桜ノ色ハ血ノ色(アスラン)【全38P完結】
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「随分お暇そうね、皆さん」
「嫌味言いに来たんなら、もうお腹一杯だからいらねーよ」
ディアッカがすかさず切り返す。
「私は事実を述べたまで。何かをしたいのにさせてもらえない鬱憤が溜まっているように見えましたから」
「ま、確かにサラの言う通りだな」
表情も変えず言ってのけるサラに、ラスティが苦笑しながら答えた。
――そうでなくてもギスギスしてるこの状況に、爆弾落としてくれるなよ~、サラ!
心の中ではそんな言葉を紡ぎながら。
「俺達が暇だというのなら、貴様だってそうだろうが! 大体貴様、この数日全く姿を見せなかったが……何をしていた!?」
案の定、サラの姿が見えただけで小さな地雷は爆発してしまったらしい。早速イザークが、サラに噛みつき始めた。
「姿も見せずにぼんやりしていた腑抜けに言われたくはないな!」
「私は仕事をしていましたよ。寝る間も惜しんで、ね」
「仕事、だと?」
「ええ」
自分達には何も命令は与えられていないのに、何故サラにだけ?
そんな訝しげな表情を見せる少年達に、サラはふっと笑みを見せる。ただし口角を上げるだけの、まるで挑戦状を叩きつけるかのような笑み。
「ちょっと私に付き合ってみませんか。良い暇つぶしにはなると思いますけど」
「何で俺達が貴様に付き合わねばならん!」
「あら、だってお暇なんでしょう?」
「確かに今の僕達に任務は与えられていませんが……だからと言って好き勝手行動できるわけでもないんですよ」
「その辺は大丈夫。隊長公認ですから」
「隊長公認?」
「そして、クルーゼ隊副隊長からの命令でもある」
「副隊長?」
ますます訝しげな表情を見せる少年達に、サラは言った。
「本日付けでクルーゼ隊副隊長に任命されたサラ・グレンです。以後、私の命令はクルーゼ隊長の命令として頂きます」
「な……っ!」
「皆さんの只今からの行動は、私の管轄下で行われることとなります。では、これから10分後にシミュレーションルームに集合。以上」
開いた口が塞がらない少年達を残したまま、サラは颯爽とその場を去っていく。
頭の中が真っ白になったまま、アスラン、ニコル、イザーク、ディアッカ、そしてラスティは呆然と立ちつくしていた。
サラの姿が見えなくなってからきっちり3分後。
「な、な、な……何なんだあいつは~~~~っ!!」
イザークの叫びによって、アスラン達はようやく正気を取り戻すこととなる。
わけの分からぬまま、不安と苛立ちを抱きながらも彼らはシミュレーションルームへと足を運んだ。
既にサラはここに来て、何かをやっていたらしい。数人のオペレーターに指示を与え終わると、おもむろに一つのブースを指さした。
「皆さん集まりましたね。では早速シミュレーションを行います。あちらへ」
「はぁ?」
その姿を見せる度に、少年達に混乱を与えるサラ。再び彼女は、彼らに戸惑いの表情を浮かべさせた。
「別に驚くことでも無いと思いますが? シミュレーションルームでする事はただ一つ。シミュレーションでしょう?」
「確かにそうですが……今はこの部屋を使うなという伝達が来ていたはずなのでは?」
アスランが、まだ先ほどの戸惑いと驚きを残した表情のままで言う。が、サラはと言うと飄々としたもので。
「あぁ、それは私がここを貸し切りにしてもらってたからです。だから問題ありません」
「貸し切り、ですか?」
「シミュレーションルームって、個人で借りることが出来ちゃうんですねぇ」
アスランとニコルが、顔を見合わせる。
このシミュレーションルームは、ザフトの者達がいつでも自由に戦闘訓練できるようにと設置されている部屋だった。ザフトの中でも特に最新型の機械類を投入しており、その広さも尋常ではない。裕に500人を越える人員がシミュレーションを行えるこの部屋を借り切ってしまうというのは、信じがたい事で。
「本来この部屋を独占するには、それなりの人数を集めなくてはいけません。ですが今回は急を要したため、上に特別措置を取って頂きました」
「特別措置だと? やはり貴様、グレンの名を使って……」
「何とでも言えば良いわ。無駄口はここまで。各自シミュレーションボックスに入って下さい。あのブースの物ならどれでも構いません」
「……っ」
更に反論しようとしたイザークだったが、サラの眼差しに射すくめられ、チッと舌打ちしながらシミュレーションボックスの一つへ足を運んだ。
ニコル達も、同様に各々空いているボックスへと入る。最後にアスランが、一番手前のボックスへと入っていった。
扉を閉めると同時に、メインモニターの電源が点灯し、ボックス内が明るく照らし出される。いつものように通信回線を開くと、すぐさまサラの声が聞こえてきた。
「嫌味言いに来たんなら、もうお腹一杯だからいらねーよ」
ディアッカがすかさず切り返す。
「私は事実を述べたまで。何かをしたいのにさせてもらえない鬱憤が溜まっているように見えましたから」
「ま、確かにサラの言う通りだな」
表情も変えず言ってのけるサラに、ラスティが苦笑しながら答えた。
――そうでなくてもギスギスしてるこの状況に、爆弾落としてくれるなよ~、サラ!
心の中ではそんな言葉を紡ぎながら。
「俺達が暇だというのなら、貴様だってそうだろうが! 大体貴様、この数日全く姿を見せなかったが……何をしていた!?」
案の定、サラの姿が見えただけで小さな地雷は爆発してしまったらしい。早速イザークが、サラに噛みつき始めた。
「姿も見せずにぼんやりしていた腑抜けに言われたくはないな!」
「私は仕事をしていましたよ。寝る間も惜しんで、ね」
「仕事、だと?」
「ええ」
自分達には何も命令は与えられていないのに、何故サラにだけ?
そんな訝しげな表情を見せる少年達に、サラはふっと笑みを見せる。ただし口角を上げるだけの、まるで挑戦状を叩きつけるかのような笑み。
「ちょっと私に付き合ってみませんか。良い暇つぶしにはなると思いますけど」
「何で俺達が貴様に付き合わねばならん!」
「あら、だってお暇なんでしょう?」
「確かに今の僕達に任務は与えられていませんが……だからと言って好き勝手行動できるわけでもないんですよ」
「その辺は大丈夫。隊長公認ですから」
「隊長公認?」
「そして、クルーゼ隊副隊長からの命令でもある」
「副隊長?」
ますます訝しげな表情を見せる少年達に、サラは言った。
「本日付けでクルーゼ隊副隊長に任命されたサラ・グレンです。以後、私の命令はクルーゼ隊長の命令として頂きます」
「な……っ!」
「皆さんの只今からの行動は、私の管轄下で行われることとなります。では、これから10分後にシミュレーションルームに集合。以上」
開いた口が塞がらない少年達を残したまま、サラは颯爽とその場を去っていく。
頭の中が真っ白になったまま、アスラン、ニコル、イザーク、ディアッカ、そしてラスティは呆然と立ちつくしていた。
サラの姿が見えなくなってからきっちり3分後。
「な、な、な……何なんだあいつは~~~~っ!!」
イザークの叫びによって、アスラン達はようやく正気を取り戻すこととなる。
わけの分からぬまま、不安と苛立ちを抱きながらも彼らはシミュレーションルームへと足を運んだ。
既にサラはここに来て、何かをやっていたらしい。数人のオペレーターに指示を与え終わると、おもむろに一つのブースを指さした。
「皆さん集まりましたね。では早速シミュレーションを行います。あちらへ」
「はぁ?」
その姿を見せる度に、少年達に混乱を与えるサラ。再び彼女は、彼らに戸惑いの表情を浮かべさせた。
「別に驚くことでも無いと思いますが? シミュレーションルームでする事はただ一つ。シミュレーションでしょう?」
「確かにそうですが……今はこの部屋を使うなという伝達が来ていたはずなのでは?」
アスランが、まだ先ほどの戸惑いと驚きを残した表情のままで言う。が、サラはと言うと飄々としたもので。
「あぁ、それは私がここを貸し切りにしてもらってたからです。だから問題ありません」
「貸し切り、ですか?」
「シミュレーションルームって、個人で借りることが出来ちゃうんですねぇ」
アスランとニコルが、顔を見合わせる。
このシミュレーションルームは、ザフトの者達がいつでも自由に戦闘訓練できるようにと設置されている部屋だった。ザフトの中でも特に最新型の機械類を投入しており、その広さも尋常ではない。裕に500人を越える人員がシミュレーションを行えるこの部屋を借り切ってしまうというのは、信じがたい事で。
「本来この部屋を独占するには、それなりの人数を集めなくてはいけません。ですが今回は急を要したため、上に特別措置を取って頂きました」
「特別措置だと? やはり貴様、グレンの名を使って……」
「何とでも言えば良いわ。無駄口はここまで。各自シミュレーションボックスに入って下さい。あのブースの物ならどれでも構いません」
「……っ」
更に反論しようとしたイザークだったが、サラの眼差しに射すくめられ、チッと舌打ちしながらシミュレーションボックスの一つへ足を運んだ。
ニコル達も、同様に各々空いているボックスへと入る。最後にアスランが、一番手前のボックスへと入っていった。
扉を閉めると同時に、メインモニターの電源が点灯し、ボックス内が明るく照らし出される。いつものように通信回線を開くと、すぐさまサラの声が聞こえてきた。