紅の伝言(アスラン悲恋)
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時間さえあれば、MSを取ってきてサラを助け出すことが出来る。だが……ガラス越しに見えるサラの怪我は凄惨なもので。
素人が見ても分かるだろう。一分一秒を争う程の大怪我だと。
「サラ……! サラ! 目を開けてくれ、サラ!!」
俺はガラスを力任せに叩きながら必死に叫んだ。
「サラ! しっかりするんだ、サラ!!」
「……う……」
必死に呼びかけ続けていると、サラの瞼がぴくりと動いた。
「サラ!」
ゆっくりと開かれる瞳。意識が朦朧としているのだろうか。焦点の合わぬまま暫く視線を動かしていたが、俺を見つけるとようやくその動きは止まる。
『アスラン』
唇の動きから、俺を呼んでいるのが分かった。
「サラ! そうだよ、俺だよ!!」
『ヨカッタ』
サラの声が聞こえない。俺はサラのわずかな唇の動きを読むことしかできなかった。
『サキニイッテルネ』
「サラ!? 何言ってるんだよ、サラ!」
『ワタシノブンマデ、イキテ』
「サラ! そんなの駄目だ! 一緒に生きよう!!」
『ワタシヲワスレナイデネ』
「サラ!」
苦しそうに顔をゆがめているサラ。このままじゃ…サラが……!!
『アスラン』
サラの腕がゆっくりとあがった。白いはずの指先が、赤く染まっている。その指は、そのままサラに覆い被さっているガラスに触れた。
震える指が作る軌跡。
波打つ紅の道は、その意志を形にする。
スキ
サラの生み出した、たった2つの文字。それらは俺の心の奥深くに染み込んでくる。
『……』
もう、動きを読むことすらできない唇。
力無く地に落ちる腕。
閉じられた瞼。
もう二度と光を宿すことのない瞳。
目の前にいるのに触れることすらかなわないサラと、少しずつ形を変えながら乾いていくガラスの文字を見ながら、俺はあの時サラの言った言葉を思い出していた。
『ねぇ、もしも……もしもだよ? 任務の最中に私に何かあったら、アスランは私を一生忘れないでいてくれる?』
忘れられるはずが無いじゃないか。忘れてなんか……やらないよ。俺は。
「サラ、俺も……スキだよ。ずっと……」
ガラス越しに想いを乗せて、サラの唇と重なる場所に俺はキスをしたーー。
〜END〜
素人が見ても分かるだろう。一分一秒を争う程の大怪我だと。
「サラ……! サラ! 目を開けてくれ、サラ!!」
俺はガラスを力任せに叩きながら必死に叫んだ。
「サラ! しっかりするんだ、サラ!!」
「……う……」
必死に呼びかけ続けていると、サラの瞼がぴくりと動いた。
「サラ!」
ゆっくりと開かれる瞳。意識が朦朧としているのだろうか。焦点の合わぬまま暫く視線を動かしていたが、俺を見つけるとようやくその動きは止まる。
『アスラン』
唇の動きから、俺を呼んでいるのが分かった。
「サラ! そうだよ、俺だよ!!」
『ヨカッタ』
サラの声が聞こえない。俺はサラのわずかな唇の動きを読むことしかできなかった。
『サキニイッテルネ』
「サラ!? 何言ってるんだよ、サラ!」
『ワタシノブンマデ、イキテ』
「サラ! そんなの駄目だ! 一緒に生きよう!!」
『ワタシヲワスレナイデネ』
「サラ!」
苦しそうに顔をゆがめているサラ。このままじゃ…サラが……!!
『アスラン』
サラの腕がゆっくりとあがった。白いはずの指先が、赤く染まっている。その指は、そのままサラに覆い被さっているガラスに触れた。
震える指が作る軌跡。
波打つ紅の道は、その意志を形にする。
スキ
サラの生み出した、たった2つの文字。それらは俺の心の奥深くに染み込んでくる。
『……』
もう、動きを読むことすらできない唇。
力無く地に落ちる腕。
閉じられた瞼。
もう二度と光を宿すことのない瞳。
目の前にいるのに触れることすらかなわないサラと、少しずつ形を変えながら乾いていくガラスの文字を見ながら、俺はあの時サラの言った言葉を思い出していた。
『ねぇ、もしも……もしもだよ? 任務の最中に私に何かあったら、アスランは私を一生忘れないでいてくれる?』
忘れられるはずが無いじゃないか。忘れてなんか……やらないよ。俺は。
「サラ、俺も……スキだよ。ずっと……」
ガラス越しに想いを乗せて、サラの唇と重なる場所に俺はキスをしたーー。
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