いつだって君の側に(アスラン)
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時折私は、儀式を行う。
部屋の全ての灯りを消して、バスタオルを手に握りしめて。
――毛布を被って。
テレビをオンにし、ビデオの再生ボタンを押す。
――でも、音は出さない。
流れる映像は……。
【血のバレンタイン】
あの日、両親を失った。家族で助かったのは、偶々プラントに遊びに来ていた私だけ。
「お父さん……お母さん……」
住み慣れたあの場所が、一瞬にして光に包まれ、粉砕される。何度見ても、胸が張り裂けそうになるその映像。
それでも私は何度も何度も見返している。
ナチュラルへの恨みを忘れないために。
人を殺す罪悪感を忘れるために。
あの日を境に、私は変わった。コーディネーターの中でも落ちこぼれの部類だった私が、今ではザフトで赤を着るほどになったのも、ナチュラルへの憎しみがあったから。
だから少しでもくじけそうになると、私は泣きながらこのビデオを見ていた。繰り返し……繰り返し。それこそ瞼の裏に焼き付くほどに。
シュンッ。
不意に部屋の扉が開き、光が射し込んだ。眩しさに目を細めながら視線を向けると、そこに立っていたのは――。
「アスラン……」
「サラ、またそれを見てるのか」
「悪い? 私の勝手でしょう」
慌てて涙を拭いつつ、毛布を更に深く被りながら答える。もう消灯時間だから、誰も来ないと油断していた。
「いきなり人の部屋に入ってくるなんて失礼な奴! 何か用なの?」
「いや……」
「?」
歯切れの悪い答えに、私は首を傾げる。
「用事がないのなら、何で……」
「何となく……サラが泣いてるような気がしたんだ」
「はぁ?」
確かに私は泣いていたけれど……何でそれがアスランに分かってしまったのか。
「今日の任務で、人を殺しただろ?」
「そりゃあ、任務だからね」
意識して淡々と答える。今感情的になってしまったら、また泣いてしまいそうだから。
「人を殺した日は、必ずこのビデオを観てるだろう? サラは」
「……っ! 何でそれを……!?」
このビデオは、私を戒めるために必要な儀式の道具。
私は弱いから、人を殺すたびにザフトの軍人でいることをやめたくなった。血を見るだけで、くじけそうにもなっていた。
でもそれじゃ駄目だから……。
コーディネーターが勝利を収めるその日まで、私は逃げるわけにはいかない。そのためにもくじけそうになる度に、敢えて自ら一番観たくない物を観るようにしていたのだ。
「そんなに自分を追いつめるなよ、サラ」
突然被っていた毛布をばさりと取り払われた。
「や……っ!」
驚いて顔を上げた瞬間、アスランと目が合ってしまう。
ーー泣き顔を見られた……!!
「出て行って……! 出て行ってよ!」
「サラ!」
部屋から追い出そうと手を伸ばす。
だがその手はしっかりとアスランに掴まれてしまった。
部屋の全ての灯りを消して、バスタオルを手に握りしめて。
――毛布を被って。
テレビをオンにし、ビデオの再生ボタンを押す。
――でも、音は出さない。
流れる映像は……。
【血のバレンタイン】
あの日、両親を失った。家族で助かったのは、偶々プラントに遊びに来ていた私だけ。
「お父さん……お母さん……」
住み慣れたあの場所が、一瞬にして光に包まれ、粉砕される。何度見ても、胸が張り裂けそうになるその映像。
それでも私は何度も何度も見返している。
ナチュラルへの恨みを忘れないために。
人を殺す罪悪感を忘れるために。
あの日を境に、私は変わった。コーディネーターの中でも落ちこぼれの部類だった私が、今ではザフトで赤を着るほどになったのも、ナチュラルへの憎しみがあったから。
だから少しでもくじけそうになると、私は泣きながらこのビデオを見ていた。繰り返し……繰り返し。それこそ瞼の裏に焼き付くほどに。
シュンッ。
不意に部屋の扉が開き、光が射し込んだ。眩しさに目を細めながら視線を向けると、そこに立っていたのは――。
「アスラン……」
「サラ、またそれを見てるのか」
「悪い? 私の勝手でしょう」
慌てて涙を拭いつつ、毛布を更に深く被りながら答える。もう消灯時間だから、誰も来ないと油断していた。
「いきなり人の部屋に入ってくるなんて失礼な奴! 何か用なの?」
「いや……」
「?」
歯切れの悪い答えに、私は首を傾げる。
「用事がないのなら、何で……」
「何となく……サラが泣いてるような気がしたんだ」
「はぁ?」
確かに私は泣いていたけれど……何でそれがアスランに分かってしまったのか。
「今日の任務で、人を殺しただろ?」
「そりゃあ、任務だからね」
意識して淡々と答える。今感情的になってしまったら、また泣いてしまいそうだから。
「人を殺した日は、必ずこのビデオを観てるだろう? サラは」
「……っ! 何でそれを……!?」
このビデオは、私を戒めるために必要な儀式の道具。
私は弱いから、人を殺すたびにザフトの軍人でいることをやめたくなった。血を見るだけで、くじけそうにもなっていた。
でもそれじゃ駄目だから……。
コーディネーターが勝利を収めるその日まで、私は逃げるわけにはいかない。そのためにもくじけそうになる度に、敢えて自ら一番観たくない物を観るようにしていたのだ。
「そんなに自分を追いつめるなよ、サラ」
突然被っていた毛布をばさりと取り払われた。
「や……っ!」
驚いて顔を上げた瞬間、アスランと目が合ってしまう。
ーー泣き顔を見られた……!!
「出て行って……! 出て行ってよ!」
「サラ!」
部屋から追い出そうと手を伸ばす。
だがその手はしっかりとアスランに掴まれてしまった。
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