紅の伝言(アスラン悲恋)
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「ねぇ、もしも……もしもだよ? 任務の最中に私に何かあったら、アスランは私を一生忘れないでいてくれる?」
「いきなり何でそんな事を聞くんだ?」
「もしもの話だよ。ね? どうする?」
「それは……その時になってみないと分からないな」
「え~、そんなの狡い~!」
「だって、分からないんだから仕方がないだろう?」
最近のサラは、時々こうして意地悪な質問をしてくる。理由は分かっているけれど、敢えて俺は気付かないフリをしていた。
「いっつもアスランはそうやってはぐらかすんだから」
ぷくっとほっぺたを膨らませて怒るサラ。その表情はとても愛らしいのだけれど、できることなら笑顔を見せて貰いたい。
「一体何なんだ? その質問は。俺はそんな悪い未来を想像したくはないんだけど?」
「それは私も同じだけど……もしもって事があるじゃない? 私達軍人だし」
「大丈夫だよ。もしもなんてありはしないから」
言葉にすると虚しさを覚えてしまう。
少しでもサラに笑っていて欲しくて、気休めになればと口にしたその言葉は、自分でも分かるほどに信憑性がなくて。何故なら、数日前に俺達は仲間を失っているから。
ミゲルやラスティ、オロール達を……。
「心にもないこと言わないの」
案の定、俺の言葉は気休めになどならなかったようで。サラは少し傷ついた顔をしながら、俺を咎めた。
「私だって現実を受け止めることはできるわ。だから気休めはいらないよ」
「サラ……」
「でも、アスランにそれを言わせたのは私のせいだね。ごめん」
「いや、俺こそ……」
「アスランは悪くないよ。不安なのは皆同じなのに、それが分かっててこんな質問をしてる私が悪いのよ。ほんとごめんね」
サラの顔に浮かぶ、寂しそうな笑顔。儚さを感じさせるその笑顔はとても痛々しくてーー。今の俺達に、言葉は何の意味もなさない事が分かってしまった俺は、何も言わずにそっとサラを抱きしめた。
そしてそれは、ある日突然やってくる。
とある任務遂行中に、突如起きた大きな爆発。
爆発と同時に何かに押され、俺の体は倒された。飛び散るコンクリートの破片と爆風をやり過ごし、ゆっくりと体を起こした俺は、爆発よりも大きな衝撃を受けることとなる。
「そ……んな……」
目の前には見るも無惨な瓦礫の山。そして、1枚の大きなガラス。その向こうにはーー。
「サラ……ッ!!」
大きなコンクリートとガラスに挟まれ、血を流して倒れているサラの姿があった。
「サラ! しっかりしろ!」
瓦礫をかき分け、サラの元へと急ぐ。
が、目の前のガラスが俺の行く手を阻んでいた。人間の力では動かすことも出来ないほどに大きく重いガラスが、サラに覆い被さっている。
多分これは、特殊強化ガラスか何かだろう。
かろうじて瓦礫が支えてはいる物の、これでは自力で抜け出すことはおろか、MSでも使わなければ退かすこともできない。
「サラ……!」
「いきなり何でそんな事を聞くんだ?」
「もしもの話だよ。ね? どうする?」
「それは……その時になってみないと分からないな」
「え~、そんなの狡い~!」
「だって、分からないんだから仕方がないだろう?」
最近のサラは、時々こうして意地悪な質問をしてくる。理由は分かっているけれど、敢えて俺は気付かないフリをしていた。
「いっつもアスランはそうやってはぐらかすんだから」
ぷくっとほっぺたを膨らませて怒るサラ。その表情はとても愛らしいのだけれど、できることなら笑顔を見せて貰いたい。
「一体何なんだ? その質問は。俺はそんな悪い未来を想像したくはないんだけど?」
「それは私も同じだけど……もしもって事があるじゃない? 私達軍人だし」
「大丈夫だよ。もしもなんてありはしないから」
言葉にすると虚しさを覚えてしまう。
少しでもサラに笑っていて欲しくて、気休めになればと口にしたその言葉は、自分でも分かるほどに信憑性がなくて。何故なら、数日前に俺達は仲間を失っているから。
ミゲルやラスティ、オロール達を……。
「心にもないこと言わないの」
案の定、俺の言葉は気休めになどならなかったようで。サラは少し傷ついた顔をしながら、俺を咎めた。
「私だって現実を受け止めることはできるわ。だから気休めはいらないよ」
「サラ……」
「でも、アスランにそれを言わせたのは私のせいだね。ごめん」
「いや、俺こそ……」
「アスランは悪くないよ。不安なのは皆同じなのに、それが分かっててこんな質問をしてる私が悪いのよ。ほんとごめんね」
サラの顔に浮かぶ、寂しそうな笑顔。儚さを感じさせるその笑顔はとても痛々しくてーー。今の俺達に、言葉は何の意味もなさない事が分かってしまった俺は、何も言わずにそっとサラを抱きしめた。
そしてそれは、ある日突然やってくる。
とある任務遂行中に、突如起きた大きな爆発。
爆発と同時に何かに押され、俺の体は倒された。飛び散るコンクリートの破片と爆風をやり過ごし、ゆっくりと体を起こした俺は、爆発よりも大きな衝撃を受けることとなる。
「そ……んな……」
目の前には見るも無惨な瓦礫の山。そして、1枚の大きなガラス。その向こうにはーー。
「サラ……ッ!!」
大きなコンクリートとガラスに挟まれ、血を流して倒れているサラの姿があった。
「サラ! しっかりしろ!」
瓦礫をかき分け、サラの元へと急ぐ。
が、目の前のガラスが俺の行く手を阻んでいた。人間の力では動かすことも出来ないほどに大きく重いガラスが、サラに覆い被さっている。
多分これは、特殊強化ガラスか何かだろう。
かろうじて瓦礫が支えてはいる物の、これでは自力で抜け出すことはおろか、MSでも使わなければ退かすこともできない。
「サラ……!」
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