この想いは罪ですか?(キラ)
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食事を終え、コーヒーを飲みながら雑談していると、バジルール少尉がやって来た。食堂に入って来るやいなや、キラの所へつかつかと歩み寄って来る。
「キラ=ヤマト!!」
「何ですか?」
先ほどまで柔らかい表情を見せていたキラの顔が、一変して固くなる。怒りと悲しみを堪えているかのような顔を見た瞬間、何故だか胸が痛くなった。
「先ほどの戦いぶり。あれは一体どういうことだ!? いくらGの戦闘能力が高くても、そのパイロットが無気力では何の役にも立たん!」
「分かってますよ!」
「分かってない! お前はいつだって自分の事しか見えてないんだ! これは戦争なんだぞ? 一回一回が命を賭けた戦いだ。殺らなければこちらが殺られる。それは前線に立っているお前も嫌と言うほど分かっているはずだ。なのに……」
「分かってます! だから……人を殺すのが恐いんですよ!!」
まるで魂の叫びのようだった。
辛くて、哀しくて、痛い。自分の物ではないはずなのに、自分の心臓が締め付けられるような苦しみ。
「皆を守るために戦う。それは分かります。でも、だからと言って相手を殺しても良いんですか? 殺す事が正しいんですか!?」
「……っ! だからお前は……っ!!」
殺気を感じた。
拳を握りしめた少尉の周りに渦巻いているのは憎悪。時折悲しみの欠片が見え隠れしているが、すぐに真っ黒な空気に覆われる。
「いけない……!!」
「サラ!?」
少尉の拳がキラに向かって振り上げられるのと同時に、私の手が少尉の額に触れる。
「心を静めて……」
そっと、優しく、少尉の頭を撫でる。
母親が子供の頭を撫でるように。
2~3度軽く撫でると、少尉はすぐに大人しくなった。
「……落ち着いた……? 興奮しないで、冷静に、ね」
最後に肩をぽん、と叩く。
「あ……私としたことが……軍人たる者、常に沈着冷静でいなければならぬのに。すまない。……だが次の戦いはしっかりしてもらわなければ困る。今回は幸運だったが、いつまでもこの幸運が続くとは限らないんだからな」
先ほどまでの物凄い剣幕はどこへやら。しっかりと釘を刺しはしたものの、気の抜けたように大人しくなった少尉は穏やかな表情で食堂を後にした。
残されたキラとミリアリアは、呆然としている。
「……何だったの? 一体……」
「さ……あ……少尉のあんな表情は僕も初めて見るよ」
「ねぇ、サラ。貴女一体何をしたの?」
「ん~……別に特に何かをしたっていうわけじゃないんだけど……」
出来る事ならこの能力は使いたくなかった。使ったところで、あまり良い結果にはならないから。普通に生活している分には必要のない能力だから。
これは、私にとって知られたくない秘密をばらしてしまうかもしれない物。でも、今回は何の迷いもなく使ってしまった。
キラのために使いたい。自分でも驚くほどに瞬間的に思い、実行した。他人にこの能力を知られてしまう事は、身の危険を及ぼすことを承知で使ってしまった。
何故……?
私にも、分からない。
「サラさん」
キラが私を見ている。嫌な予感がした。
「何?」
「ひょっとして、サラさんもコーディネーター?」
予想通り、バレてしまったようだ。でも先ほどの出来事を見ていれば、誰でも疑って当然だろう。この能力は特殊な物。遺伝子操作によって作り出された私の体に宿った、特異能力。
でも……。
キラの言葉に引っかかるものを感じた私は、逆に聞き返した。
「あの……キラ君。今なんて……」
「君もコーディネーターなの?」
「も?」
「僕もコーディネーターなんだよ。その能力のせいで、ガンダムのパイロットをしてる。」
「……!?パイロットって……あのモビルスーツの操縦を貴方がしてたの?」
「うん……」
素直に驚いた。この艦に一人コーディネーターが乗っているとは噂に聞いていたけれど、まさか彼がその当人だったとは。
しかも今この艦の最も重要な戦力であるモビルスーツのパイロットとして戦っている。自分とほとんど歳の変わらない少年が……。
あぁ、そうか。だから先程少尉は……。そして多分、ミリアリアが先ほど話そうとしていたキラの話は、このあたりの事なのだろうと推測した。
「そっか。貴方もコーディネーターなんだね」
胸が熱くなる。
それが仲間を見つけた喜びからなのか。それとも他の感情から生まれた物なのか。今の私にはどうでも良いこと。
「頑張ってるんだね……」
そっと、腕を伸ばした。
キラの柔らかい髪に触れてみる。一瞬びくりと体を竦めたが、あとはそのまま私の好きなようにさせてくれた。ゆっくりと頭を撫でると、キラの瞼が落ちる。
「一生懸命なんだよね。貴方も」
何度も何度も頭を撫でる。それと同時にキラの表情も、少しずつ和み始める。
「サラ……?」
そんな私達の姿に、ミリアリアが不安そうに声をかける。
「ごめんね、ミリアリア。コーディネーターってこと隠してて。やっぱりなかなか言い出しにくくて……」
「ううん、そんな事気にしないで。私にとってサラはサラだから」
「ありがとう。ミリアリア」
「それよりさっきから何をしてるの? 少尉と言いキラと言い……サラが触れると大人しくなっちゃってるみたい」
「あぁ、これ? これはね……」
今度はミリアリアの頭をそっと撫でてみる。最初は不思議そうな顔をしていたミリアリアだが、2~3度撫でると瞼を閉じた。
「あったかい……日だまりの中にいるみたい」
「これが私の能力なの。ほら、子供がお母さんに撫でられると安心するって言うじゃない?あれの応用みたいな物なんだ」
「へ~。素敵な能力じゃない」
「……そうね。使い方によっては……」
そこから先の言葉は、口にしたくなかった。とりあえず能力でごまかし、その会話はうち切る。能力は知られた物の、まだその先は気付かれてはいないはず。
私の能力が作り出された、本当の意味を。
「なんか凄く気分が良くなっちゃった。ね? キラ」
「そうだね。ありがとう、サラさん」
「いえいえ」
顔を見合わせ、ぷっと吹き出す。
コーディネーターと分かっても、全く変わりなく会話をしてくれるの嬉しさが、笑顔となって出た。
「私こそ……ありがとう」
「キラ=ヤマト!!」
「何ですか?」
先ほどまで柔らかい表情を見せていたキラの顔が、一変して固くなる。怒りと悲しみを堪えているかのような顔を見た瞬間、何故だか胸が痛くなった。
「先ほどの戦いぶり。あれは一体どういうことだ!? いくらGの戦闘能力が高くても、そのパイロットが無気力では何の役にも立たん!」
「分かってますよ!」
「分かってない! お前はいつだって自分の事しか見えてないんだ! これは戦争なんだぞ? 一回一回が命を賭けた戦いだ。殺らなければこちらが殺られる。それは前線に立っているお前も嫌と言うほど分かっているはずだ。なのに……」
「分かってます! だから……人を殺すのが恐いんですよ!!」
まるで魂の叫びのようだった。
辛くて、哀しくて、痛い。自分の物ではないはずなのに、自分の心臓が締め付けられるような苦しみ。
「皆を守るために戦う。それは分かります。でも、だからと言って相手を殺しても良いんですか? 殺す事が正しいんですか!?」
「……っ! だからお前は……っ!!」
殺気を感じた。
拳を握りしめた少尉の周りに渦巻いているのは憎悪。時折悲しみの欠片が見え隠れしているが、すぐに真っ黒な空気に覆われる。
「いけない……!!」
「サラ!?」
少尉の拳がキラに向かって振り上げられるのと同時に、私の手が少尉の額に触れる。
「心を静めて……」
そっと、優しく、少尉の頭を撫でる。
母親が子供の頭を撫でるように。
2~3度軽く撫でると、少尉はすぐに大人しくなった。
「……落ち着いた……? 興奮しないで、冷静に、ね」
最後に肩をぽん、と叩く。
「あ……私としたことが……軍人たる者、常に沈着冷静でいなければならぬのに。すまない。……だが次の戦いはしっかりしてもらわなければ困る。今回は幸運だったが、いつまでもこの幸運が続くとは限らないんだからな」
先ほどまでの物凄い剣幕はどこへやら。しっかりと釘を刺しはしたものの、気の抜けたように大人しくなった少尉は穏やかな表情で食堂を後にした。
残されたキラとミリアリアは、呆然としている。
「……何だったの? 一体……」
「さ……あ……少尉のあんな表情は僕も初めて見るよ」
「ねぇ、サラ。貴女一体何をしたの?」
「ん~……別に特に何かをしたっていうわけじゃないんだけど……」
出来る事ならこの能力は使いたくなかった。使ったところで、あまり良い結果にはならないから。普通に生活している分には必要のない能力だから。
これは、私にとって知られたくない秘密をばらしてしまうかもしれない物。でも、今回は何の迷いもなく使ってしまった。
キラのために使いたい。自分でも驚くほどに瞬間的に思い、実行した。他人にこの能力を知られてしまう事は、身の危険を及ぼすことを承知で使ってしまった。
何故……?
私にも、分からない。
「サラさん」
キラが私を見ている。嫌な予感がした。
「何?」
「ひょっとして、サラさんもコーディネーター?」
予想通り、バレてしまったようだ。でも先ほどの出来事を見ていれば、誰でも疑って当然だろう。この能力は特殊な物。遺伝子操作によって作り出された私の体に宿った、特異能力。
でも……。
キラの言葉に引っかかるものを感じた私は、逆に聞き返した。
「あの……キラ君。今なんて……」
「君もコーディネーターなの?」
「も?」
「僕もコーディネーターなんだよ。その能力のせいで、ガンダムのパイロットをしてる。」
「……!?パイロットって……あのモビルスーツの操縦を貴方がしてたの?」
「うん……」
素直に驚いた。この艦に一人コーディネーターが乗っているとは噂に聞いていたけれど、まさか彼がその当人だったとは。
しかも今この艦の最も重要な戦力であるモビルスーツのパイロットとして戦っている。自分とほとんど歳の変わらない少年が……。
あぁ、そうか。だから先程少尉は……。そして多分、ミリアリアが先ほど話そうとしていたキラの話は、このあたりの事なのだろうと推測した。
「そっか。貴方もコーディネーターなんだね」
胸が熱くなる。
それが仲間を見つけた喜びからなのか。それとも他の感情から生まれた物なのか。今の私にはどうでも良いこと。
「頑張ってるんだね……」
そっと、腕を伸ばした。
キラの柔らかい髪に触れてみる。一瞬びくりと体を竦めたが、あとはそのまま私の好きなようにさせてくれた。ゆっくりと頭を撫でると、キラの瞼が落ちる。
「一生懸命なんだよね。貴方も」
何度も何度も頭を撫でる。それと同時にキラの表情も、少しずつ和み始める。
「サラ……?」
そんな私達の姿に、ミリアリアが不安そうに声をかける。
「ごめんね、ミリアリア。コーディネーターってこと隠してて。やっぱりなかなか言い出しにくくて……」
「ううん、そんな事気にしないで。私にとってサラはサラだから」
「ありがとう。ミリアリア」
「それよりさっきから何をしてるの? 少尉と言いキラと言い……サラが触れると大人しくなっちゃってるみたい」
「あぁ、これ? これはね……」
今度はミリアリアの頭をそっと撫でてみる。最初は不思議そうな顔をしていたミリアリアだが、2~3度撫でると瞼を閉じた。
「あったかい……日だまりの中にいるみたい」
「これが私の能力なの。ほら、子供がお母さんに撫でられると安心するって言うじゃない?あれの応用みたいな物なんだ」
「へ~。素敵な能力じゃない」
「……そうね。使い方によっては……」
そこから先の言葉は、口にしたくなかった。とりあえず能力でごまかし、その会話はうち切る。能力は知られた物の、まだその先は気付かれてはいないはず。
私の能力が作り出された、本当の意味を。
「なんか凄く気分が良くなっちゃった。ね? キラ」
「そうだね。ありがとう、サラさん」
「いえいえ」
顔を見合わせ、ぷっと吹き出す。
コーディネーターと分かっても、全く変わりなく会話をしてくれるの嬉しさが、笑顔となって出た。
「私こそ……ありがとう」
