この想いは罪ですか?(キラ)
名前変換はこちら
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
相変わらず戦いの事は分からない。結局先ほどの一件で私は、私に出来る事を探すきっかけを失ってしまった。
あの後キラはモビルスーツで出動し、ミリアリアもデッキへと向かった。残されたフレイと私は、一言も言葉を交わすことなく各々部屋へと戻る。
私の能力のせいで意識朦朧の状態にさせてしまったが、あんな子とは話などしたくない。謝る気もない。
私も存外子供だな、と思う。でも……キラの事をあんな風に話す人間は、許せなかった。
キラを傷つけたくなかったから。
そんな事を部屋で考えている最中も、戦闘は続いている。
――キラは今、何を考えながら戦っているのだろう? どんな敵を相手にしているんだろう?
モビルスーツはとんでもなく恐ろしく強いと聞いた。そして敵にはそれと同じ物が4機も存在する。
キラは本当に大丈夫なのだろうか?
キラはコーディネーターだけれど、相手もコーディネーター。本来なら仲間であるはずの者達と戦わなければならない彼が、気の毒でならなかった。
「キラ……絶対無事で帰ってきてね。待ってるから」
祈り始めたその時――。
ドウンッ!
大きな爆発音が響き、艦が揺らいだ。床が斜めになり、ベッドに座っていた私も転がり落ちてしまう。
「きゃぁ~~っ!!」
あちこちの部屋から悲鳴が聞こえた。
今までにも数え切れないほど敵のミサイルの着弾はあったが、こんなにも大きな振動を感じたことはない。もしかして、かなり状況が悪化しているのだろうか? ベッドの足にしがみつき、次の着弾に備えた。案の定、ひっきりなしにミサイルは命中し、その度に大きな爆発音が響く。
「こんな大きな戦闘艦ですらこの状況なら、キラは……」
キラ……大丈夫なの?
生きてるよね?キラ?
「きゃーっ!」
「うわぁっ!!」
聞こえてくる悲鳴が大きくなる。
爆発の驚きで皆パニックになっているらしい。廊下に出てみると、既に何人かの一般人が廊下に飛び出していた。中には恐怖のあまり走り回っている者もいる。
そんな人達を落ち着かせようと、数人の軍人と思しき人達が叫んでいた。でもその叫び声は、更にパニックを増長させてしまっている。
「このままじゃいけない……」
その光景を、冷静に見つめている自分がいた。
私だって死ぬのは恐い。でも、キラはもっと恐ろしい場所で一人で戦っている。私達を守るために必死になって、辛い思いをしながら戦ってくれている。
「今なら私も戦える」
そう思った。
キラのように前線には立てないけれど、『ここ』でなら戦える。何もしないで待つよりも、何かをして待っていたい。少しでも同じ空間を共有したい。
一度は逃してしまったチャンスを、今度こそは掴もうと思った。
「皆さん落ち着いて下さい。今外では私達を守ろうと必死に戦ってくれている人達がいます。信じましょう。彼らを」
私はまず、すぐ目の前にいるパニック状態の男の頭に触れた。
「大丈夫。きっと私達は助かるわ」
ゆっくりと、撫でる。興奮状態の男の心を少しでも落ち着かせるために。そっと……優しく。
「信じましょう。ね?」
私の触れた部分から、男の精神に宿った興奮を吸い取る。実際は過剰に分泌されたアドレナリンの量を押さえているだけなのだが。
「私達の為に命を賭けてくれている彼らを信じましょう」
一人、また一人と私はこの能力を使い、興奮している者達の心を落ち着かせていった。自分でも驚くほどに効率が良い。
「もう大丈夫です。ここは私が引き受けますから、あなた方は自分の場所にお戻り下さい」
騒ぎが少し小さくなった頃、驚きの表情を隠せぬまま私を見つめている軍人に言った。その言葉に安心したのか、彼は
「頼みます!」
と一言残し走り去っていった。
今出来る事を精一杯やるために。少しずつ力が抜けていくのを感じながら、私は必死に能力を使い続けた。
あの後キラはモビルスーツで出動し、ミリアリアもデッキへと向かった。残されたフレイと私は、一言も言葉を交わすことなく各々部屋へと戻る。
私の能力のせいで意識朦朧の状態にさせてしまったが、あんな子とは話などしたくない。謝る気もない。
私も存外子供だな、と思う。でも……キラの事をあんな風に話す人間は、許せなかった。
キラを傷つけたくなかったから。
そんな事を部屋で考えている最中も、戦闘は続いている。
――キラは今、何を考えながら戦っているのだろう? どんな敵を相手にしているんだろう?
モビルスーツはとんでもなく恐ろしく強いと聞いた。そして敵にはそれと同じ物が4機も存在する。
キラは本当に大丈夫なのだろうか?
キラはコーディネーターだけれど、相手もコーディネーター。本来なら仲間であるはずの者達と戦わなければならない彼が、気の毒でならなかった。
「キラ……絶対無事で帰ってきてね。待ってるから」
祈り始めたその時――。
ドウンッ!
大きな爆発音が響き、艦が揺らいだ。床が斜めになり、ベッドに座っていた私も転がり落ちてしまう。
「きゃぁ~~っ!!」
あちこちの部屋から悲鳴が聞こえた。
今までにも数え切れないほど敵のミサイルの着弾はあったが、こんなにも大きな振動を感じたことはない。もしかして、かなり状況が悪化しているのだろうか? ベッドの足にしがみつき、次の着弾に備えた。案の定、ひっきりなしにミサイルは命中し、その度に大きな爆発音が響く。
「こんな大きな戦闘艦ですらこの状況なら、キラは……」
キラ……大丈夫なの?
生きてるよね?キラ?
「きゃーっ!」
「うわぁっ!!」
聞こえてくる悲鳴が大きくなる。
爆発の驚きで皆パニックになっているらしい。廊下に出てみると、既に何人かの一般人が廊下に飛び出していた。中には恐怖のあまり走り回っている者もいる。
そんな人達を落ち着かせようと、数人の軍人と思しき人達が叫んでいた。でもその叫び声は、更にパニックを増長させてしまっている。
「このままじゃいけない……」
その光景を、冷静に見つめている自分がいた。
私だって死ぬのは恐い。でも、キラはもっと恐ろしい場所で一人で戦っている。私達を守るために必死になって、辛い思いをしながら戦ってくれている。
「今なら私も戦える」
そう思った。
キラのように前線には立てないけれど、『ここ』でなら戦える。何もしないで待つよりも、何かをして待っていたい。少しでも同じ空間を共有したい。
一度は逃してしまったチャンスを、今度こそは掴もうと思った。
「皆さん落ち着いて下さい。今外では私達を守ろうと必死に戦ってくれている人達がいます。信じましょう。彼らを」
私はまず、すぐ目の前にいるパニック状態の男の頭に触れた。
「大丈夫。きっと私達は助かるわ」
ゆっくりと、撫でる。興奮状態の男の心を少しでも落ち着かせるために。そっと……優しく。
「信じましょう。ね?」
私の触れた部分から、男の精神に宿った興奮を吸い取る。実際は過剰に分泌されたアドレナリンの量を押さえているだけなのだが。
「私達の為に命を賭けてくれている彼らを信じましょう」
一人、また一人と私はこの能力を使い、興奮している者達の心を落ち着かせていった。自分でも驚くほどに効率が良い。
「もう大丈夫です。ここは私が引き受けますから、あなた方は自分の場所にお戻り下さい」
騒ぎが少し小さくなった頃、驚きの表情を隠せぬまま私を見つめている軍人に言った。その言葉に安心したのか、彼は
「頼みます!」
と一言残し走り去っていった。
今出来る事を精一杯やるために。少しずつ力が抜けていくのを感じながら、私は必死に能力を使い続けた。