この想いは罪ですか?(キラ)
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いつの間にか救護室の中には、患者が溢れていた。発症した患者を気遣い、救護室に運んでくる内に同じ症状に見舞われた者も数人いるらしい。
ぐずぐずしてはいられない。このままでは芋蔓式に患者は増えていくばかり。私は意を決すると、まずは救護班のメンバーを招集した。
「皆さんに、この奇病の抗体を打ちます。これを打てば感染を防ぐことが出来ますので、まだ感染していないクルー全員に打ち、あとはこのワクチンを患者に注射していって下さい。症状の出ている人を徹底的に調べ、完全に排除するように」
「サラさん……? この症状の正体が分かったのですか? 一体どこから抗体やワクチンを……」
「全てが片付いたら説明します。今は時間がありません。一刻を争う時なので、まずは行動しましょう」
皆が何かを言いたそうにしているのを無理矢理制止し、私は抗体を打って回った。そして、残りの抗体とワクチンを渡し、救護室に皆を促す。
「お願いします」
そのままぺこりと頭を下げると、私は救護室から走り出た。
「サラさん!? どこへ……」
「私には他にやることがあります。後はお願いします!」
「サラさん!!」
遠くに私を呼ぶ声が聞こえていたが、耳をふさぎながら私は走った。
全てを終わらせるにはこれしかない。自ら蒔いた種は、自らが『始末』しなければならないのだから。
目的地は存在していなかった。探しているのは、たった一人の人物。どんな姿で、どこにいるのかも全く分かっていなかったが、その人物がこの艦内にいることだけははっきりしていた。
いわゆる、スパイと呼ばれる誰かが。
どこ……? どこにいるの!?
ひたすら走り続けていると、ボイラー室の入り口の前で殺気を感じた。
一つ大きく深呼吸をし、そっと扉を開ける。同時に、もうずっと封印していた言葉を口にした。
「……ザフトのために」
瞬時に殺気が消える。
「血のマリア、か」
「そうよ」
その名で呼ばれるのは久しぶりだった。出来ることなら、ザフトから脱走したあの時に全てを闇に葬りたかったのだけれど……私はためらいもせずボイラー室に入ると、中に待ち受けていた男の元に向かった。
「やっぱりスパイが紛れ込んでいたのね。内部からAAの人達を消していくつもりなの?」
「その通り。しかしお前にしては気付くのが遅かったな。もうこのウイルスは艦内のあちこちに噴霧してある。あとは時間の問題だ」
「ワクチンが無ければの話でしょう? 既にAAではワクチン投与を開始してるわ」
「なっ! ワクチンは存在していないはず……」
「ウイルスを作れれば、ワクチンも作れる。このウイルスの開発に携わった人間なら尚更のこと」
「……なるほど、さすがだな。コーディネーターの中でも屈指の薬学研究員と言われるだけある。その才能は惜しい。今からでも遅くはない。戻ってこないか?」
「そんな事を言うために、わざわざ潜入してきたわけじゃないでしょ?」
裏切り者なんだから、さっさと殺してしまえばいいのに。こんな状況でも私の知識が欲しいのだろうか。ただ人を殺めるだけしか能のない、最低な薬しか生み出せない私の知識が。
「今戻ればお咎め無しだ。施設も今まで以上のものを用意するぞ? かなりの好条件だと思うがな」
「お断り。私はもうマリアじゃないわ。サラ=フユツキというれっきとした名前があるの」
きっぱりと答える。
私は、サラ。微力ではあるけれど、大切な人を守るためだけに生きて行こうと決めている。
だから……。
「良い答えを期待していたんだが、残念だ」
「それはごめんなさいね。ご期待に添えなくて」
「本当に残念だよ」
その言葉と同時に男が懐から銃を取り出そうとする瞬間を、私は見逃さなかった。
ぐずぐずしてはいられない。このままでは芋蔓式に患者は増えていくばかり。私は意を決すると、まずは救護班のメンバーを招集した。
「皆さんに、この奇病の抗体を打ちます。これを打てば感染を防ぐことが出来ますので、まだ感染していないクルー全員に打ち、あとはこのワクチンを患者に注射していって下さい。症状の出ている人を徹底的に調べ、完全に排除するように」
「サラさん……? この症状の正体が分かったのですか? 一体どこから抗体やワクチンを……」
「全てが片付いたら説明します。今は時間がありません。一刻を争う時なので、まずは行動しましょう」
皆が何かを言いたそうにしているのを無理矢理制止し、私は抗体を打って回った。そして、残りの抗体とワクチンを渡し、救護室に皆を促す。
「お願いします」
そのままぺこりと頭を下げると、私は救護室から走り出た。
「サラさん!? どこへ……」
「私には他にやることがあります。後はお願いします!」
「サラさん!!」
遠くに私を呼ぶ声が聞こえていたが、耳をふさぎながら私は走った。
全てを終わらせるにはこれしかない。自ら蒔いた種は、自らが『始末』しなければならないのだから。
目的地は存在していなかった。探しているのは、たった一人の人物。どんな姿で、どこにいるのかも全く分かっていなかったが、その人物がこの艦内にいることだけははっきりしていた。
いわゆる、スパイと呼ばれる誰かが。
どこ……? どこにいるの!?
ひたすら走り続けていると、ボイラー室の入り口の前で殺気を感じた。
一つ大きく深呼吸をし、そっと扉を開ける。同時に、もうずっと封印していた言葉を口にした。
「……ザフトのために」
瞬時に殺気が消える。
「血のマリア、か」
「そうよ」
その名で呼ばれるのは久しぶりだった。出来ることなら、ザフトから脱走したあの時に全てを闇に葬りたかったのだけれど……私はためらいもせずボイラー室に入ると、中に待ち受けていた男の元に向かった。
「やっぱりスパイが紛れ込んでいたのね。内部からAAの人達を消していくつもりなの?」
「その通り。しかしお前にしては気付くのが遅かったな。もうこのウイルスは艦内のあちこちに噴霧してある。あとは時間の問題だ」
「ワクチンが無ければの話でしょう? 既にAAではワクチン投与を開始してるわ」
「なっ! ワクチンは存在していないはず……」
「ウイルスを作れれば、ワクチンも作れる。このウイルスの開発に携わった人間なら尚更のこと」
「……なるほど、さすがだな。コーディネーターの中でも屈指の薬学研究員と言われるだけある。その才能は惜しい。今からでも遅くはない。戻ってこないか?」
「そんな事を言うために、わざわざ潜入してきたわけじゃないでしょ?」
裏切り者なんだから、さっさと殺してしまえばいいのに。こんな状況でも私の知識が欲しいのだろうか。ただ人を殺めるだけしか能のない、最低な薬しか生み出せない私の知識が。
「今戻ればお咎め無しだ。施設も今まで以上のものを用意するぞ? かなりの好条件だと思うがな」
「お断り。私はもうマリアじゃないわ。サラ=フユツキというれっきとした名前があるの」
きっぱりと答える。
私は、サラ。微力ではあるけれど、大切な人を守るためだけに生きて行こうと決めている。
だから……。
「良い答えを期待していたんだが、残念だ」
「それはごめんなさいね。ご期待に添えなくて」
「本当に残念だよ」
その言葉と同時に男が懐から銃を取り出そうとする瞬間を、私は見逃さなかった。
