想いを伝えて(イザーク)
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予定通り三時になると、幼なじみを初めとする友人達や、エザリアの関わっている議員達が祝いに訪れた。
談笑しながら過ごす、優雅な一時。
だがきっと、その客の中の誰一人気付いていないだろう。ジュール家の嫡男としてそつなく客をもてなし、祝いの言葉を受けるイザークの胸中が荒れていたことなど。
やがて夕方になり、最後の祝い客が帰るまで、イザークの完璧な態度が崩されることはなかった。
「今年もたくさんの方々にお祝いしていただけたわね」
「はい」
「これも貴方の人徳と、惜しみない努力の賜ね。私も鼻が高いわ」
「勿体ないお言葉、ありがとうございます」
やっと接客から解放された二人は、改めて入れ直した紅茶で一息入れる。甘く優しいアップルティーの香りが、部屋一杯に広がった。この瞬間がやはりほっとする。
「貴方も疲れたでしょう。お客様も帰られたことだし、あとはゆっくりなさい」
「はい。ありがとうございます」
紅茶を飲み干し、それでは、と今までバースデーパーティー会場となっていた広いリビングを出る。そのまま自室に戻ろうとしたが、せっかく久しぶりに帰ってきた事だし、とイザークは向かう先を別の部屋にした。
自室とはまた違う、もう一つの心休まる場所へと。
談笑しながら過ごす、優雅な一時。
だがきっと、その客の中の誰一人気付いていないだろう。ジュール家の嫡男としてそつなく客をもてなし、祝いの言葉を受けるイザークの胸中が荒れていたことなど。
やがて夕方になり、最後の祝い客が帰るまで、イザークの完璧な態度が崩されることはなかった。
「今年もたくさんの方々にお祝いしていただけたわね」
「はい」
「これも貴方の人徳と、惜しみない努力の賜ね。私も鼻が高いわ」
「勿体ないお言葉、ありがとうございます」
やっと接客から解放された二人は、改めて入れ直した紅茶で一息入れる。甘く優しいアップルティーの香りが、部屋一杯に広がった。この瞬間がやはりほっとする。
「貴方も疲れたでしょう。お客様も帰られたことだし、あとはゆっくりなさい」
「はい。ありがとうございます」
紅茶を飲み干し、それでは、と今までバースデーパーティー会場となっていた広いリビングを出る。そのまま自室に戻ろうとしたが、せっかく久しぶりに帰ってきた事だし、とイザークは向かう先を別の部屋にした。
自室とはまた違う、もう一つの心休まる場所へと。