Dear my fairy(ニコル)
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まずは一曲。プログラム通りの曲を演奏する。
曲を演奏し終え、客席から聞こえてくる拍手の中、私は必死に考えていた。
――どうすればニコルに私の気持ちが伝わる?
――どんな演奏なら、貴方の心を揺さぶることが出来る……?
ポーン
鍵盤を叩く。
ポーン
この何でもない音の一つ一つに心を込めて、貴方に伝えたい。私の心を。
あの曲の出だしはピアニッシシモ。小さなときめきと、少し臆病な部分を織り交ぜた所から始まる。
やがて急速に強く大きくなる想いはグリッサンド。出会った時のドキドキ感はフォルテシモ。そして、抱く思いはドルチェ。
これは、私が初めて聴いて好きになったニコルの曲。私の通称、『The fairy of sound』が生まれたきっかけとなった曲。
同じ曲でも、ニコルと私ではその表現が全く違う。でも……だからこそ、私の心が伝わるだろう。そう思って、私は思いきり弾いた。心の中にある全ての物を、音に乗せた。
――貴方が好きです
この気持ちを伝えるために。
「ブラボー!!」
曲を終えて数秒後、まず聞こえてきたのは会場からの声だった。
「ブラボー!」
「ブラボー!!」
声と同時に割れんばかりの拍手が鳴り響く。
驚きと喜びに呆然としている私の意識を取り戻してくれたのは、いつの間にか横に立っていたニコル。
「貴方の心、確かに僕に届きましたよ」
「ニコルさん……」
「僕たちの心、通じ合ったんですね。もし良かったら……この喜びをここで連弾という形で表してみませんか?」
「え……?」
一大決心で、伝えた想い。それはしっかりとニコルに受け止めて貰うことができたらしい。まだ全然信じられないけれど、つまりは両想いと言うこと。
「連……弾……?」
「憧れてたんですよ。サラさんの音とサラさん自身に。いつか一緒に貴女と同じ舞台で演奏したい。そうも思っていました。だから……いけませんか?」
「ううん! 是非お願いします!!」
素直に嬉しかった。ニコルほどの人が、私に憧れを持ってくれていた。そしてこれから、私の大切な人になってくれようとしている。
もうこうなると即答する以外考えられない。むしろこちらからお願いしたいほどの申し出。
私の返事ににっこりと笑ったニコルは、司会者に手をあげた。最初から私の返事が分かっていたかのように、当たり前のように進められる司会。
「何の曲が良いですか? サラさん」
「そうですね……」
私達はゆっくりとピアノの前に座った。そっと指を鍵盤に乗せ、ぽーんと一つ音を鳴らす。私が今から弾きたいと願う、あの曲の最初の音を。
「私の大好きな貴方の曲、『eternal』を」
先ほどは一人で弾いたこの曲。二人で弾くと、想像以上に新しい音が生まれてくる。
楽しかった。
この上なく。
嬉しかった。
涙が出そうなほどに。
演奏が終わると、暫く会場は無音状態だった。
拍手も罵声も何もない。しんと静まりかえったまま。
私とニコルが、不安そうに視線を合わせると……。
一斉に立ち上がる観客。
こんなに物凄いスタンディングオーベーションは初めてだった。思わずニコルの服を掴んで、興奮してしまう。そんな私と一緒に喜んでくれるニコル。
心が一つになった私達の演奏は、観客全てに何かしらの形で影響を与えたのだ。この演奏が後々まで語り継がれることになろうとは、その時の私達は全く予想もしてはいなかったが。
「音楽は人の心を和ませてくれる、まるで魔法のようなものですよね」
「そうね。だから私達は、どんな時でも音楽から離れることが出来ない」
「いつか一緒に連弾しましょうね。今日の連弾も良かったけど……もっともっと大きなコンサートホールで。二人だけのコンサートをしましょう」
「ええ、全ての人達の心に届く、素晴らしいコンサートにしましょう」
イベントの帰り道。ニコルの運転する車の中で、私達はそんな約束をした。
膨らむ希望に胸が躍る。こんなに幸せで良いのだろうか?
ニコル……私は、貴方が大好きです。
きっと、永遠に。
――これからずっと一緒にいようね。もっともっと素敵な音を生み出していこうね。
ニコルの横顔を見ながら、私は心の中でそう呟いていた。
曲を演奏し終え、客席から聞こえてくる拍手の中、私は必死に考えていた。
――どうすればニコルに私の気持ちが伝わる?
――どんな演奏なら、貴方の心を揺さぶることが出来る……?
ポーン
鍵盤を叩く。
ポーン
この何でもない音の一つ一つに心を込めて、貴方に伝えたい。私の心を。
あの曲の出だしはピアニッシシモ。小さなときめきと、少し臆病な部分を織り交ぜた所から始まる。
やがて急速に強く大きくなる想いはグリッサンド。出会った時のドキドキ感はフォルテシモ。そして、抱く思いはドルチェ。
これは、私が初めて聴いて好きになったニコルの曲。私の通称、『The fairy of sound』が生まれたきっかけとなった曲。
同じ曲でも、ニコルと私ではその表現が全く違う。でも……だからこそ、私の心が伝わるだろう。そう思って、私は思いきり弾いた。心の中にある全ての物を、音に乗せた。
――貴方が好きです
この気持ちを伝えるために。
「ブラボー!!」
曲を終えて数秒後、まず聞こえてきたのは会場からの声だった。
「ブラボー!」
「ブラボー!!」
声と同時に割れんばかりの拍手が鳴り響く。
驚きと喜びに呆然としている私の意識を取り戻してくれたのは、いつの間にか横に立っていたニコル。
「貴方の心、確かに僕に届きましたよ」
「ニコルさん……」
「僕たちの心、通じ合ったんですね。もし良かったら……この喜びをここで連弾という形で表してみませんか?」
「え……?」
一大決心で、伝えた想い。それはしっかりとニコルに受け止めて貰うことができたらしい。まだ全然信じられないけれど、つまりは両想いと言うこと。
「連……弾……?」
「憧れてたんですよ。サラさんの音とサラさん自身に。いつか一緒に貴女と同じ舞台で演奏したい。そうも思っていました。だから……いけませんか?」
「ううん! 是非お願いします!!」
素直に嬉しかった。ニコルほどの人が、私に憧れを持ってくれていた。そしてこれから、私の大切な人になってくれようとしている。
もうこうなると即答する以外考えられない。むしろこちらからお願いしたいほどの申し出。
私の返事ににっこりと笑ったニコルは、司会者に手をあげた。最初から私の返事が分かっていたかのように、当たり前のように進められる司会。
「何の曲が良いですか? サラさん」
「そうですね……」
私達はゆっくりとピアノの前に座った。そっと指を鍵盤に乗せ、ぽーんと一つ音を鳴らす。私が今から弾きたいと願う、あの曲の最初の音を。
「私の大好きな貴方の曲、『eternal』を」
先ほどは一人で弾いたこの曲。二人で弾くと、想像以上に新しい音が生まれてくる。
楽しかった。
この上なく。
嬉しかった。
涙が出そうなほどに。
演奏が終わると、暫く会場は無音状態だった。
拍手も罵声も何もない。しんと静まりかえったまま。
私とニコルが、不安そうに視線を合わせると……。
一斉に立ち上がる観客。
こんなに物凄いスタンディングオーベーションは初めてだった。思わずニコルの服を掴んで、興奮してしまう。そんな私と一緒に喜んでくれるニコル。
心が一つになった私達の演奏は、観客全てに何かしらの形で影響を与えたのだ。この演奏が後々まで語り継がれることになろうとは、その時の私達は全く予想もしてはいなかったが。
「音楽は人の心を和ませてくれる、まるで魔法のようなものですよね」
「そうね。だから私達は、どんな時でも音楽から離れることが出来ない」
「いつか一緒に連弾しましょうね。今日の連弾も良かったけど……もっともっと大きなコンサートホールで。二人だけのコンサートをしましょう」
「ええ、全ての人達の心に届く、素晴らしいコンサートにしましょう」
イベントの帰り道。ニコルの運転する車の中で、私達はそんな約束をした。
膨らむ希望に胸が躍る。こんなに幸せで良いのだろうか?
ニコル……私は、貴方が大好きです。
きっと、永遠に。
――これからずっと一緒にいようね。もっともっと素敵な音を生み出していこうね。
ニコルの横顔を見ながら、私は心の中でそう呟いていた。
