーテンを開けた。
「やっぱり」
明るい声が部屋に響く。アスランの目に映った物。それはーー。
「雪だ……!!」
いつも見慣れた景色とは全く違う、銀世界が窓の一面に広がっていた。
嬉しさのあまり、寒さも忘れてアスランは家を飛び出す。足首まで埋まるほどに詰まった雪は、さくさくと音を立てながら足跡を生み出していった。
面白がって走り回れば、増え続ける足跡。滅多に降ることのない雪は、アスランの心をこれ以上なく弾ませている。
「あははははっ」
普段あまりはしゃぐという事をしない子供だったが、滅多にお目にかかれない雪に意外な一面を見せる。風邪をひくからいい加減家に戻りなさい、という母の言葉も受け流し、一人無邪気に走り回っていた。
と、そこにいきなり飛んできた白い固まり。
「うわっ!」
バシッという音と同時に上がった悲鳴はもちろんアスランのもの。
「な、何だ!?」
驚いて自分に当たった白い固まりを見るとそれは、雪玉だった。ぶつかったことで崩れた玉は、ぽとぽとと落ちて地面の雪の仲間となる。
「あはは、ナイスコントロール!」
そこに今度は声が飛んできた。それはここ最近、イヤと言うほど毎日聞いている声。
「サラ~~っ!!」
「は~い、おっはよ。アスラン! どう? 朝から私の運動神経、冴えてるっしょ?」
そこにはお腹を抱えてアスランを指さしながら笑っているサラの姿があった。
「何が冴えてるだ。いきなり雪を投げつけるなんて……」
無邪気な笑顔から一転、むっとした表情を見せるアスランに、ごめんごめんと笑顔を見せながら走り寄ってくるサラの頬は、少し紅潮している。
「だ~っていつも通り来てみたら、アスランが一人ではしゃいでたんだもん。せっかくだから一緒に遊ぼうと思って」
「だったら普通に声かけろよ」
「雪合戦は立派に戦いだもん! 戦いはいつでも真剣勝負よ! スキを見せた方が悪い!」
「戦いってそんな大げさな。それに俺は、雪合戦なんてしたくない」
「え~~~! 雪が積もったら雪合戦。これ常識じゃ~ん」
「それはサラだけの常識だろ?」
「ぶーぶー!」
「拗ねたってやらないぞ」
「……お・ね・が・い。キラキラ」
「かわいこぶっても駄目。って言うか、自ら『キラキラ』なんて普通言うかよ」
「ちぇ~~っ! ケチ~!!」
「あのなぁ」
サラの数々の言動にがっくりと肩を落とすアスラン。しかもそこへ、
「わっ!」
再び投げつけられる雪の玉。
「油断大敵!」
サラによってペースを乱されたアスランの顔に見事ヒットした玉は、ぽふっと音を立てて崩れる。肌の熱を奪い、溶けて流れた水滴が地に落ちる頃にはもう、アスランの体は動いていた。
「サラ……お前って奴は~~!」
「きゃ~~っ」
サラを襲ったのは、アスランの手より放たれた雪の玉。ぎりぎりの所で交わされた玉は、そのまま重力に引っ張られて地に落ちた。「くっ!」と悔しそうに歯がみしたアスランだったが、すぐにまた雪をかき集め、手の中で固めていく。
既にアスランは、サラのペースに乗せられてしまっていた。
「へへーん、残念でした~」
「こんの~~!!」
再び投げられる雪玉。
それを軽くかわし、慣れた手つきで投げ返すサラ。
いくつもの玉が飛び交い、ぶつかり、笑顔を誘う。二人はいつしか夢中になり、時を忘れるほどにのめり込んでいた。
午前7時。起床時間に合わせてタイマーを合わせていた暖房も、まだ部屋を暖めきるには至っていなかった。
そんな寒さに身を震わせながらもアスランはガウンを羽織ると、ゆっくりとベッドから抜け出してカーテンを開けた。
「やっぱり」
明るい声が部屋に響く。アスランの目に映った物。それはーー。
「雪だ……!!」
いつも見慣れた景色とは全く違う、銀世界が窓の一面に広がっていた。
嬉しさのあまり、寒さも忘れてアスランは家を飛び出す。足首まで埋まるほどに詰まった雪は、さくさくと音を立てながら足跡を生み出していった。
面白がって走り回れば、増え続ける足跡。滅多に降ることのない雪は、アスランの心をこれ以上なく弾ませている。
「あははははっ」
普段あまりはしゃぐという事をしない子供だったが、滅多にお目にかかれない雪に意外な一面を見せる。風邪をひくからいい加減家に戻りなさい、という母の言葉も受け流し、一人無邪気に走り回っていた。
と、そこにいきなり飛んできた白い固まり。
「うわっ!」
バシッという音と同時に上がった悲鳴はもちろんアスランのもの。
「な、何だ!?」
驚いて自分に当たった白い固まりを見るとそれは、雪玉だった。ぶつかったことで崩れた玉は、ぽとぽとと落ちて地面の雪の仲間となる。
「あはは、ナイスコントロール!」
そこに今度は声が飛んできた。それはここ最近、イヤと言うほど毎日聞いている声。
「サラ~~っ!!」
「は~い、おっはよ。アスラン! どう? 朝から私の運動神経、冴えてるっしょ?」
そこにはお腹を抱えてアスランを指さしながら笑っているサラの姿があった。
「何が冴えてるだ。いきなり雪を投げつけるなんて……」
無邪気な笑顔から一転、むっとした表情を見せるアスランに、ごめんごめんと笑顔を見せながら走り寄ってくるサラの頬は、少し紅潮している。
「だ~っていつも通り来てみたら、アスランが一人ではしゃいでたんだもん。せっかくだから一緒に遊ぼうと思って」
「だったら普通に声かけろよ」
「雪合戦は立派に戦いだもん! 戦いはいつでも真剣勝負よ! スキを見せた方が悪い!」
「戦いってそんな大げさな。それに俺は、雪合戦なんてしたくない」
「え~~~! 雪が積もったら雪合戦。これ常識じゃ~ん」
「それはサラだけの常識だろ?」
「ぶーぶー!」
「拗ねたってやらないぞ」
「……お・ね・が・い。キラキラ」
「かわいこぶっても駄目。って言うか、自ら『キラキラ』なんて普通言うかよ」
「ちぇ~~っ! ケチ~!!」
「あのなぁ」
サラの数々の言動にがっくりと肩を落とすアスラン。しかもそこへ、
「わっ!」
再び投げつけられる雪の玉。
「油断大敵!」
サラによってペースを乱されたアスランの顔に見事ヒットした玉は、ぽふっと音を立てて崩れる。肌の熱を奪い、溶けて流れた水滴が地に落ちる頃にはもう、アスランの体は動いていた。
「サラ……お前って奴は~~!」
「きゃ~~っ」
サラを襲ったのは、アスランの手より放たれた雪の玉。ぎりぎりの所で交わされた玉は、そのまま重力に引っ張られて地に落ちた。「くっ!」と悔しそうに歯がみしたアスランだったが、すぐにまた雪をかき集め、手の中で固めていく。
既にアスランは、サラのペースに乗せられてしまっていた。
「へへーん、残念でした~」
「こんの~~!!」
再び投げられる雪玉。
それを軽くかわし、慣れた手つきで投げ返すサラ。
いくつもの玉が飛び交い、ぶつかり、笑顔を誘う。二人はいつしか夢中になり、時を忘れるほどにのめり込んでいた。
