『いつか』より『今』を(ムウ)
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「ムウ!」
声をかけるよりも早くドアの開閉スイッチを押し、返事も待たずにムウの部屋へと駆け込む。汗を流すため、ちょうどトランクス姿になったところだったムウは、思わず驚きの声をあげた。
「うわっと、何なんだよいきなり。いくらお前でも、男の部屋に入る時はちゃんと声をかけてから……」
「これ!」
「は?」
ムウの抗議を聞き流して勢いよく目の前に差し出された物。それはトレイの上に並べられたマフィンだった。
「これは?」
「食べて!」
「はい?」
「良いから食べて! ムウの味覚に合わせて、甘さを控えめにしてあるから」
必死の形相でトレイを押し付けるサラにたじろぎながらも、ムウはとりあえずマフィンに手を伸ばす。恐る恐る口に運ぶと、ほのかな甘さが口の中に広がり、甘いモノが苦手なムウにもとても美味しく感じられた。
「へぇ、サラってばこんなの作れたんだな。でもいつの間に作ってたんだよ。しかもわざわざ温めてくれたりして」
「違うよ、温めたんじゃなくて、焼き立て」
「焼き立てって……つい今しがたまで俺たち戦ってたよな?」
「だから、作っている真っ最中に発進命令が出たのよ。あとは焼くだけだったから、食堂のおばちゃんに焼き加減を見てもらってたの」
「ひょっとして、戦闘中にイライラしてたのは……」
「ピンポーン、大正解! 焼きが気になって落ち着かなかったのよ」
「…………」
おいおい、と呆れながらもムウは再びマフィンを口にする。優しく広がる甘味は、戦闘後の疲れを忘れさせてくれた。
「どう? 美味しい?」
「ああ、美味いよ。確かに好みの味だわ、これ」
「良かった~」
心の底から嬉しそうな顔を見せるサラに、ムウの口元も緩む。あっという間に一つ目を平らげたムウは、次のマフィンを手に取った。その時、サラの顔が一瞬不安げに曇ったことに気付く。何か問題でも抱えているのかと気にしながらも、ムウが手の中のマフィンにかじりついた時だった。
「ん?」
口の中に違和感を覚え、舌で探る。マフィンの生地とは明らかに違う紙のような感触に、ムウはそっと口の中のモノを吐き出した。
それはまさに紙そのもの。作っている時に紛れ込んだのかと思い、こっそり捨てねばとポケットに手を持っていきかけたが、紙に何かが書かれているのが見えてその手を止める。冷蔵庫からお茶を出してきて欲しいとサラに頼み、その隙にムウは、くしゃくしゃの小さな紙を開いてみた。するとそこに書かれていたのはーー。
声をかけるよりも早くドアの開閉スイッチを押し、返事も待たずにムウの部屋へと駆け込む。汗を流すため、ちょうどトランクス姿になったところだったムウは、思わず驚きの声をあげた。
「うわっと、何なんだよいきなり。いくらお前でも、男の部屋に入る時はちゃんと声をかけてから……」
「これ!」
「は?」
ムウの抗議を聞き流して勢いよく目の前に差し出された物。それはトレイの上に並べられたマフィンだった。
「これは?」
「食べて!」
「はい?」
「良いから食べて! ムウの味覚に合わせて、甘さを控えめにしてあるから」
必死の形相でトレイを押し付けるサラにたじろぎながらも、ムウはとりあえずマフィンに手を伸ばす。恐る恐る口に運ぶと、ほのかな甘さが口の中に広がり、甘いモノが苦手なムウにもとても美味しく感じられた。
「へぇ、サラってばこんなの作れたんだな。でもいつの間に作ってたんだよ。しかもわざわざ温めてくれたりして」
「違うよ、温めたんじゃなくて、焼き立て」
「焼き立てって……つい今しがたまで俺たち戦ってたよな?」
「だから、作っている真っ最中に発進命令が出たのよ。あとは焼くだけだったから、食堂のおばちゃんに焼き加減を見てもらってたの」
「ひょっとして、戦闘中にイライラしてたのは……」
「ピンポーン、大正解! 焼きが気になって落ち着かなかったのよ」
「…………」
おいおい、と呆れながらもムウは再びマフィンを口にする。優しく広がる甘味は、戦闘後の疲れを忘れさせてくれた。
「どう? 美味しい?」
「ああ、美味いよ。確かに好みの味だわ、これ」
「良かった~」
心の底から嬉しそうな顔を見せるサラに、ムウの口元も緩む。あっという間に一つ目を平らげたムウは、次のマフィンを手に取った。その時、サラの顔が一瞬不安げに曇ったことに気付く。何か問題でも抱えているのかと気にしながらも、ムウが手の中のマフィンにかじりついた時だった。
「ん?」
口の中に違和感を覚え、舌で探る。マフィンの生地とは明らかに違う紙のような感触に、ムウはそっと口の中のモノを吐き出した。
それはまさに紙そのもの。作っている時に紛れ込んだのかと思い、こっそり捨てねばとポケットに手を持っていきかけたが、紙に何かが書かれているのが見えてその手を止める。冷蔵庫からお茶を出してきて欲しいとサラに頼み、その隙にムウは、くしゃくしゃの小さな紙を開いてみた。するとそこに書かれていたのはーー。