桜ノ色ハ血ノ色(アスラン)【全38P完結】
名前変換はこちら
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「サラ!」
シミュレーションルームを出て、まずアスランがしたのはサラを探すこと。丁度右の廊下を曲がろうとしていた姿を見つけ、慌てて後を追いかける。
「サラ!」
再び叫びながら、サラを追って角を曲がるとーー。
「いない?」
そこにサラの姿は無かった。
一度曲がれば、あとは真っ直ぐな廊下しかないはずなのに。どこかの部屋に入った形跡もなく、おかしいなと首を傾げていると、
「ここよ」
突然後ろから声をかけられた。
「……っ!」
「私の気配にも気付けないようじゃ駄目ね。まだまだ訓練が足りない」
「サラ! いつの間に……」
前を行っていたはずのサラは、いつのまにかアスランの背後を取っていた。
「そんな事はどうでも良い事。何か用?」
「あ、あぁ」
サラと対面すると、いつも必ず自分のペースを乱されてしまう。落ち着いているはずのアスランも、彼女の前ではまだまだ子供扱いされているのと同じだった。
「さっきのOSだけど……」
「何か?」
「単刀直入に聞かせて欲しい。あの地球軍のMSのOSに、何故フユツキの名前があったのか」
「え……?」
ぴくりとサラの瞼が動く。全く予想していなかったその言葉は、サラに小さな同様を与えたらしい。
「それは一体?」
「こちらが聞きたい。OSを起動したとき、最初にプログラミングに関わったらしき人間の名前が流れてーー」
「確かに起動の際、プログラマーの名前が表示されるようにはなっているけれど、膨大な数の人名が、それこそ一瞬しか表示されないはず。それが見えたの?」
「偶然バグって画面が止まりさえしなければ、見えなかったと思う。丁度そこに『ケイジ・フユツキ』という名があった。このフユツキって、ひょっとしてサラ、君のーー」
「知りません」
答えは明快。ぴしゃりと一言返ってきた言葉は、アスランにその後の言葉を紡がせようとはしない。
「前にも言ったはずよ? 私は『フユツキ』という名前なんて知らない。人違いも甚だしいわ。バグがあった事は私のミスですから謝ります。でも、興味の対象を間違えられては困るわ」
「しかし……」
「そんな事を言っている暇があるのなら、少しでも実力を上げて。とろとろしてると他のメンバーにあっと言う間に置いていかれるわよ」
じろりと睨みつけられて、アスランが息を飲む。しかし、何故かアスランは引こうとしなかった。
「置いて行かれたら追いつけばいい。それよりも俺は、君の事が知りたい」
「……っ」
多分それは未だ、純粋な興味。
だがその言葉がいかにサラの心を揺り動かす物か。気付いていないからこそ、重い言葉。
「私の事を知ってどうするの?」
「分からない。分からないけど……」
アスランの瞳が、揺れた。
「気になるんだ。とても」
絡み合う視線。
アスランの視線は、何かを訴えるかのように。
サラの視線は、何かを覆い隠すかのように。
「ど……して……」
視線を交わしていたのはほんの数秒。そして先に視線を外したのは、サラだった。
「どうしてそんなこと……言うのよ……」
「サラ?」
「私は望んでいたけど……望んでない」
「……?」
「私に……構わないでっ!」
「あ、サラっ!」
突然叫ぶと、サラはアスランに背を向けて走り出した。慌ててアスランが手を伸ばすが、その手を軽くすり抜ける。
数秒後にはもう完全に姿は消えていた。
「サラ……」
残されたアスランは一人廊下に佇んだまま、何が起きたのか分からず、ただサラの走り去った方向を眺め続けていた。
シミュレーションルームを出て、まずアスランがしたのはサラを探すこと。丁度右の廊下を曲がろうとしていた姿を見つけ、慌てて後を追いかける。
「サラ!」
再び叫びながら、サラを追って角を曲がるとーー。
「いない?」
そこにサラの姿は無かった。
一度曲がれば、あとは真っ直ぐな廊下しかないはずなのに。どこかの部屋に入った形跡もなく、おかしいなと首を傾げていると、
「ここよ」
突然後ろから声をかけられた。
「……っ!」
「私の気配にも気付けないようじゃ駄目ね。まだまだ訓練が足りない」
「サラ! いつの間に……」
前を行っていたはずのサラは、いつのまにかアスランの背後を取っていた。
「そんな事はどうでも良い事。何か用?」
「あ、あぁ」
サラと対面すると、いつも必ず自分のペースを乱されてしまう。落ち着いているはずのアスランも、彼女の前ではまだまだ子供扱いされているのと同じだった。
「さっきのOSだけど……」
「何か?」
「単刀直入に聞かせて欲しい。あの地球軍のMSのOSに、何故フユツキの名前があったのか」
「え……?」
ぴくりとサラの瞼が動く。全く予想していなかったその言葉は、サラに小さな同様を与えたらしい。
「それは一体?」
「こちらが聞きたい。OSを起動したとき、最初にプログラミングに関わったらしき人間の名前が流れてーー」
「確かに起動の際、プログラマーの名前が表示されるようにはなっているけれど、膨大な数の人名が、それこそ一瞬しか表示されないはず。それが見えたの?」
「偶然バグって画面が止まりさえしなければ、見えなかったと思う。丁度そこに『ケイジ・フユツキ』という名があった。このフユツキって、ひょっとしてサラ、君のーー」
「知りません」
答えは明快。ぴしゃりと一言返ってきた言葉は、アスランにその後の言葉を紡がせようとはしない。
「前にも言ったはずよ? 私は『フユツキ』という名前なんて知らない。人違いも甚だしいわ。バグがあった事は私のミスですから謝ります。でも、興味の対象を間違えられては困るわ」
「しかし……」
「そんな事を言っている暇があるのなら、少しでも実力を上げて。とろとろしてると他のメンバーにあっと言う間に置いていかれるわよ」
じろりと睨みつけられて、アスランが息を飲む。しかし、何故かアスランは引こうとしなかった。
「置いて行かれたら追いつけばいい。それよりも俺は、君の事が知りたい」
「……っ」
多分それは未だ、純粋な興味。
だがその言葉がいかにサラの心を揺り動かす物か。気付いていないからこそ、重い言葉。
「私の事を知ってどうするの?」
「分からない。分からないけど……」
アスランの瞳が、揺れた。
「気になるんだ。とても」
絡み合う視線。
アスランの視線は、何かを訴えるかのように。
サラの視線は、何かを覆い隠すかのように。
「ど……して……」
視線を交わしていたのはほんの数秒。そして先に視線を外したのは、サラだった。
「どうしてそんなこと……言うのよ……」
「サラ?」
「私は望んでいたけど……望んでない」
「……?」
「私に……構わないでっ!」
「あ、サラっ!」
突然叫ぶと、サラはアスランに背を向けて走り出した。慌ててアスランが手を伸ばすが、その手を軽くすり抜ける。
数秒後にはもう完全に姿は消えていた。
「サラ……」
残されたアスランは一人廊下に佇んだまま、何が起きたのか分からず、ただサラの走り去った方向を眺め続けていた。
