桜ノ色ハ血ノ色(アスラン)【全38P完結】
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「サラとの引き合わせの後、俺だけ隊長に呼ばれただろ? サラがここに慣れるまで、面倒を見てやれっていう命令を受けたんだよ。あの時隊長室で待たされてたんだけど、隣の部屋の会話が偶然聞こえちまってさ。ほら、例のオーブの件、聞いてるだろ?」
「あぁ、オーブにMSがあるという噂ですか?」
「そう、それそれ! あの情報、確実なものらしいんだよ。しかもそれを立証したのが彼女なんだと」
「えぇっ!?」
「マジかよ!?」
ニコルとディアッカが驚きの声をあげる。イザークとアスランも同様に、驚きの表情を浮かべていた。
「どうやったのかは知らないけどさ。動かぬ証拠を握ってきたらしいぜ。それも極上の」
「いつの事なんですか? それは。」
「俺達が丁度入隊した頃らしい。だから彼女はここに来るのが遅れたってわけだ」
「潜入捜査……ってことか?」
アスランが眉をひそめながら言う。その言葉に頷き、ラスティは更に続けた。
「あぁ。しかもだぜ? 驚いたことに、それが入隊試験だったんだってよ」
「!?」
その場にいた全員が、言葉を失ってしまった。そんな入隊試験があるのか? と。ともすれば命を失いかねない程に危険な事を、試験として行うとはーー。
しかもそれを見事にこなし、赤を着て自分達の前に現れたのが、自分達と年の変わらない少女。アカデミーで優秀な成績を上げてきた彼らだが、さすがにその試験を合格出来る自信はなかった。
「彼女が自分を無能ではないと言った理由、分かったろ? 実はそれだけじゃないんだよ。彼女はコーディネーターを更に高見へと導く為の研究にも成果を上げているらしいんだ」
「奴は研究者でもあるって事か?」
必死に動揺を隠しながら、イザークが言う。自分と比較の対象にならないくらいの実力と存在価値があるという事実が、とても悔しくて腹立たしい。
「入隊前は、どっかの研究所にいたんだってさ。それ以上の事は詳しくは分かんねーけど」
「なるほど……確かに無能ではありませんね。むしろずば抜けて優秀な人材といったところでしょうか」
「すげーよな。専門の訓練を行うアカデミーを卒業せずして、ザフトの赤を着る人材なんてめったにいないぜ? なぁ、アスラン!……アスラン、どうした?」
興奮気味に話を振ったラスティが、アスランの異変に気付く。
「何か気になることでも?」
ニコルも心配そうにアスランを覗き込む。
「え? あぁ、いや、何でもないよ。凄い子なんだなと吃驚してただけで……」
「ほんとですね。世の中上には上がいるものなんだなぁ」
「アスランが呆けちまうのも分かるぜ。俺だって聞いたときは口があんぐりあいちまったもんな」
うんうんと頷きながら心底感心しているラスティとニコルを横目に、
「ふん! 俺だってその気になれば……!!」
と拳を握りしめるイザーク。ディアッカも歯噛みしている。
サラの存在は、クルーゼ隊の面々に大きな影響を与え始めていた。
――俺は……何故こんなにサラを気にしているんだ?
知れば知るほど謎の深まるサラを今まで以上に気にしているアスランも、その例外ではなかった。
「あぁ、オーブにMSがあるという噂ですか?」
「そう、それそれ! あの情報、確実なものらしいんだよ。しかもそれを立証したのが彼女なんだと」
「えぇっ!?」
「マジかよ!?」
ニコルとディアッカが驚きの声をあげる。イザークとアスランも同様に、驚きの表情を浮かべていた。
「どうやったのかは知らないけどさ。動かぬ証拠を握ってきたらしいぜ。それも極上の」
「いつの事なんですか? それは。」
「俺達が丁度入隊した頃らしい。だから彼女はここに来るのが遅れたってわけだ」
「潜入捜査……ってことか?」
アスランが眉をひそめながら言う。その言葉に頷き、ラスティは更に続けた。
「あぁ。しかもだぜ? 驚いたことに、それが入隊試験だったんだってよ」
「!?」
その場にいた全員が、言葉を失ってしまった。そんな入隊試験があるのか? と。ともすれば命を失いかねない程に危険な事を、試験として行うとはーー。
しかもそれを見事にこなし、赤を着て自分達の前に現れたのが、自分達と年の変わらない少女。アカデミーで優秀な成績を上げてきた彼らだが、さすがにその試験を合格出来る自信はなかった。
「彼女が自分を無能ではないと言った理由、分かったろ? 実はそれだけじゃないんだよ。彼女はコーディネーターを更に高見へと導く為の研究にも成果を上げているらしいんだ」
「奴は研究者でもあるって事か?」
必死に動揺を隠しながら、イザークが言う。自分と比較の対象にならないくらいの実力と存在価値があるという事実が、とても悔しくて腹立たしい。
「入隊前は、どっかの研究所にいたんだってさ。それ以上の事は詳しくは分かんねーけど」
「なるほど……確かに無能ではありませんね。むしろずば抜けて優秀な人材といったところでしょうか」
「すげーよな。専門の訓練を行うアカデミーを卒業せずして、ザフトの赤を着る人材なんてめったにいないぜ? なぁ、アスラン!……アスラン、どうした?」
興奮気味に話を振ったラスティが、アスランの異変に気付く。
「何か気になることでも?」
ニコルも心配そうにアスランを覗き込む。
「え? あぁ、いや、何でもないよ。凄い子なんだなと吃驚してただけで……」
「ほんとですね。世の中上には上がいるものなんだなぁ」
「アスランが呆けちまうのも分かるぜ。俺だって聞いたときは口があんぐりあいちまったもんな」
うんうんと頷きながら心底感心しているラスティとニコルを横目に、
「ふん! 俺だってその気になれば……!!」
と拳を握りしめるイザーク。ディアッカも歯噛みしている。
サラの存在は、クルーゼ隊の面々に大きな影響を与え始めていた。
――俺は……何故こんなにサラを気にしているんだ?
知れば知るほど謎の深まるサラを今まで以上に気にしているアスランも、その例外ではなかった。