桜ノ色ハ血ノ色(アスラン)【全38P完結】
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3日という時間はあっという間に過ぎていき。再びサラの眼前でのシミュレーションが行われた。
さすがに選りすぐりの者達だけあって目覚ましい向上が見えたものの、サラにとっては未だ不満が残るらしい。
「私は今日までに2分で書き換えが出来るようになっておけと言いましたよね。誰一人それをクリアできていない上に、弱点も相変わらず残したまま。そんな事では実戦参加は不可能ね」
以前にも増して冷たい表情で言い放つサラに、相変わらず反論できない少年達。実際のところ、どれだけ訓練しても、まだ4分をきる事できてはいなかった。
「最初とは解析コードが違うところもあるけれど、こんな物はまだ序の口です。開発プログラムは日々変化する物。この程度で対応できないようでは、お話にならないわ」
「だったら貴様がやって見せてみろ!」
罵られるばかりでは腹も立つ。我慢の限界に来たのか、イザークが言った。
「私が? それはかまわないけれど、このシミュレーターの開発者は私よ?」
「それでもかまわん! 俺達にあそこまで言える貴様の実力、今目の前で見せてみろ!」
「あ、俺もそれさんせ~い」
ディアッカが、面白そうな事になってきたと手を挙げる。アスラン達は顔を見合わせていたが、せっかくなら、と無言で頷いた。
「分かりました」
『仕方ないな』
あからさまにそんな表情を見せながら、サラが言う。
「それじゃ、さっき出来たばかりの新しいプログラムを書き換えてみましょうか。どの程度の物かが分かりやすいように……そうね、今回の成績が一番だった人と一緒にシミュレーションするわ」
「……」
無言で手を挙げたのは、アスラン。
「さっきとはまた少しプログラムが変わっているわ。せいぜい頑張ってちょうだい」
「分かった」
了承の言葉を紡ぎながら、何かを言いたげな表情のアスランを横目に、サラは目の前のシミュレーションボックスへと入っていく。アスランもそれに続き、隣のボックスへと入った。
「それじゃ始めましょうか。30秒後にオートスタートで。良いわね?」
早速回線を開いたサラが、アスランに伝える。
『了解した』
計器類の電源を入れながら答えるアスラン。その時はすぐに訪れ、始まってしまえばもう相手のことは念頭にない。サラは軽快にキーボードをたたき始めた。
「分かってしまっているプログラムを弄るのなんて、大したこと無いわ」
数秒後にはそんな呟きとともに、ほぼ書き換えの終わったプログラムが流れる。あとはこのキーを押せば終了。そんな気のゆるみが見えた時、それは起こった。
「え……!?」
エマージェンシーを告げるランプが点灯を始め、サラは思わず驚きの声を上げた。
「こんなプログラム、組んでないわ!」
今まで流れていたプログラムが、見たことのない物へと変化していく。慌てて解析を始めれば、気付かされるそれ。
「アスラン!!」
サラが凝視しているモニターに映し出されているのは、サラが予想だにしていなかった物だった。
「まさかこういう形で書き換えをするとはね……」
ーーハッキング
アスランは、回線を通してサラの使っているボックスのプログラムを書き換えたのだった。
それは簡単な物で、すぐに元に戻せる程度の物ではあったものの、効果は抜群で。しかもーー。
Even when it is now impossible(今は無理でも)
It looks again some day and shows(いつか見返してみせる)
Since he wants to approach you(君に近付きたいから)
By the state at that time(あの頃のように)
静止した画面に映し出された言葉。
「ど……して……」
必死にプログラムを元に戻しながら、言う。
「どうして……こんな事するのよ……っ!」
あっという間に戻されたプログラムに、もう先ほどの文字は無い。だがサラの心には、嫌と言うほど強く焼き付けられてしまっていた。
「あの頃の私の事なんて、忘れられていたと思ってたのに……」
書き換えが終了する。
38秒という記録が、スコア表の一番上で点滅していた。
さすがに選りすぐりの者達だけあって目覚ましい向上が見えたものの、サラにとっては未だ不満が残るらしい。
「私は今日までに2分で書き換えが出来るようになっておけと言いましたよね。誰一人それをクリアできていない上に、弱点も相変わらず残したまま。そんな事では実戦参加は不可能ね」
以前にも増して冷たい表情で言い放つサラに、相変わらず反論できない少年達。実際のところ、どれだけ訓練しても、まだ4分をきる事できてはいなかった。
「最初とは解析コードが違うところもあるけれど、こんな物はまだ序の口です。開発プログラムは日々変化する物。この程度で対応できないようでは、お話にならないわ」
「だったら貴様がやって見せてみろ!」
罵られるばかりでは腹も立つ。我慢の限界に来たのか、イザークが言った。
「私が? それはかまわないけれど、このシミュレーターの開発者は私よ?」
「それでもかまわん! 俺達にあそこまで言える貴様の実力、今目の前で見せてみろ!」
「あ、俺もそれさんせ~い」
ディアッカが、面白そうな事になってきたと手を挙げる。アスラン達は顔を見合わせていたが、せっかくなら、と無言で頷いた。
「分かりました」
『仕方ないな』
あからさまにそんな表情を見せながら、サラが言う。
「それじゃ、さっき出来たばかりの新しいプログラムを書き換えてみましょうか。どの程度の物かが分かりやすいように……そうね、今回の成績が一番だった人と一緒にシミュレーションするわ」
「……」
無言で手を挙げたのは、アスラン。
「さっきとはまた少しプログラムが変わっているわ。せいぜい頑張ってちょうだい」
「分かった」
了承の言葉を紡ぎながら、何かを言いたげな表情のアスランを横目に、サラは目の前のシミュレーションボックスへと入っていく。アスランもそれに続き、隣のボックスへと入った。
「それじゃ始めましょうか。30秒後にオートスタートで。良いわね?」
早速回線を開いたサラが、アスランに伝える。
『了解した』
計器類の電源を入れながら答えるアスラン。その時はすぐに訪れ、始まってしまえばもう相手のことは念頭にない。サラは軽快にキーボードをたたき始めた。
「分かってしまっているプログラムを弄るのなんて、大したこと無いわ」
数秒後にはそんな呟きとともに、ほぼ書き換えの終わったプログラムが流れる。あとはこのキーを押せば終了。そんな気のゆるみが見えた時、それは起こった。
「え……!?」
エマージェンシーを告げるランプが点灯を始め、サラは思わず驚きの声を上げた。
「こんなプログラム、組んでないわ!」
今まで流れていたプログラムが、見たことのない物へと変化していく。慌てて解析を始めれば、気付かされるそれ。
「アスラン!!」
サラが凝視しているモニターに映し出されているのは、サラが予想だにしていなかった物だった。
「まさかこういう形で書き換えをするとはね……」
ーーハッキング
アスランは、回線を通してサラの使っているボックスのプログラムを書き換えたのだった。
それは簡単な物で、すぐに元に戻せる程度の物ではあったものの、効果は抜群で。しかもーー。
Even when it is now impossible(今は無理でも)
It looks again some day and shows(いつか見返してみせる)
Since he wants to approach you(君に近付きたいから)
By the state at that time(あの頃のように)
静止した画面に映し出された言葉。
「ど……して……」
必死にプログラムを元に戻しながら、言う。
「どうして……こんな事するのよ……っ!」
あっという間に戻されたプログラムに、もう先ほどの文字は無い。だがサラの心には、嫌と言うほど強く焼き付けられてしまっていた。
「あの頃の私の事なんて、忘れられていたと思ってたのに……」
書き換えが終了する。
38秒という記録が、スコア表の一番上で点滅していた。