この想いは罪ですか?(キラ)
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私は今、アークエンジェルという軍用艦で生活をしている。
今まで住んでいたコロニーが破壊され、救命艇で宇宙に放り出されたところを救助されたのだ。お陰で何とか生き延びることはできた物の、常に敵と戦っているこの軍用艦の中では、生きた心地はしなかった。
事ある毎にザフトに戦いを挑まれ、ぎりぎりの所で応戦しているこの地球軍の軍用艦にいる限り、心安らげる時は来ないだろう。
そう思っていた。
彼に会うまでは。
「サラっ」
不意に名前を呼ばれ、振り向いた。廊下の向こうから走ってくるのは、つい最近友達になったばかりのミリアリア=ハウ。
彼女は軍人だ。ひょんな事から戦いに巻き込まれ、今に至っているらしい。
詳しいことは、敢えて聞かないようにしていた。あくまで私達は、普通の女友達。深入りすることは『危険』だから。
「ミリアリア。交代の時間なの?」
「そうなのよ。これからお昼なんだけど、一緒に行かない?」
「うん、良いよ」
他愛のない話をしながら食堂へと向かうと、もう1時を回っていることもあり、人影はまばらだった。
空いている席に腰を下ろし、ゆっくりと箸を進める。心なしか、ミリアリアの顔は疲れているようだった。
「大丈夫? 何だか疲れた顔してるよ?」
私がそう言うと、ミリアリアは苦笑しながら小さく溜息をついた。
「そうなのよね~。命がかかっているとはいえ、毎日訓練と戦闘の繰り返しでなかなか疲れが取れなくて。それに……」
「それに?」
「キラが……ね」
「キラ?」
実はミリアリアと知り合ってから、こうしてゆっくりと話をしたのはまだ数回。そしてその話の中に『キラ』という名前が出てきたのは、今が初めてだった。
「この鑑に乗ってる友達?」
「あぁそっか。まだサラには紹介したことなかったわね。そうなの。へリオポリスにいた時からの友達で、トール達と一緒にこの鑑に乗り込んだ子なんだ」
「その子がどうかしたの?」
「うん、それが……あ、キラ!」
突如、ミリアリアが食堂の入り口の方を向き、声をかけた。振り向くとそこにはミリアリアと同い年くらいの少年が一人。
「彼がキラよ。キラ=ヤマト」
ミリアリアはそう言うと、キラを手招きした。彼は小さく頷くと、トレイを受け取りこちらへとやって来る。
「キラもお昼だったのね。一緒に食べましょうよ」
「あぁ。……彼女は?」
ミリアリアの隣に座りながら、キラが言う。少しはにかんだような表情が印象的だった。
「彼女はサラ=フユツキ。つい最近お友達になったの」
「初めまして。キラ君」
「あ……初めまして。サラさん……で良いのかな?」
遠慮がちに微笑みながら挨拶をする彼。その笑顔が妙に可愛く思えて、私は思わずくすりと笑ってしまった。
「あの……? 僕、何か笑われるようなことしました?」
「ううん、違うの。ごめんなさい。キラ君があまりにも可愛らしくて、つい」
「か、可愛い? 僕が?……一応僕も男なんで、可愛いって言われるのはちょっと……」
「でもサラの言う事、分かる気がする~。キラって確かに可愛い所あるものね」
「ミリアリアもやっぱそう思う?」
「うんうん、思う思う!」
「ミリアリアまで……」
女二人に可愛いと言われ、ふてくされながら食事を始めるキラ。それがまた更に可愛らしさを増して、ますます私たちは盛り上がってしまう。
「もう良いよ! 何でも……!」
とキラを怒らせてしまうまで、私たちのからかいは続いていた。
「ごめんなさい。調子に乗り過ぎちゃった」
笑いすぎて涙まで出てきた目をこすりながら、私は慌てて謝った。
「キラ君が丁度弟と同年代だから、どうしてもお姉さんぶっちゃいたくなるのよね。反省してまっす」
肩を竦めながら冗談交じりに謝ると、キラは苦笑しながらも許してくれる。その苦笑すら可愛く思えてしまった事は、さすがに胸の奥にしまっておいた。
今まで住んでいたコロニーが破壊され、救命艇で宇宙に放り出されたところを救助されたのだ。お陰で何とか生き延びることはできた物の、常に敵と戦っているこの軍用艦の中では、生きた心地はしなかった。
事ある毎にザフトに戦いを挑まれ、ぎりぎりの所で応戦しているこの地球軍の軍用艦にいる限り、心安らげる時は来ないだろう。
そう思っていた。
彼に会うまでは。
「サラっ」
不意に名前を呼ばれ、振り向いた。廊下の向こうから走ってくるのは、つい最近友達になったばかりのミリアリア=ハウ。
彼女は軍人だ。ひょんな事から戦いに巻き込まれ、今に至っているらしい。
詳しいことは、敢えて聞かないようにしていた。あくまで私達は、普通の女友達。深入りすることは『危険』だから。
「ミリアリア。交代の時間なの?」
「そうなのよ。これからお昼なんだけど、一緒に行かない?」
「うん、良いよ」
他愛のない話をしながら食堂へと向かうと、もう1時を回っていることもあり、人影はまばらだった。
空いている席に腰を下ろし、ゆっくりと箸を進める。心なしか、ミリアリアの顔は疲れているようだった。
「大丈夫? 何だか疲れた顔してるよ?」
私がそう言うと、ミリアリアは苦笑しながら小さく溜息をついた。
「そうなのよね~。命がかかっているとはいえ、毎日訓練と戦闘の繰り返しでなかなか疲れが取れなくて。それに……」
「それに?」
「キラが……ね」
「キラ?」
実はミリアリアと知り合ってから、こうしてゆっくりと話をしたのはまだ数回。そしてその話の中に『キラ』という名前が出てきたのは、今が初めてだった。
「この鑑に乗ってる友達?」
「あぁそっか。まだサラには紹介したことなかったわね。そうなの。へリオポリスにいた時からの友達で、トール達と一緒にこの鑑に乗り込んだ子なんだ」
「その子がどうかしたの?」
「うん、それが……あ、キラ!」
突如、ミリアリアが食堂の入り口の方を向き、声をかけた。振り向くとそこにはミリアリアと同い年くらいの少年が一人。
「彼がキラよ。キラ=ヤマト」
ミリアリアはそう言うと、キラを手招きした。彼は小さく頷くと、トレイを受け取りこちらへとやって来る。
「キラもお昼だったのね。一緒に食べましょうよ」
「あぁ。……彼女は?」
ミリアリアの隣に座りながら、キラが言う。少しはにかんだような表情が印象的だった。
「彼女はサラ=フユツキ。つい最近お友達になったの」
「初めまして。キラ君」
「あ……初めまして。サラさん……で良いのかな?」
遠慮がちに微笑みながら挨拶をする彼。その笑顔が妙に可愛く思えて、私は思わずくすりと笑ってしまった。
「あの……? 僕、何か笑われるようなことしました?」
「ううん、違うの。ごめんなさい。キラ君があまりにも可愛らしくて、つい」
「か、可愛い? 僕が?……一応僕も男なんで、可愛いって言われるのはちょっと……」
「でもサラの言う事、分かる気がする~。キラって確かに可愛い所あるものね」
「ミリアリアもやっぱそう思う?」
「うんうん、思う思う!」
「ミリアリアまで……」
女二人に可愛いと言われ、ふてくされながら食事を始めるキラ。それがまた更に可愛らしさを増して、ますます私たちは盛り上がってしまう。
「もう良いよ! 何でも……!」
とキラを怒らせてしまうまで、私たちのからかいは続いていた。
「ごめんなさい。調子に乗り過ぎちゃった」
笑いすぎて涙まで出てきた目をこすりながら、私は慌てて謝った。
「キラ君が丁度弟と同年代だから、どうしてもお姉さんぶっちゃいたくなるのよね。反省してまっす」
肩を竦めながら冗談交じりに謝ると、キラは苦笑しながらも許してくれる。その苦笑すら可愛く思えてしまった事は、さすがに胸の奥にしまっておいた。
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