『いつか』より『今』を(ムウ)
名前変換はこちら
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
【存在の不確かな『いつか』より、確かな『今』を】
そう考えるようになったのはいつからだろう。ふとそんな疑問が頭をよぎり、サラの集中力が途切れた。
ナチュラルとコーディネイターとの戦いに終わりの文字は無い。希望の光など見えぬまま、今日も又サラたちは戦場にその身を置いていた。
現に今も激しい戦闘の渦中にあり、雨あられと降り注ぐ敵の弾をかいくぐりながら、命のやり取りをしている。
だからこそ、集中力を切らしてしまうなどあってはならない。小さな気の緩みが自らの未来を閉ざしてしまうことを、この戦場で見送った数え切れないほどの命に叩き込まれているのだから。
それにも拘らず、ほんの一瞬でもサラが戦いを忘れてしまったのには理由があった。
「サラ! 右後方!」
突如、切迫した声がコックピット内に響く。
サラと同じく戦闘機乗りであり、出会った頃よりサラに好意を寄せていると明言している男、ムウ・ラ・フラガからの通信だ。その声にハッとしたサラは「分かってるよっ!」と叫ぶと、急旋回しながら敵を迎撃した。
「あーもーなんで今日に限ってっ! 時間ないってのに~!」
よほどイライラしているのか、荒い飛行を続けながらも着実に敵を撃墜するサラに、ムウは苦笑しながら同じく敵を撃墜していく。
「サラ、いつも以上に荒いぞ?」
「そんなの別に良いじゃない。要はヘマをしなきゃ良いわけでしょ。それよか早く終わらせて帰るわよ!」
モニター越しに見えるサラの目は、とんでもなくつり上がっていた。
「何怒ってんだよ。サラ」
戦闘中の緊張とは明らかに違うその表情は、ムウをほんの少しだけ戸惑わせる。元々短気な方ではあるが、だからこそ逆に戦闘中は冷静沈着なサラ。それがどうして、こんなにもあからさまにイライラしているのか。ムウには全く見当がつかなかった。
「サラ?」
「別に怒ってないわよ。ほら、無駄口叩かない。叩くなら敵を叩きなさい!」
無理矢理切られた通信は、同時にサラをレーダーからも消してしまう。物凄い速度で敵の包囲網へと突っ込んでいくサラは、さながら鬼か修羅のようだ。
「……あれで怒ってないなんて嘘だよな……今日の敵さん達、気の毒に」
ーーこりゃ一機も残らず撃墜されるな。
そう心で呟き、やれやれとため息をつきながら、ムウもまた新たな敵の元へとメビウスを駆った。
そう考えるようになったのはいつからだろう。ふとそんな疑問が頭をよぎり、サラの集中力が途切れた。
ナチュラルとコーディネイターとの戦いに終わりの文字は無い。希望の光など見えぬまま、今日も又サラたちは戦場にその身を置いていた。
現に今も激しい戦闘の渦中にあり、雨あられと降り注ぐ敵の弾をかいくぐりながら、命のやり取りをしている。
だからこそ、集中力を切らしてしまうなどあってはならない。小さな気の緩みが自らの未来を閉ざしてしまうことを、この戦場で見送った数え切れないほどの命に叩き込まれているのだから。
それにも拘らず、ほんの一瞬でもサラが戦いを忘れてしまったのには理由があった。
「サラ! 右後方!」
突如、切迫した声がコックピット内に響く。
サラと同じく戦闘機乗りであり、出会った頃よりサラに好意を寄せていると明言している男、ムウ・ラ・フラガからの通信だ。その声にハッとしたサラは「分かってるよっ!」と叫ぶと、急旋回しながら敵を迎撃した。
「あーもーなんで今日に限ってっ! 時間ないってのに~!」
よほどイライラしているのか、荒い飛行を続けながらも着実に敵を撃墜するサラに、ムウは苦笑しながら同じく敵を撃墜していく。
「サラ、いつも以上に荒いぞ?」
「そんなの別に良いじゃない。要はヘマをしなきゃ良いわけでしょ。それよか早く終わらせて帰るわよ!」
モニター越しに見えるサラの目は、とんでもなくつり上がっていた。
「何怒ってんだよ。サラ」
戦闘中の緊張とは明らかに違うその表情は、ムウをほんの少しだけ戸惑わせる。元々短気な方ではあるが、だからこそ逆に戦闘中は冷静沈着なサラ。それがどうして、こんなにもあからさまにイライラしているのか。ムウには全く見当がつかなかった。
「サラ?」
「別に怒ってないわよ。ほら、無駄口叩かない。叩くなら敵を叩きなさい!」
無理矢理切られた通信は、同時にサラをレーダーからも消してしまう。物凄い速度で敵の包囲網へと突っ込んでいくサラは、さながら鬼か修羅のようだ。
「……あれで怒ってないなんて嘘だよな……今日の敵さん達、気の毒に」
ーーこりゃ一機も残らず撃墜されるな。
そう心で呟き、やれやれとため息をつきながら、ムウもまた新たな敵の元へとメビウスを駆った。
1/6ページ