桜ノ色ハ血ノ色(アスラン)【全38P完結】
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「ここがラスト。年中無休の俺達のトレーニングルームだ」
「分かった。ありがとう」
二人がトレーニングルームに入って来る。そのままラスティは奥のロッカールームへと向かった。サラはというと、ゆっくりと部屋の中を見渡している。
「さすがに設備は整っているようね」
ぶつぶつと呟きながら、サラは一つ一つの機具をチェックしていった。そして辿り着いたのは、アスランの居るエアロバイクの前。
だがちらりと横目で見ただけで、サラはそのままその場を素通りする。小さな会釈はあったものの、その目はとても冷たくて。見る者によっては、それは上の者が下の者を見下すような視線にも感じられた。
そんな彼女を見て、とうとう黙っていられなくなった者が一人。
「おい!」
先ほどまでラットバーを引っ張っていたイザークが、その手を離して立ち上がっていた。
「おい貴様!」
「……私の事?」
サラがゆっくりと声のした方を向く。
「貴様一体何者なんだ? ジョージ・グレンの関係者だとか実績があるとか……大体なんで貴様だけ合流が遅れた!?」
噛みつきそうな勢いで、イザークが怒鳴る。おいおい、イザーク……とディアッカが止めようとするが、それを振り払っての行為。
その姿を、やはり何の感情も読みとれない表情で見つめながら、サラは言った。
「先ほどご挨拶した通り、私はサラ・グレン。実績については、隊長にでも聞いてください。私がここに来るのが遅れた理由もそこにありますから」
「何でわざわざ隊長に聞かなきゃいけない!? 貴様の事なんだ。貴様が言えばいいだろう!」
「……」
今度は答えがない。相変わらず眉一つ動かさず、サラはイザークを見つめたままだ。その表情が、更にイザークの怒りに火を点ける。
「貴様は……っ!」
「な~に女の子いじめてんの? イザーク」
不意に聞こえた声に、その場に居たサラ以外の者の目が部屋の奥へと向けられた。
「新人いじめ……ってのも変な話だけど、ほどほどにしとけよな」
ラスティが、トレーニングウェアに着替えて更衣室から出てきたのだ。その手に抱えられているのは、もう一式のトレーニングウェア。
「これはサラの分。ここにはロッカーは一つしかないから、鍵を閉めて着替えてきな。トレーニングできる時間は、結構限られてるぜ?」
「分かった」
サラがこくりと頷く。あとは何も言わず、ラスティからウェアを受け取ったサラはロッカールームへと向かっていった。たった今自分が怒鳴りつけられていた事など、すっかり忘れてしまったかのようにあっさりと。
その姿が見えなくなり、カチリと鍵の音が聞こえる。それを確認すると、ラスティはイザークの元へと向かった。
「落ち着けよ、イザーク。血圧上がるぜ?」
「余計なお世話だ!」
ぽんぽんと肩を叩くラスティの手をはね返すイザークの顔は、サラとは対照的に興奮冷めやらず。見事に頭に血が上り、顔は真っ赤になっていた。
あーあ、既にもう上がってんじゃん、と苦笑しながらイザークから離れると、床に腰を下ろす。
「さっきお前が言ってた疑問、少しなら分かるぜ?」
柔軟体操をしながら、ラスティが言った。
「ちょっと小耳にはさんだんだよ。どうする? 聞く?」
いたずらっ子のような笑顔で回りを見渡すラスティに、皆は苦笑しながらも頷く。それを確認すると、ラスティは語りだした。
「分かった。ありがとう」
二人がトレーニングルームに入って来る。そのままラスティは奥のロッカールームへと向かった。サラはというと、ゆっくりと部屋の中を見渡している。
「さすがに設備は整っているようね」
ぶつぶつと呟きながら、サラは一つ一つの機具をチェックしていった。そして辿り着いたのは、アスランの居るエアロバイクの前。
だがちらりと横目で見ただけで、サラはそのままその場を素通りする。小さな会釈はあったものの、その目はとても冷たくて。見る者によっては、それは上の者が下の者を見下すような視線にも感じられた。
そんな彼女を見て、とうとう黙っていられなくなった者が一人。
「おい!」
先ほどまでラットバーを引っ張っていたイザークが、その手を離して立ち上がっていた。
「おい貴様!」
「……私の事?」
サラがゆっくりと声のした方を向く。
「貴様一体何者なんだ? ジョージ・グレンの関係者だとか実績があるとか……大体なんで貴様だけ合流が遅れた!?」
噛みつきそうな勢いで、イザークが怒鳴る。おいおい、イザーク……とディアッカが止めようとするが、それを振り払っての行為。
その姿を、やはり何の感情も読みとれない表情で見つめながら、サラは言った。
「先ほどご挨拶した通り、私はサラ・グレン。実績については、隊長にでも聞いてください。私がここに来るのが遅れた理由もそこにありますから」
「何でわざわざ隊長に聞かなきゃいけない!? 貴様の事なんだ。貴様が言えばいいだろう!」
「……」
今度は答えがない。相変わらず眉一つ動かさず、サラはイザークを見つめたままだ。その表情が、更にイザークの怒りに火を点ける。
「貴様は……っ!」
「な~に女の子いじめてんの? イザーク」
不意に聞こえた声に、その場に居たサラ以外の者の目が部屋の奥へと向けられた。
「新人いじめ……ってのも変な話だけど、ほどほどにしとけよな」
ラスティが、トレーニングウェアに着替えて更衣室から出てきたのだ。その手に抱えられているのは、もう一式のトレーニングウェア。
「これはサラの分。ここにはロッカーは一つしかないから、鍵を閉めて着替えてきな。トレーニングできる時間は、結構限られてるぜ?」
「分かった」
サラがこくりと頷く。あとは何も言わず、ラスティからウェアを受け取ったサラはロッカールームへと向かっていった。たった今自分が怒鳴りつけられていた事など、すっかり忘れてしまったかのようにあっさりと。
その姿が見えなくなり、カチリと鍵の音が聞こえる。それを確認すると、ラスティはイザークの元へと向かった。
「落ち着けよ、イザーク。血圧上がるぜ?」
「余計なお世話だ!」
ぽんぽんと肩を叩くラスティの手をはね返すイザークの顔は、サラとは対照的に興奮冷めやらず。見事に頭に血が上り、顔は真っ赤になっていた。
あーあ、既にもう上がってんじゃん、と苦笑しながらイザークから離れると、床に腰を下ろす。
「さっきお前が言ってた疑問、少しなら分かるぜ?」
柔軟体操をしながら、ラスティが言った。
「ちょっと小耳にはさんだんだよ。どうする? 聞く?」
いたずらっ子のような笑顔で回りを見渡すラスティに、皆は苦笑しながらも頷く。それを確認すると、ラスティは語りだした。